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ギブソンブーツ

私が以前からずっと興味があって、大変気になっているものがあります。 それは、クルマのパーツでMCB(モーションコントロールビーム)というもの。 これはアイシン精機から発売されているもので、対抗馬としてヤマハから発売されているボディダンパーというものもあります。 どんなものかと言いますと、ひとことで言ってしまえばクルマのボディをしなやかにカッチリさせるものといったところでしょうか。 ボディをしっかりさせるというと、タワーバーやドアスタビライザーなどがありますが、それらはクルマのボディを硬くさせるのに対し、MCBはしっかりとさせているものの逃げ道も同時に作るというパーツ(と私は認識していますが・・・)。 クルマはボディやプラットフォームがフニャフニャだと、走っている時に撚れてしまって安定しなかったり乗り心地が悪かったりサスペンションが計算通りに動かなかったり、さらには運転している人が疲れてしまうなどのデメリットがあります。 それを改善するために新しいクルマはボディ剛性とかねじれ剛性などという、いわゆるクルマそのもののしっかり度合いを改善しています。 ただ、どうしても薄い金属の集合体であるクルマは、それでも凸凹を乗り越えた時やカーブを曲がるときにはボディがわずかながら撚れてしまい、その結果としてサスペンションが動き始めるタイミングが遅れてしまったり、乗り心地が悪くなってしまっているようです。 その時の撚れて変形する数値は、このMCBを紹介しているサイトによるとおよそ4μm(=0.004mm)程度とのことですが、そんなにわずかな変化でも人間の身体はその不具合を感じており、改めて人間の身体の精密さを実感します。 クルマのボディが撚れないようにするために、昔はタワーバーなどを取り付けてボディそのものを硬くカッチリとさせる補正をしていましたが、硬くカッチリとさせることはハンドリングがダイレクトになるなどのメリットがるように感じるものの、実際には振動の問題や片側からの衝撃を反対側に伝えてしまうなどのデメリットもありました。 そこで登場したのが、このMCBでありボディダンパーです。 両者は目的が似ているものの、構造的にも目指している方向性も異なるところがあり、似て非なるものと言えるのかもしれません。 ともあれ、そんなMCBはタワーバーとは異なり、目には見えないボディの撚れ(MCBのストロークはわずか4μm(=0.004mm)程度)を上手にいなしてくれつつ、ボディをしっかりと締めあげてくれるそうで、このパーツを装着することで乗り心地の改善や安定性の向上、異音の低減、さらには運転者の疲れの低減などの効果が感じられるとのこと。 理屈を聞いてもたしかに衝撃を反対側に伝えずにいなしてくれる構造なら、ボディがしっかりしてサスペンションの動きもより正確になり、大きなメリットが見込まれるのだろうと思います。 ただ、デメリットもいくつかあるそうで、まず価格が10万円超えであることや、他人によっては改善があまり感じられないこともあったりするとのこと。 さらには、クルマの設計段階からではなく後付けのパーツなので、取り付ける部分が必ずしもベストと言えるとは限らないことや、MCBなしで設計されたクルマに対してこのパーツをつけることでサスペンションやタイヤへの過剰な負担が考えられます。 クルマの設計って、私たちが想像するよりもはるかに高いレベルでなされているそうで、下手にいじるとバランスが崩れてしまうのだとか。 ただ、やはりちょっと気になるなぁというのが正直なところです。 じつは、靴も人間を乗せて移動するという点ではクルマと同じで、ねじれ剛性はある程度高い方が良いですし、外からの衝撃は上手に逃がしてあげる必要があります。 そういう点では、ハンドソーンウェルテッドの靴は剛性を上げるために補強を十分に入れることができますし、人間の体重に合わせた衝撃吸収の素材も入れることができます。 さらに、これは接着の靴と縫っている靴の最大の違いともいえることですが、目で見たところではまずわからないほどの、まさにMCBがストロークするかの如く、靴とウェルト、そしてウェルトとソールを縫っている糸が衝撃をいなしてくれるのです。 ハンドソーンウェルテッドの靴を見て触ったところで、靴とウェルト、もしくはウェルトとソールが衝撃をいなしてくれるなんて全くわかりませんが、それが縫ってある靴の特徴なのです。 接着の靴だと、なぜか地面に近いように感じるものの、ソールの厚さがほとんど変わらないのにハンドソーンウェルテッドの靴だと地面からの距離が遠く感じるのは、そんなところに理由があるのかもしれません。 人間の身体は、私たちが思っているよりもはるかに正確で敏感なのだと思います。 ★★★お知らせ★★★ ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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モンキーブーツ

