オウル(靴の工具)

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気が付けば、今日で1月も終わりです。

つい最近年が明けてのんびりしていたと思ったら、あっという間にもう1か月が経ってしまいました。

あまりにも早くて驚いています。

この調子で時間が経つと、10年くらいあっという間なのではないでしょうか?


さて、ハンドソーンウェルテッドの靴を作る際に、ぜったいに必要な工具がこのオウル(すくい針)です。

オウル

ハンドソーンウェルテッドの靴は、インソールの裏側に彫ったリブとアッパーの革とウェルトをまとめて縫いあげるのですが、その際の針や糸が通る下穴を開けるのがこのオウルです。

ちなみにこの持ち手は日本のものですが、オウル(金属の針)の方はイギリス製のものです。

数年前にこのオウルを作っていた職人さんが突然に作れなくなったとかで、国内に作れる人がいなくなってしまい、ちょっとした騒ぎになったことがありまして、それまでは私は日本製のオウルを使っていましたが安定供給を考えると心配になり、それをきっかけにイギリス製のオウルに替えました。

海外から購入するということで、結構たくさんの会社の製品を比べて、その中で最も良さそうなものを一生分購入したので、とりあえずは供給の問題は大丈夫そうです。

日本製のものからイギリス製のものに変えて困った点は幸いなことに皆無で、逆に良かった点がいくつかありました。

まず、それまでは日本製のオウルは結構弱くて、年に1度くらいの割合でポッキリ折れてしまっていたのが、イギリス製にものに替えてからはほとんど折れなくなりました。

なので、若干の余裕をもって一生分として6ダース買ったのに、全然減りません。

それから、日本製のものに比べてイギリス製のものは針先のカーブがきついため、ちょっと専門的な話になりますがリブを貫通する際に深く入ることができ、深く入るのならリブの幅は1ミリくらい細くても強度的に問題がなく、そうなれば縫う際の糸が短くて済むので結果として強度的に改善となりました。

さらに、日本のものは1本ずつ職人さんが作っているのですが、イギリスのものは工業製品として作られているので、個体差がほとんどないため非常に使いやすいです。

オウル

針先のカーブしている部分を背中側(下側)から見たところです。

研ぎ方も日本のものとは異なり、よって使い方も異なります。

日本のオウルはスーっと刺すのに対し、これはグリグリやって刺していきます。

グリグリやっても折れないようになっているので、それも使いやすいポイントです。

針先の形は、ちょっと丸くてかわいく見えますが、結構シャープなのでちょっと触れただけでもスパンと指先が切れてしまうため、取り扱いには注意が必要です。

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