毎月基本的に同じ作業を繰り返しやっているので、作業について書くことは同じような事になります。
ですが、毎回同じ作業ながら、これも伝えなくてはいけないということが新たに出てくるので、内容はまた違ったものになります。
今日の作業は、インソールのリブ加工(だけではありませんが・・・)。
ハンドソーンウェルテッドの靴の場合、グッドイヤーウェルテッドの靴のようなテープを貼るリブではなく、少し厚い革のインソールの裏側にリブ加工を施します。
このリブの加工如何で、靴の格好良い悪いが大きく左右されますので、リブ加工はかなり地味な作業ながら実はとっても大切な作業になります。
ちなみに、リブとはこの後の工程でウェルトを縫い付ける相手です。
アッパーをつり込んで、リブにウェルトをアッパーの革諸共縫い付けるわけで、その作業を手縫いで行うものをハンドソーンウェルテッドと言います。
リブの位置は端からどれくらいだとか、リブ自体の幅はどれくらいということを少し前に書きました。
今日伝えたいのは、また違ったポイントになります。
上の写真を見ていただくとお分かりになると思いますが、リブはインソールの裏側に直接加工してあります。
ということは、ハンドソーンウェルテッドの靴を何日も立て続けに履くと、たくさんの汗がインソールに溜まってしまい、
結局それはインソールの裏側へと伝わってきて、このリブにも影響を及ぼします。
影響のひとつめとして、ウェルトを縫っている麻糸にコートしてある松脂のワックスが湿気ではげてしまい、糸の劣化につながります。
糸が劣化して切れてしまうと、ソールを外して縫い直しという修理になります。
影響のふたつめは、湿気が靴の中に残ると、インソールやリブの劣化につながります。
時々お客様から靴の修理を依頼されて、ソールを外すことがあるのですが、明らかに湿気が溜まったまま履いているなぁというケースでは、インソールの裏側やリブが炭化しつつあって、ボロボロになりかけています。
かなり深刻な状況になっていることもあるのですが、外からは見えないのでその深刻さに気づかないこともあります。
その目印は、インソールが茶色くなってきていることです。
思い出してください、靴が新しかった時は、インソールは薄いベージュ色だったはずです。
ともあれ、靴の構造を理解していただくとどのように履けばよいのかということがわかっていただけることと思います。
靴の中に湿気を溜めないようにすることは、靴を永く愛用していただく上で非常に大切なポイントとなります。
ぜひ、靴と上手なお付き合いをお願いします。
次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。
さらに、翌週の12月11日(日)には、Rifare恵比寿店さんにてイベント開催の予定です。
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