先週の日曜日は、しばらくの間ほったらかしだった我が家の家庭菜園の草刈りをし、耕運機で土をほぐし、今年の畑の準備をしておきました。 今日はその続きで、軽く化成肥料や腐葉土をまき、畝を作って野菜の種を蒔きました。 先週も今日もこの時期にしてはなかなかお天気がよく、特に先週は比較的早い時間から始めたものの、草刈りを終えるだけでも結構な時間がかかり、夢中になってやっていたので耕運機の作業が終わる頃には危うく熱中症になりそうになっていました。 気付かぬうちに熱中症になってしまうので、強制的に水分補給をしたり時間を決めて休憩をするようにしないと危険ですね。 これがあと10年とか15年くらい経つと、今のように身体が動かなくなってしまうのかと思うと、いろいろ心配です。 よくニュースなどで、津波が来そうな時や大雨で洪水になりそうなときに、お年寄りを早い段階で避難させるような話を見聞きしますが、私がそうなった時にはもちろん寄る年波にはなかなか勝てないものの、それでも年の割には元気でありたいと思っています。 以前にあるお客様から聞いた話では、だいたい40代後半が走れる人と走れない人になる分かれ目だとのこと。 60代70代になってもジョギングができたり身のこなしが軽やかだったりする人もいれば、ちょっと運動は得意そうではないように見える人もいて、それは40代の後半くらいまでの間に身体を動かせるようにしているか否かの違いなのだそうです。 昔運動をしていたから、今でも全然身体を動かせると思っていたのに、子供の運動会で足がもつれて転んでしまうお父さんや、ちょっと身体を動かしただけで膝を痛めてしまう人もいたりして、やはりある程度継続的に身体を動かすようにしていないと、身体はなまってしまうのかもしれません。 そんなに特別な運動ができなかったとしても、いざという時にある程度残りを速足で歩けるくらいの身体にはしておきたいものです。 13年前の東日本大震災の時に、10キロや20キロの道のりを歩いて帰らざるを得なかった方々は、そもそもが歩いて帰ることができる身体と体力があったから時間はかかったものの帰宅できたわけで、それすらできなかったらもしかしたら2次災害に巻き込まれてしまったことだって考えられます。 スニーカーでも革靴でも何でも目的の距離を歩くことができればよいのですが、靴屋から見たところではスニーカーは長距離を歩くと思いのほか足に負担がかかって足を痛めてしまうリスクもあります。 スニーカーの方が楽だからという理由でスニーカーを選ぶのではなく、何を履いていても目的を達成できるほどの身体と体力を普段から身に着けておきたいものです。 モンキーブーツは、革靴の中でもカジュアルに履けるブーツで、普段スーツを着ないような方にも見た目と実際のポテンシャルの両方の面で優れている使い勝手の良いブーツです。 ★★★お知らせ★★★ ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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蒸れない

