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革のインソール

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話


巷では、先週の金曜日から都道府県をまたぐ移動の制限がなくなり、週末には実家に帰ったりお出かけをしたりする方々の様子を目にしました。

3月から学校が休校になったり、諸々の制限が始まったりして、何かと息苦しい日々を過ごしてきた方も多いはず。

もしかしたら、今でも在宅でお仕事をされているという方もいらっしゃるでしょうから、まだまだ大変な日々は続いているのかもしれません。

お客様とお話をしていると、外に出られず、人にも会えず、なかなか辛かったとか、在宅ワークになって外出する機会が減ったため、身体の調子が良くないなどの話を聞くこともあります。

少なくとも、これまで通勤で駅まで行って電車に乗って会社に行っていた方にしたら、それがなくなって運動量が激減したという方もいらっしゃることでしょう。

そんな環境が、自ら望んで起こったわけではなく、突然に否応なく起こったわけですから、そりゃストレスもたまるはずです。

私自身は、仕事においてはほとんど環境が変わることなく、これまで通りに作業を進めたりお客様をお迎えしたりしていましたが、

それでも周りの環境がこんな感じですし、出張に行くことが難しい時期もありましたから、知らないうちにストレスがあったのかもしれません。

まだまだいろいろと心配はありますが、とりあえずは外出の制限もなくなったことですので、

体調管理の意味も含めてたくさん歩くようにしましょう。

身体を動かして少し汗をかけば、気持ち的にもだいぶ変わりますから、お天気の良い日にはぜひやってみてください。

縄跳びなども手軽でおすすめです。

さて、今日はインソールの裁断から靴に打ち付ける作業をおこないましたが、

今回使ったインソールがとにかく厚くて驚きました。



私たちシューリパブリックでは、インソールに使う革は半裁(牛の身体を背中で右左の半分に裁断した状態のもの)で買ってきます。

写真ではスケール感がイマイチ伝わらないかもしれませんが、この写真は首まわりを取り払い、その後に数足分を裁断した状態です。

裁断する前では、一番長いところで2メートルちょっとくらいあったと思います。

こうしてみると、特に厚さは感じませんが、



断面はこんな感じ。



厚さを測ってみると、この部分で7.5㎜ほどでした。

ご存知の通り、牛の革は個体差があるもので、さらに言えば季節によって厚さの違いがあります。

そのため、私たちシューリパブリックではインソールの革を購入するときには数か月前から頼んでおいて、厚いものを選んでいただいています。

というのも、ハンドソーンウェルテッドにおいては、革の裏側にリブと呼ばれる加工を施して、その部分にウェルトを縫い付けるので、

その革自体がある程度しっかりとしている必要があり、靴自体の剛性を考えてもインソールのしっかり感は重要な要素になります。

しかしながら、お客様すべての方にとっても厚いインソールが良いというわけではなく、きゃしゃな女性の方もいらっしゃいますし、男性でも適度にしなやかな方が適していることもありますので、

革の中でも裁断する場所を変えたり、場合によっては違う革から裁断するなどしています。

いずれにしても、人間の体重を支える靴の中で、人がほぼ直接乗るインソールですから、質感や剛性感、そして適度なしなやかさなど、それなりに良い素材である必要があり、

これをスポンジやウレタンなどで代用するのは、まだちょっと難しいと思っています。

環境の問題や動物愛護の問題などで、革を素材として使うことに異論を唱える方もいらっしゃいますが、

私個人的には食物連鎖の範囲で、人間のエゴでムダに生き物を殺したりしない範囲であれば、動物の皮を使うことはOKだと思います。

ただし、使うからには大切にしなくてはならず、永く使えるものを選ぶことや素材を提供してくれた動物に感謝することは必要だと思います。

皆さんも目にするかと思いますが、量販店などで本当に安い価格で革の靴が売られていて、

でもそれらは修理をすることを前提に作られているわけではなく、ユーザーからしても修理をするなら買い替えたほうが良いと思えるようなものだったりしますから、

そういう靴に革を使っていることがもったいないことだと気付いてほしいです。

世界にはいろいろな考え方の人々がいて、それで世界がバランスしているのかもしれませんが、

事実を知って、それなら考え方を改めたいと思うこともありますので、革がムダに使われている現状もぜひ知っておいてください。

お知らせ

【お知らせ 1 】

2月から、お客様が履きこんで格好良く成長したシューリパブリックの靴をインスタにアップしていただけるようにハッシュタグを作ってみました。

履きこんだ靴を見てみたいというご要望が多く、ぜひシューリパブリックの靴・ブーツを履いていらっしゃるお客様にご協力をお願いいたします。

詳細は、1月31日のブログをご覧ください。

インスタをやっていないというお客様におかれましては、私たちシューリパブリックへメールに添付して写真をお送りいただければ、私が代わりにアップさせていただきます。

ハッシュタグは #shoerepublicjpn です。

ぜひ皆さまの元に嫁いだシューリパブリックを見せてください。


【お知らせ 2 】

新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、工房にいらっしゃるのが難しいけれど靴のオーダーをご希望されるお客様へお知らせです。

ここ数年の間にご注文いただいた方、もしくは前回のご注文がそれ以前の方でも何足かご注文いただいているお客様は、

前回のデータを確認して問題なさそうであれば、そのままそのデータを元にオーダーをお受けすることが可能です。

靴の仕様に関しては、メールなどで打ち合わせをし、革に関してはご希望をうかがったうえでこちらからサンプルをお送りしてお選びいただく予定です。

こんな時だからこそ、足に合った快適な靴を履いて毎日を大切に過ごしたいという皆さま、ぜひご検討ください。

詳細は、4月18日のお知らせをご覧ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

オーダーではなく、ちょっと話を聞いてみたいとかちょっと相談してみたいという場合には、リモート見学という方法もございます。

まずはメールやお電話でお問い合わせください。


【お知らせ 3 】

シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。

イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。

私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。

旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら

メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

 







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