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今日は、神戸三宮のSUNさん別注のサイドゴアブーツの製作を進めました。 製法がブラックラピドというもので、基本はマッケイ(アッパーにソールを貼り付けて縫い合わせる製法)のような仕様に、だし縫い(ウェルトとソールを縫う工程)をかけるものです。 だし縫いをかけるので、ソールの交換が比較的簡単にできるというメリットもあります。 このブラックラピドは、製作においてはなんとなくグッドイヤーウェルテッドやハンドソーンウェルテッドに近い印象があるものの、 じつは似て非なる部分もあります。 今は、ラストを入れた状態で革が落ち着くのを待っています。 靴は、形が崩れてしまうと履き心地に影響が出ることもあるので、作り手としてはできるだけ型崩れを起こさないように、 それでいて硬すぎない履き心地になるようにと考えています。 そのためには、ラスティングの際に一度形になったものをさらに引いてあげるという手があるのですが、 普通にブラックラピドの靴のラスティングをする場合は、その作業自体がほぼセメンテッドに近いので一度引いてそのまま接着し形を保持するか、 ラスティングの際にクギで仮どめをして(これが一度目)、そのクギを倒してさらに引く(これが二度目)という、2度引く手法になります。 そのため、最初からそこそこの力で引いてあげる必要があるのです。 それに対し、ハンドソーンウェルテッド場合は、上記のラスティング(1度目)とクギを倒す(2度目)に加え、 ウェルトを縫い付ける際にさらに引く効果があり、結果的にハンドソーンウェルテッドのほうが理論上はブラックラピドやセメンテッドの靴よりもしっかりと引かれているということになります。 実際のところ、ブラックラピドでもハンドソーンウェルテッドでもどの製法でも、一度でピタリといい感じにラスティングが上がっていればOKなのですが、 相手は動物由来の素材ゆえに、どんなにしっかりとラスティングをしても、まれに意に反した上がりになることがあります。 たとえば、こんなところ。 土踏まずの部分ですが、一度ラスティングをして、その時はキレイに上がっているのに、翌々日に若干のぶくつきが出ているということもあるのです。 そんな時、ハンドソーンウェルテッドであれば、ウェルトを縫い付ける前までこの部分はクギで仮どめをしているため、 もうちょっと引こうと思えばいくらでも引き直しができます。 セメンテッドやブラックラピドでも、接着ではなくクギで仮どめをしていれば同様に引き直しができますが、接着してしまっていると修正に手間がかかります。 なので、作り手はなるべくしっかりと靴を作りたいと考えているので、作業工程をバタバタと先に進めるのではなく、一度放置して様子を確認し、必要に応じて修正を加えながら進めていきたいと考えています。 ★★★お知らせ★★★ 【お知らせ 1 】 2月から、お客様が履きこんで格好良く成長したシューリパブリックの靴をインスタにアップしていただけるようにハッシュタグを作ってみました。 履きこんだ靴を見てみたいというご要望が多く、ぜひシューリパブリックの靴・ブーツを履いていらっしゃるお客様にご協力をお願いいたします。 詳細は、1月31日のブログをご覧ください。 インスタをやっていないというお客様におかれましては、私たちシューリパブリックへメールに添付して写真をお送りいただければ、私が代わりにアップさせていただきます。 ハッシュタグは #shoerepublicjpn です。 ぜひ皆さまの元に嫁いだシューリパブリックを見せてください。 【お知らせ 2 】 新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、工房にいらっしゃるのが難しいけれど靴のオーダーをご希望されるお客様へお知らせです。 ここ数年の間にご注文いただいた方、もしくは前回のご注文がそれ以前の方でも何足かご注文いただいているお客様は、 前回のデータを確認して問題なさそうであれば、そのままそのデータを元にオーダーをお受けすることが可能です。 靴の仕様に関しては、メールなどで打ち合わせをし、革に関してはご希望をうかがったうえでこちらからサンプルをお送りしてお選びいただく予定です。 こんな時だからこそ、足に合った快適な靴を履いて毎日を大切に過ごしたいという皆さま、ぜひご検討ください。 詳細は、4月18日のお知らせをご覧ください。ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。 【お知らせ 3 】 シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。 イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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