先日、長野市のIVY PRODUCTSさんでお客様にお会いして革靴のメリットなどをお話しすることがあったのですが、思っていた以上に多くの方々が革靴は蒸れるし疲れるし歩きにくいというイメージを持っていらしたようでした。 確かに、正しい靴選びができていないとそういうイメージを持たれても仕方ないのかもしれませんが、ちゃんと作られた革靴はサイズが合っていれば蒸れにくいし疲れにくいものなのです。 靴の中が蒸れるとその先にあるのは臭くなるということなのですが、蒸れる原因として靴の中で足がかいた汗を靴が十分に吸収できないことや、靴の中で足がズレて必要以上の熱が発生すること、さらにはそのことで足がストレスを感じてさらに汗をかいてしまうことなどが挙げられます。 ということは、足がしっかりとホールドされていたり、靴そのものがしっかりしていて、足がズレにくくなっていたり、靴の方が汗をしっかりと吸収してくれれば、靴の中は蒸れないということになります。 私たちシューリパブリックで製作している靴のひとつで、このようなオックスフォードがあります。 ビジネス用としてよく使われるデザインです。 私たちシューリパブリックの靴は、基本的に真夏でも蒸れにくく、靴の中が快適に保てるような構造になっていまして、このオックスフォードも同様に気持ちよく履いていただけます。 その理由は・・・、 靴のねじれ剛性が非常に高いことと、カカトの芯がしっかりしていること、そしてお客様の足に合わせてオーダーメイドで製作しているために足をしっかりとホールドできること、さらには先述の通りインソールがしっかりと汗を吸収してくれるようになっているためです。 使っているインソールの革はこのようなもので、 けっこうな厚さがあります。 これらの複合技で靴の中を快適に保ち、靴を脱いだ時には臭くなりにくいのです。 ただ、長所があれば短所もありまして、吸収した水分はしっかりと放出させてあげる必要があるため、1度履いたら最低でも2日、できれば3日くらいゆっくりと休ませてあげる必要があります。 これは、靴の生命線ともいえるインソールを良い状態に保つためのことで、靴を永く良い状態で履くためにはとっても大切なことなのです。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。    

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ghillie

今日は水曜日なので、私たちシューリパブリックの工房はお休みです。 そして、今日は今週末の出張に備えて買い物やら雑用やらを終わらせてきました。 途中、ユニクロで買いたいものがあったので立ち寄ってついでに店内をウロウロと見ていたところ、まぁそれは私好みで私のサイズのチノパンが訳アリだとかで990円で売られていて、その訳がこれまたたいしたことではなく全く問題ないことだったので、しばらく買おうかよそうか迷っていました。 チノパンなら、作業用のズボンに買っても間違いなく使うだろうし、1,000円で買えるのなら買っておいても悪くないだろうと思う反面、今これがないと困るかと言われるとなくても全く困らないし、もしかしたら近い将来チノパンに全く興味を示さなくなって履かずに終わってしまうかもしれないと考えたりして、心の中では大変な葛藤がありました。 ここで思い出したのが、以前にも書いたことがありますが、以前にFMぐんまでパーソナリティを務めていた櫻井三千代さんの言葉。 「それを買う理由がお金(金額)なら、それは買ってはいけない。それを買わない理由がお金なら、それは買いなさい。」 つまり、価格が安いからという理由で買うのはダメで、欲しいのに高いからそれをあきらめて安い他のものを買うのもダメだという、世の中を悟ったような素晴らしい言葉です。 なので、私はきっぱりと買うのをやめました。 この時の清々しさと言ったら、なんとも言えないものでした。 だいたい、初めから買うつもりはなかったものですし、なくても全く困らないものですから。 と言いつつ、じつは私は食料品を買いに行くとどうしても値引きシールが貼られているものを探してしまう習性がありまして、買う予定のものに値引きシールが貼られていたら迷わずそれを選びます。 一方で、買うつもりがないものに半額シールが貼られていた時、これは買いません。 ですが、私がよく行くスーパーでは、単に20%引きとか100円引きというシールではなく、食品ロスにご協力くださいと書いてある値引きシールが貼ってありまして、これを見るとちょっと考えてしまうんですよね。 もし私が買わなかったら、この商品は廃棄になってしまうのではないか。 そうなら、食べられるものを廃棄するのは気が引けるので何か考えて食べることにしようって。 これ、本当に後ろ髪を引かれる思いです。 ところで、私自身も時々お得なプランを販売する側になることがあります。 最近では「幸運のラストワンプラン」などがそれで、この企画商品はすでにお伝えしている通り革の在庫が1足分になった時にダブルブッキングを避けるためにその革を別枠にするのですが、そんな革がだいぶ増えてきていて何かに使わないともったいないということや、お客様にも宝探し気分で楽しんでいただけると嬉しいと思いまして、このような企画商品を発売しています。 どちらかと言えば、食品ロスにご協力ください的な意味合いが強いかもしれません。 お客様の中には、安く購入して申し訳ないとおっしゃる方もいらっしゃるのですが、私たちからすれば全く逆で、もしかしたら使われずに廃棄されてしまうかもしれない革をしっかりと使って靴にしていただいて本当にありがとうございますという気持ちです。 このほかにもこれまでにいくつかのお得なプランを発売していますが、皆それぞれに考えがあってのことなので、今後もしご興味をお持ちいただけるものがありましたら、ぜひ積極的にご注文いただけると嬉しいです。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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ブラシ

