ウェルティングが済み、シャンクとボトムフィラーをセットして、ソールを仮留めしたら、次はだし縫いです。 だし縫いとは、ウェルトとソールをしっかりと縫う工程のことを指します。 靴の製法によって縫う靴と縫わない靴があり、その縫い方によっても履き心地や耐久性が全く異なります。 グッドイヤーウェルテッドやハンドソーンウェルテッドなどの製法はでは、製作においてはちょっと手間がかかりますが、 しっかりと縫って接合して靴をつくり上げるため、しっかり感や安心感があってさらに快適性も兼ね備えています。 私たちシューリパブリックで製作するオーダーメイド靴の製法は、ハンドソーンウェルテッドという、非常に古典的な製法です。 機械を使った大量生産以前の製法で、殆どの工程を手作業によって行うと言われていますが、私たちの場合、実はそれほど手作業にこだわっているわけではないのです。 ラスティング(つり込み)やウェルティングに於いては、履き心地に直結するので手作業で行いますが、だし縫いは履き心地に於いて機械で縫っても手作業で縫っても差がないと考えられますので、迷わず機械を使います。 と言うより、むしろ機械で縫ったほうがピッチが安定していて強度的にも優れていますし、手作業で縫うと両足で数時間かかるところが機械でしたらものの数分で終わるので、私は機械で縫うほうが合理的だと思っています。 そりゃ、手作業で行うだし縫いにはそれなりに味があるかもしれませんが、私が考える靴はあくまでも道具ですから、そうなるとコスト面も重要な要素になってきます。 作業工程に数時間の差が出れば、1時間あたりの工賃×数時間ぶんが靴の価格に乗ってしまいます。 それを負担するのはお客様ですから、そこをこだわらないお客様には機械縫いという選択肢があって良いと思います。 ということで、明日もだし縫いは機械で縫ってもらってきます。 だし縫いの機械は私たちの工房にもあるのですが、月に1度くらいしか使わないとなると、その調整や準備がなかなか大変でして、 それなら、仕入れのついでに専門の方に縫っていただいたほうがこれまた合理的ということになります。 昔は、ハンドソーンウェルテッド=手縫いの靴=機械を使わないで作る靴だったかもしれませんが、私はそのあたりにこだわりがないのでだし縫いもコバの削りもどんどん機械を使います。 ミシンだって普通に使いますし、漉き機だって使います。 トーパフ(つま先の芯)やスティフナー(カカトの芯)を作る時にも、端を薄くする際に漉き機を使っています。 クオリティが落ちないのであれば、作業効率のよい機械を使い、手作業でしかできない工程は手作業で行います。 これがコストとクオリティが非常に高い次元でバランスする商品に繋がると思っています。 次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。 シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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■ 高山純一 ■ Shoe Republic の代表及びクリエーターとして靴の製作を担当しています。 |
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