革を発掘した話の続き

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先日、棚卸の際に革を発掘した話を書きましたが、その中のBugattiに関して思ってもいなかったほどのお問い合わせをいただきました。

正直、とってもビックリしています。

たくさんの方々が私たちシューリパブリックのブログをご覧いただいていること、そして皆さんが革に関心を持っていただいていること。

とっても嬉しいです。

なので、今日はそのBugattiと、さらにそのほかにも発掘した革がありますのでお伝えしたいと思います。

革に関しましては、普段はInstagramで先にお伝えしていますので、もしごご興味がございましたらフォローをお願いいたします。

インスタはこちらからどうぞ。

まず、先日文字だけでご紹介したBugattiの黒です。



お問い合わせをいただいた皆さまにお伝えしました通り、確かにこの革はとっても素晴らしい革ですが、

おなじ方向性でこのBugattiのウィークポイントを補っている革がございまして、それが以前にご紹介しましたRussoのKing MPという革です。

そんな理由で、今回はお問い合わせいただいた皆さまにKing MPと、少し前に入荷したアノネイのボカルーをご案内させていただきました。

Bugattiは、生地がよくキメが細かく、しっとりとしていてとってもキレイなのですが、デザインによってはやや柔らかいことがウィークポイントとなります。

その部分を補っているのがRussoのKing MPです。

Bugattiに比べて結構しっかりしているので、カッチリとした履き心地を得ることができます。

ただ、そのKing MPも先日最後のロットが入ってきまして、もう在庫限りとなってしまっています。

黒やこげ茶のフォーマル、もしくはビジネス用のキレイな靴を作りたいとお考えの方、

さらにはキレイなボックス調の革でギブソンブーツやチャッカブーツを作りたいと考えていらっしゃる方は、King MPの在庫のあるうちにご注文ください。

では、Bugattiが生かせるデザインはということですが、例えばフルブローグやセミブローグなど、パーツが重なる部分が多いデザインは、どうしても革が硬くなりがちなので、

そんなときにBugattiのしなやかさが生きてきます。



Bugattiは、革の大きさが140デシほどのキップで、生地がしっかりしているもののやや柔らかく、

写真を見ていただいてお分かりになるかと思いますが、繊細なボックス調でとってもしなやかな革です。



断面を見ると芯通しがされていないことがわかります。

Bugattiは、そんな特徴を持つ革です。

改めてご理解いただいた上で、お取り置きをご希望される方がいらっしゃいましたらその旨ご連絡ください。

また、Bugattiは黒のほかに茶色とダークベージュもありまして、ダークベージュはこれに色を乗せていくような方に最適ではないかと思っております。



色がどうしても正しく出なかったので、裏側も写るようにして撮ってみました。



この写真の表側の色が、実物に一番近いのではないかと思います。

また、茶色はやや黄色味がかった茶で、仕上げ映えのするとってもキレイな革です。

次に、そのほかの発掘した革をご紹介いたします。



こちらは、オールドイングランドという革です。

オールドイングランドは、Bugattiと同じタンナーさんの製品で、言ってみれば兄弟みたいなものです。

Bugattiが140デシ程度なのに対し、オールドイングランドは120デシでやや小さいのですが、革の厚さがやや厚く仕上がりがけっこう硬くなっています。

こちらの革は、既にお取り置きのご依頼をいただいていることもあって、現時点で残りが1足となっております。



革の雰囲気は、本当にBugattiに似ています。

ちなみに、私が履いているモンキーブーツはこのオールドイングランドで作ったモノです。

もう10年くらい履いていますが、革がへたらなくて良い感じに年を重ねています。



こちらも芯通ししていない革です。

そしてもうひとつがCELLINTON(チェリントン)です。



CELLINTONは、グレージング仕上げのキップで、ほかの革同様に生地がとてもしっかりしていて、大変おススメの革です。



10年くらい前には、普通にこういう革を入手することができましたが、最近では裏までこんなにキレイな生地を簡単に入手することが大変難しくなりました。

裏までキレイというのは、それだけ生地がしっかりしていて目が詰まっていることを意味します。

そうでないと、裏側はボソボソになってしまいます。



こんなふうに裏側までキレイなのは、生地がよくなめしの技術があることを意味しています。

また、革の色による差もあるそうで、黒い革はごまかすことができないと革屋さんがよく言っていました。

黒い革は生地の良し悪しがはっきりと出てしまうそうで、つまりキレイな黒い革を作るにはそれなりの生地が必要ということになります。



今日ご紹介しているBugattiやオールドイングランド、そしてこのCELLINTONは、まだ良い生地が比較的難なく入手出来たころの製品なので、こんなにキレイです。