タイトルの通り、今度の週末の4月13日(土)と14日(日)は、長野市にあるIVY PRODUCTSさんにて足の計測会&靴のオーダー会のイベント開催です。 そもそも、足の計測ってなに?ということなんですけど、 実際にやってみるとこれがなかなか意味のあるもので、お客様の足を計測して足の状態や特徴などを確認しつつ、どんな靴を履いたら足や身体を良い状態に保てるかとか、今の足の状態はどんな感じなのか、さらには実際に適した靴のサイズなどをお伝えします。 おそらく多くの方が今履いている靴のサイズは、ご自身でこれが合っていると判断して履いていると思いますが、そのサイズが本当に合っているのか否かって、気になりませんか? もしかしたら、もうちょっとだけ小さいサイズの方が合っていたり、もしくは長さ的にはそのサイズで良いけれど幅の関係でもうハーフサイズ大きい方が良いということもあるかもしれません。 そんな話を、専門家としてお伝えさせていただきます。 まず、足に合っている靴を履くメリットって何かと気になる方もいらっしゃるかと思います。 考えかたを変えて、足に合っていない靴を履いた時のデメリットを考えてみましょう。 足に合っていない靴を履いていると、歩き方に変な癖がついて身体のバランスが悪くなったり、それが進むと身体のどこかにダメージが及ぶこともあります。 また、足の形が変形してしまうこともあります。 小さなことで言うと、足が臭いとか靴下に穴が空きやすいとか、ちょっとしたトラブルもあります。 単に靴が大きいとか小さいなどということに限らず、足の形が合っている合っていないということのほかにも、足の状態に合わせて靴の硬さや重さも大変重要な項目です。 将来いつまでも元気で歩けるようにするために、ご自身の足をしっかりと知っていただいて、既製品であればどんな靴を選べばよいのかをご理解いただきたいと思っています。 私たちの工房に来てくださる方は、靴をオーダーすることを考えている方がほとんどですが、そのほかにももっと多くの方々に靴や足に対する理解を深めていただき、もっと多くの方々が足元から元気でいていただきたいという思いで、お取引のある店舗でこのようなイベントをさせていただいています。 なので、靴をオーダーするつもりは全くなくても、全然気にしないでお越しいただきたいと思っております。 もし、この機会に靴に対してご興味をお持ちいただけたら、今回は靴のメンテナンス用のブラシなどを販売しますので必要であればお買い求めください。 IVY PRODUCTSさんは、長野駅から10分くらいのところにありまして、善光寺に向かう途中に立ち寄るにはちょうど良いところにあります。 イベント開催の時間は、両日とも11時から19時です。 靴をオーダーしようか考えているけれど、まずはちょっと話を聞いてから考えようという方も、ムリに勧めは致しませんので、お気軽にお越しください。 今回のイベントは、2日ともとっても良いお天気になりそうです。 皆様のお越しをお待ちしております。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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オックスフォード

昨日の投稿では、私はオックスフォードよりもギブソンシューズの方が使い勝手が良いというようなことを書きましたが、それでもやっぱりオックスフォードも必要です。 新年度が始まって、職場に新人さんが入ってきたり、移動になって新たな気持ちで臨むという方もいらっしゃるかもしれません。 昔に比べると職場でスーツを着てネクタイをしてということは少なくなったかもしれませんが、まだまだスーツを着たり、それに準ずるような服装をするケースは多いと思います。 そんなときに、間違いのない靴と言えばやはりオックスフォードです。 お客様に会う時に履いていても、上司と一緒に出かけるときに履いていても、先輩として後輩に背中を見せる時に履いていても、全く失礼がありません。 そして加えて言うなら、履き口がスカスカだったりパカパカしてしまったり、もしくはハネが思いっきり開いてしまうような足に合っていない靴ではなく、ある程度は足に合っているものを履いていた方がスマートに見えます。 昔からよく言われている通り、初対面の人は腕時計と靴を見よというのは、私はその通りだと思います。 腕時計は、その人の人柄をあらわしているものですし、靴も然りです。 何でもかんでも高価なものが良いということではありませんが、自分で納得のいくものを普段から身に着けているのが良いと思っています。 ぱっと見ではわからないだろうと思うかもしてませんが、意外と感じ取っているものです。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。    

