かつて、もう30年くらい前の話ですが、私が初めて就職したのが自動車のブレーキの会社で、
その時に、ブレーキフルードはグリコール系でアルコールの1種なので、クルマのボディについたら塗装を浮かせてしまうので気を付けるようにと言われたことを今でも覚えています。
確かに、テスト車両のどこかにブレーキフルードが垂れた跡があって、塗装がフカフカになって浮いていました。
さすがに私が自分でブレーキフルードの交換をすることはありませんでしたが、気を付けないといけないと思いました。
それから30年ほど経ちまして、今では靴屋になりましたが、またアルコールに触れる機会ができました。
それは、昨今の新型コロナの予防のためにアルコール消毒です。
私たちの工房にも、こんなものを導入しました。
アルコールディスペンサーです。
手を近づけると、プシューっとアルコールの消毒液が噴出します。
先日、隣町のケーキ屋さんに行ったときに入り口に置いてあり、確かにポンプを押すよりも自動で噴出した方が良いと思いまして、早速購入です。
なかなかレスポンスも良く、ちゃんと動きます。
ただ、アルコールってちょっと気を付けないといけないのです。
このディスペンサーを、靴を並べている棚に置いておいたところ、数滴ほど垂れて、それが伝って棚板がこんなふうになってしまいました。
完全に色が抜けています。
まぁ、これくらいはあとでニスか何かで塗っておけば良いのでそれほど大きなことではありませんが、
今はどこに行っても入り口で手の消毒をしていて、場合に寄ったら思っていた以上に噴き出すヤツもあったりして、
気を付けないとアルコールが靴に垂れてしまうかもしれません。
もしくは、革のカバンを持っていたら、それにはねてしまうかもしれませんし、場合によっては手の消毒をしたまま革の財布などを触るなんてこともあるかもしれません。
この消毒用のアルコール、ぜひ気を付けてください。
ちょっと試験的に消毒用のアルコールを革に吹きかけてみたのですが、革によっては変色してしまったり、色が抜けてしまうものもあるようです。
上の写真で、右側の革は若干抜けていますし、ネットで調べたらやはりはっきりと抜けてしまうケースもあるようです。
色が抜けてしまうと、簡単に着色するのが難しいです。
ちょっと出かけると、1日に何度消毒をするかわからないくらい何度もするので、大切な靴やカバンにたらさないよう、くれぐれもお気を付けください。
そして、もし誤って靴やカバンについてしまったら、濡れた布などですぐにふき取るのが良いようです。
その時も、拭き取るときにシミにならないようお気を付けください。
シューリパブリック マーキュリー3
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■ 高山純一 ■ Shoe Republic の代表及びクリエーターとして靴の製作を担当しています。 |
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