私は、どちらかと言えば人力よりも電動工具に頼って「ウィーン!」とやってしまう方が好きなのですが、中にはあえて人力でやることもあります。
それがこちら。
そうです、タイヤの空気入れ。
それも自動車のヤツ。
暑い夏が過ぎて多少タイヤの空気圧も下がってきている頃なので、タイヤの点検を兼ねて空気を入れました。
と、ちょっと待てよ、確か2週間前にディーラーで半年点検をやったばかりで、その時にしっかりと空気圧の確認をしてもらったはずなのに、ほんの2週間で気温が少し下がったからといってこんなに空気圧が下がるものなのだろうか?
それも、タイヤによってバラバラに。
ともあれ、この空気入れを使ってタイヤの空気を補充しました。
以前はいわゆる自転車用のヤツで入れていたので、10kPa入れるだけで結構大変でしたが、このツインシリンダーの空気入れは足で踏むタイプということもあってそれほど苦ではありません。
むしろ、調子に乗って入れていると入れ過ぎてしまうくらいでした。
一応ゲージはありますが、こういうのってあまりあてにならないという先入観があるので、どうしてもちょっと多めに入れて減らしていくような感じになります。
でも、普段は電動工具をバンバン使っているのに、クルマのタイヤの空気入れは手動(足動)なのかと言いますと、100Vにつないで使うコンプレッサーを使うとかなり大ごとになってしまいますし、
かといってクルマのシガーソケットにつなぐタイプや充電式のものだとAmazonのレビューでやや怪しい印象があったため、故障が少なそうな人力のものにしました。
それに、タイヤの空気圧のチェックは年間通しても多くて月に一度くらいのことなので、それくらいなら人力で十分だと思ったのです。
普段自転車に空気を入れるのも、ロードバイク用の人力のヤツを使っています。
普段から電動工具をバンバン使っている私が言うのもなんですが、最近はなんでも電力を使う傾向にあって、それって確かに良いものではあると思うのですが文化的進化からするとあまり良くないんじゃないかって思います。
クルマのパワーウィンドゥやパワーシート(私のクルマにはついていませんが)、自転車のディレイラーも電動のものが出ているらしいですし、製図用品では私も以前使っていました電動字消し、玄関の鍵も電動です。
消費する電力は微々たるものかもしれないけれど、別に電動にしなくても全く問題ない、むしろ自動車のパーツに関しては軽量化の為に手動で十分だと思います。
職業として頻繁に使うものなら電動でも良いと思いますが、人力で問題ないものなら私は人力の方が好きなんですよね。
そこで、勘の良い方なら私が仕事としている靴づくりも機械を使うか手作業化の話につながると思ったかもしれませんが、残念ながらこれらは決して電動の機械を使うとか使わないとかという話ではなく、
より履きやすい靴を作るために、そのことを目的とした結果、どうしてもラスティングやウェルティングは手作業で行うしかありませんでした。
ここに選択肢はありませんでした。
機械でやってしまえば均一のものが出来上がるというセオリーから外れていまして、靴づくりでは天然由来の動物の革を使うため、機械でラスティングをするよりも手作業でやった方が優しい履き心地で、なおかつ素材を生かした靴づくりができ、
ウェルティングは機械を使う製法(グッドイヤーウェルテッド)となると構造を変更する必要があって、それでは私が目指す履き心地が得られないため、こちらも手作業で本来あるべきスタイルを貫いています。
ただ、私たちはいつもお伝えしている通りクオリティに影響のない作業では積極的に電動の機械を使いまして、作業効率を追求しています。
仕事では、好きとか嫌いということではなく、いかに合理的か、いかに良いものを作ることができるかということが基準になりますが、それ以外のことでは納得のいくように人力の道具もたくさん使います。
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