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gs&ox

イギリス靴において、デザイン的に、もしくは構造的にビッグ2と言われるのがこのギブソンとオックスフォードです。 向かって右がギブソンシューズで、左がオックスフォードシューズです。 その違いはヒモが通っているハネと呼ばれる部分の構造。 ギブソンはヴァンプ(つま先側のパーツ)と(クォーターハネを含めたカカト側のパーツ)の縫い方がクォーターが上に来るように縫われていて、ハネを広げる時にはヒモを緩めればかなり大きく開くようになります。 これに対し、オックスフォードはヴァンプとクォーターとの縫い方が、ヴァンプが上側に来るように縫われていて、なおかつハネを広げる時にはV字に開くようになります。 これがギブソンとオックスフォードの主な違いです。 デザイン上や構造上の違いはそんな感じなのですが、靴はデザインの違いは履き心地の違いに大きく関係します。 たとえば、ギブソンの場合は足が前にズレないように押さえるのは靴ヒモの役割が大きいのに対し、オックスフォードの場合は靴の形が決まってしまっているので靴そのもので押さえるようになります。 ときどきギブソンの方が足に合いやすいとか履きやすいなどという意見を聞くことがあるかもしれませんが、これはあくまでも足に合わない靴を前提にした話になります。 構造的に調整範囲が大きいので、ギブソンの方が守備範囲が広くなるのです。 では、足に合ったオーダーメイドなどの靴の場合はどうなのかというと、これは好みにもよるのですが、私が聞く範囲ではオックスフォードの方がホールドが良くて履きやすいという意見が多いように感じます。 やはり靴の中で足が動かないことが履きやすさにつながることもあって、靴ヒモで押さえるよりも靴そのもので押さえた方がしっかりとホールドされるということなのだと思います。 だからと言ってオックスフォードの方が圧勝かというとそういうわけでもなく、ヒモをきつめに締めればギブソンだってしっかりとホールドしてくれますし、ヒモをきつく締めるのが好きな方にはどちらも同じような履き心地になるはずです。 ちなみに、靴のデザインとしての立ち位置は、オックスフォードの方がフォーマルとされていて、かしこまった席などではこちらの方が無難です。 私個人的には、どちらかというとギブソンの方が好きで、脱ぎ履きの際にはパッとハネが開くことや、カジュアルな服にも合わせやすいというメリットがあり、私の生活スタイルに合っていると思います。 いずれにしても、単なるデザインの違いではなく、構造的に違うことや立ち位置が違うことを理解していただいて、靴のデザイン選びの参考にしていただけると嬉しいです。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。  