先日も書きましたが、今このクオリティの革を買いたいと思っても、革自体がとっても少なく、価格も驚くほど高くなっています。

今回、このような革をご案内させていただきましたが、じつは革の良し悪しは単にクオリティにとどまるところではなく、

その靴の方向性や使い方などの相性も関係してきます。

たとえば、小キズが付きやすい環境で履くのであれば、スムースの繊細な革よりもシュリンクや型押しの革のほうが履いている靴がキレイに見えます。

スムースの革は一見基本中の基本に見えますが、ベーシックだからこそ難しいということもあるかもしれません。

今日ご紹介したBugatti、オールドイングランド、そしてCELLINTONは、基本的にはスーツに合わせるようなビジネスシューズや、それに準ずるタイプの靴、

もしくはオフィスカジュアルなどのちょっとキレイな服に合わせるようなタイプの靴に適している革です。

ただ、そんな靴をデニムに合わせるのも良いですし、履く方の合わせ方次第で可能性は広がります。

どの革も残りはわずかです。

ご希望の方は、お早めにお取り置きのご連絡をお願いいたします。

お知らせ

【お知らせ 1 】

企画商品の「旅チャッカ」の受付が始まりました。



※写真はあくまでもイメージです。

この企画は、出張や旅行などで出かけられる際に、通常でしたらスペアの靴を持って行かなくてはいけないところを、インソールを交換することでこの1足で乗り切れるという仕様の靴です。

出張や旅行など、泊りでお出かけの多い方にお勧めの靴です。

製法は、ブラックラピド製法にて製作いたします。

革は、こちらで指定した黒の革のみです。

価格は、ラストは別で 74,000円(税別)です。

より道具のように履いていただける靴です。

ぜひ、ご検討ください。

ご注文期間及び数量限定です。

期間は2月末日まで、受注予定数は12月29日現在であと5足です。

詳細は、12月17日のブログをご参照ください。


【お知らせ 2 】

2月から、お客様が履きこんで格好良く成長したシューリパブリックの靴をインスタにアップしていただけるようにハッシュタグを作ってみました。

履きこんだ靴を見てみたいというご要望が多く、ぜひシューリパブリックの靴・ブーツを履いていらっしゃるお客様にご協力をお願いいたします。

詳細は、2020年1月31日のブログをご覧ください。

インスタをやっていないというお客様におかれましては、私たちシューリパブリックへメールに添付して写真をお送りいただければ、私が代わりにアップさせていただきます。

ハッシュタグは #shoerepublicjpn です。

ぜひ皆さまの元に嫁いだシューリパブリックを見せてください。


【お知らせ 3 】

新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、工房にいらっしゃるのが難しいけれど靴のオーダーをご希望されるお客様へお知らせです。

ここ数年の間にご注文いただいた方、もしくは前回のご注文がそれ以前の方でも何足かご注文いただいているお客様は、

前回のデータを確認して問題なさそうであれば、そのままそのデータを元にオーダーをお受けすることが可能です。

靴の仕様に関しては、メールなどで打ち合わせをし、革に関してはご希望をうかがったうえでこちらからサンプルをお送りしてお選びいただく予定です。

こんな時だからこそ、足に合った快適な靴を履いて毎日を大切に過ごしたいという皆さま、ぜひご検討ください。

詳細は、4月18日のお知らせをご覧ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

オーダーではなく、ちょっと話を聞いてみたいとかちょっと相談してみたいという場合には、リモート見学という方法もございます。

まずはメールやお電話でお問い合わせください。


【お知らせ 4 】

シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。

イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。

私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。

旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら

メールアドレスは info@shoe-republic.com です。