ハンドソーンウェルテッドの靴は、厚い革のインソールを使い、裏側にリブと呼ばれる凸状の加工を施します。
グッドイヤーウェルテッドの靴の場合は、厚さ3ミリ程度のインソールにテープ状のリブを貼り付けますので、
このリブがパッと見たときに区別するのに最もわかりやすい部分かもしれません。
ハンドソーンウェルテッドの場合は、このようなリブ加工をする都合上、インソール自体にある程度の厚さ必要になります。
一般的には6ミリくらいと言われていますが、それよりも少し厚いくらいの方が良いと思います。
そしてこのリブですが、どのような形に加工するのかが結構重要になってきます。
インソールからりリブまでの距離、リブの高さ、リブの幅、これらはテキトーというわけにはいきません。
私たちシューリパブリックでは、それらの数値はとにかく強度優先で導き出しています。
ハンドソーンウェルテッドの場合、リブが革ですのでどうしてもどんなにしっかりとウェルトを締めても、何年か履いていくうちにはリブが痩せて1ミリにも満たない程度ですがわずかながら緩みができてしまいます。
その緩みは、しっかりとウェルトを締めたという前提で、リブの幅によって変わってきます。
リブが一定の割合で痩せるとした場合、リブ自体の幅が倍なら痩せる量も倍になり、それだけたくさん緩んでしまいます。
なので、リブの幅は痩せることによるウェルトの緩みだけに関していえば、なるべく細い方が良いということになります。
一方、リブ自体の強度に関しては、細いよりも幅が広い方が丈夫ですから、これは広い方が良いということになります。
ここで矛盾が生じるのです。
リブ痩せの問題を解決するには、リブの幅は細い方が良いし、リブの強度を追求するのであれば、リブの幅は広い方が良い。
どちらをとるかを考えたとき、どっちも譲れません。
なので、導き出した答えが・・・、
なるべく目の詰まった丈夫な革を使ってリブ自体の強度を上げ、リブ自体の高さをやや高く(溝を深く彫る)して幅ではなく高さで稼いで強度を上げ、
そして痩せないようにウェルティングの時にはリブを濡らして柔らかくしたうえで締めることで、乾いているときよりもたくさん締まるよう(あらかじめ痩せさせておいてそれ以上痩せにくくする)にし、
さらにウェルティングのオウル(すくい針)は針先の角度が急なものを使うことでより深く穴を開けられるようにして、
リブ自体は幅を細くしても丈夫にウェルトが縫われるように工夫しました。
また、私たちシューリパブリックはブリティッシュの靴にしては比較的厚めの革を使うため、通常の仕様ではリブの位置はやや内寄りにしています。
靴は気兼ねなく履いてほしいと思っていますので、丈夫さも譲れないポイントです。
そのために、インソールのリブ加工も色々と工夫しています。
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