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オッペンハイマー

その前に、昨日お知らせいたしました新企画の「最高の靴を作るプラン」に関しまして、何件かですが早速お問い合わせをいただいております。 ご興味をお持ちいただいた皆様、本当にありがとうございます。 いただいたご質問は皆様と共有したいので、こちらで回答させていただきます。 まず、今後の受け付け予定に関しまして、1か月に2足、合計で10足とお伝えしましたが、これには理由がありまして、今回の企画商品は製作にやや手間がかかりまして、たとえばもし仮に10月納品予定の靴がすべてこの企画商品になってしまうとさすがに作業量として難しくなるので、分散させて負担を減らすために完成予定月ベースで2足ずつとさせていただきました。 なので、予定では今受け付けている9月完成予定グループに2足、10月完成予定グループに2足という具合で、来年の1月完成予定グループまで2足ずつ振り分けるということで考えていまして、もしそのグループに2足のご注文がなければそれはそれでナシのままで、結果的にトータルの足数が減るということで考えています。 また、別のケースとして明日10足のご注文をいただいた場合は、初めにご連絡いただいた2名の方が9月完成予定グループに、次の2名の方が10月完成予定グループに振り分けさせていただきます。 靴の仕様に関しましては、お伝えした仕様の通りで、この企画商品における仕様の変更はできないとさせていただきます。 それから、この企画商品のもっとも売りとなるポイントですが、ひとことで言ってしまえば安心感と安定感からくる履き心地です。 今回選んだ革は適度な硬さで十分なしっかり感があり、それでいて時間をかけて育てていくことでしっかりと足に馴染む履きやすい靴になります。 そんな革を、時間をかけてラスティングし、時間をかけて革を落ち着かせ、質感の高いインソールとスティフナー(カカトの芯)でしっかりと安定した靴が出来上がります。 製作は通常よりも1か月ほど長くかけて行いますので、パリッとしていつつ優しい履き心地の靴に仕上がります。 このあたりの違いがなかなか伝わりにくいのかもしれませんが、とっても贅沢な作りの靴です。 おおよそこのようなご質問をいただきましたが、そのほかに何かご不明な点がございましたら、またメールでお問い合わせください。 さて、今日は水曜日なので私たちシューリパブリックの工房はお休みです。 今日は、ずっと前からウチの家内が一緒に映画を見に行こうと言っていまして、先日日本で公開されたクリストファー・ノーラン監督の作品「オッペンハイマー」を観に行ってきました。 この作品は、アカデミー賞やゴールデングローブ賞を多部門で受賞した話題の作品で、原爆の開発において指導的役割を果たした「原爆の父」ともいわれるロバート・オッペンハイマーの栄光と苦悩を描いた作品です。 内容に関して多くを語る必要はないと思っているので、ご興味を持ってくださった方にはぜひ一度ご覧いただきたいと思います。 ちなみに、ウチの家内はクリストファー・ノーラン監督も主演のキリアン・マーフィーも大好きなので、観に行く前から大絶賛でした。 確かに私もとっても良い映画だと思いました。 これらとは別に、パンフレットのモノクロの写真がとっても格好良く、改めてまたモノクロの写真を撮ってみたいと思うきっかけとなりました。 ただ、いくつか残念なこともあって、これは私個人的なことなのですが、 これですよ、IMAXの映画館で観たのですが若干過敏気味の私には、音が大きすぎで落ち着いて観ていられませんでした。 立体的な音はそれはそれで良いのですけど、もうちょっと繊細な音で流してくれたら私には良かったんだけどといったところです。 私個人的には、IMAXではなく家のテレビで観るくらいがちょうど良さそうです。 今は家でもAmazonプライムなどでたくさんの映画が簡単に観られるので、映画館で観たのは本当に久しぶりです。 時間があれば、じっくりと映画館でくつろぎながら映画を観るのも良いものですね。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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最高の靴

永いこと靴づくりをしていると、いろいろと思うこともあったり、思い通りにならないこともあったりします。 この材料はすごく良いのに、十分に入手することができないのでいつも使うことができないとか、こっちはすごく良いんだけれど作業効率が悪すぎて使えないとか、この素材はとっても良いけれどお客様の好みではないなど、すべてこだわって最高のものを作りたいのに様々な事情で実現できないのです。 革の硬い柔らかい、厚い薄いに関しては、お客様の好みもあるので何がベストとは言えませんが、私が目指す快適で心地よく履けるという観点では、作り手としてお勧めしたい革があったりします。 そんなことを考えていたら、いっそのこと私が考える理想的な靴を作ってみても良いのではないかと思いまして、今回の企画にしました。 とりあえずの企画名として「最高の靴を作るプラン」としていますが、将来的に良い名前があったら名称を変更するかもしれません。 そんなわけで、シューリパブリックとしてもっともシューリパブリックらしい方向にベクトルをとことん伸ばした最高の靴を作ります。 私たちが考える最高の靴なので、仕様に関しては全て私たちが選んで決めました。 作りにもこだわるので、たくさん作ることができず、1か月に2足のみ、そして今年度は合計で10足のみとさせていただきます。 ご注文方法は、のちほどご案内させていただきます。 まずデザインですが、これは迷わずプレーントゥのギブソンブーツです。 写真は、参考として工房に展示してあるギブソンブーツです。 しっかりと足をホールドしてくれて、長時間歩いても足が疲れにくく、大変機能的で安心感のある最高のブーツです。 アイレットは、今回の企画専用に黒ニッケルのものを用意しました。 ヒモの太さは、写真のギブソンブーツと同じになります。 ウェルトは、写真のものと同じ平ウェルトで、グルリと一周するダブルヒール仕様です。 ソールの厚さはセミダブルソール、そしてソールはいつものダイナイトソールです。 見えない部分の話になりますが、スティフナー(カカトの芯)とインソールは、20周年記念モデルでも使用したカッチリとしたスティフナーと目の詰まった部位を選んで使うインソールという、とっても贅沢な仕様です。 このあたりは、履き込んでいくにしたがって違いを感じていただけることでしょう。 そして、アッパーに使う革ですが、この企画のために選んだのがこちら。 Tempesti社のELBAMATTの黒です。 ELBAMATTは、オイルをかなり多めに含ませている革で、初めはちょっと硬めですが馴染んでくるとしなやかに曲がるようになり、でもしっかり感は変わらずで、安心感が半端ない靴に仕上がります。 また、ELBAMATTはフォーマルな雰囲気の革ではありませんが、上品な革なので飽きずに永く愛用していただけることと思います。 ここだけの話ですが、Tempesti社では良い生地をELBAMATTに回しているとのこと。 そりゃ、よい靴ができるわけですよ。 そして革の厚さですが、 今回はいつもの1.6㎜ではなく、1.8㎜のものを使います。 1.6㎜よりももう少し安心感があって、でも硬すぎないところで履きやすさも考えての結論です。 では、詳細をまとめます。 ● デザインは、ギブソンブーツ(プレーントゥ)。 ● 革は Tempesti社のELBAMATT、黒、1.8㎜厚。 ● アイレットは#200の黒ニッケル、ウェルトは平ウェルトのダブルヒール、ソール周りはセミダブルソール仕様+ダイナイトソール。 ● 製法はハンドソーンウェルテッドで製作します。 ● 見た目の違いは判りずらいですが、ラスティングなどの工程ではより精度を上げて時間の制約なしにこだわり強めで製作します。 ● お客様の足に合わせて製作するオーダーメイドです。 ● 標準の仕様では使えない特別なパーツや作業をふんだんに使って、履きやすさを重視したものに仕上げます。 ● 予定数は合計で10足ですが、製作の都合で完成月別に2足ずつお受けいたします。 ● 価格は 125,000円(税込み)です。 ● ラストをお持ちでないお客様は、別途ラスト製作費用(28,600円、税込み)が必要です。 ● 予定数に達し次第終了となります。 本日より、2024年9月納品枠として2足のご注文を受け付けます。 遅くとも5月末までに工房、もしくはイベントなどにお越しいただき、足の計測をさせていただきます。 ご希望の方は、お早めにご連絡ください。   ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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ギブソンブーツ

ときどきブーツというと、日本では靴を脱ぎ履きする頻度が多いので、面倒だから敬遠してしまうということを聞きます。 そんな理由で、同じブーツでも比較的脱ぎ履きしやすいチャッカブーツを好まれる方もいらっしゃるのですが、じつはギブソンブーツも脱ぎ履きしやすい、というか脱ぎ履きしやすくなる方法があるのです。 それがこちら。 まず、簡単に脱ぐ方法ですが、 ヒモはほどいた状態で、ハネの一番上の部分を持ち、 パッと開くと、もうこれで脱げる状態になります。 次に履くときですが、 取り敢えず足を突っ込んで、 一度で全てのヒモを締めるのはさすがに難しいのですが、途中を一度引っぱり・・・、 次に一番上の部分を引っ張ると、もうこれでしっかりと締まった状態になり、あとはヒモを縛ればOKということです。 これが簡単なのか面倒なのかは、その方の考え方にもよりますが、ちょっとずつヒモを締めたり緩めたりする必要はなく、比較的簡単に締めたり緩めたりすることができるので、思っているより面倒ではないと思っています。 それよりも何よりも、脱ぎ履きするのはほんの一瞬ですが、履いている時はしっかりと足をホールドしてくれるという大きなメリットがあるので、やっぱりギブソンブーツは素晴らしいのです。 これは本当に一度履いていただきたいと思っています。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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