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トゥパフ

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話

トゥパフ

トゥパフとは、つま先の芯のことです。 ちなみに、カカトの芯はスティフナーと言います。 じつは、今日あるお客様からトゥパフに関するご連絡があって、 そういえばスティフナーに関することはよく書いているけれどトゥパフはあまり書いていないと思い、 書いてみることにしました。   普通、ほとんどの革靴には、つま先に芯が入っています。 そもそも、どうして靴のつま先には芯が入っているのかと言いますと、 私が靴の学校で教わったところでは、足の指先を守るためなのだそうです。 なので、いざという時に足をしっかりと守ることができる程度の硬さが必要になります。 写真の靴はプレーントゥと言って、つま先に何もキャップなどがないタイプのモノですが、このようなプレーントゥやウィングキャップキャップのデザインの靴は、 下の写真の左のような三日月型(よりちょっとだけ太め)のトゥパフを使い、 このようなストレートキャップのあるデザインの靴は、 右側の半月よりも少し膨れた形のトゥパフを使うことが多いのです。 「ストレートキャップなのに、どうしてストレートじゃないのか?」 と思う方、じつはストレートキャップのパターンは平面状では半月よりも少し膨れていて、靴になった時にまっすぐになるように作られています。   ストレートキャップの靴の場合、そのデザインやキャップと同じ形状の芯を使っている都合で、屈曲した時の折れジワが入る場所はキャップの端よりも少し後ろ側になってしまうのに対し、 プレーントゥやウィングキャップの靴の場合は、トゥパフは少し小さめのモノを使うので、折れジワは自然な位置に入ります。 そんな理由で、無条件に比較するとストレートキャップの靴の方が折れジワが足に当たる可能性が高くなってしまいます。 ただ、製作する方もそうならないようにラストなどを上手に調整したりして、折れジワが当たらないように工夫をしています。 また、どちらのトゥパフも端の部分は薄く漉いて、芯が表側に響かないように、特にプレーントゥのデザインは目立ちやすいのでトゥパフの端をペラペラになるくらいに薄く漉いて、 いやいや、これよりももっと薄く漉いて端の部分は多少折れ曲がることを前提として作ります。   多くの既製品の靴の場合、サーモプラスチックやシンナーで溶かして使うシートなどケミカルな素材を使うことが多いのですが、 ケミカル素材は作業性は良いのですが耐久性にやや問題もあるため、 多くのオーダーメイドの靴の場合は、私たちシューリパブリックも含めて、革のトゥパフを専用の接着剤で固めて使い、作業効率よりも品質を優先して製作しています。 ★★★お知らせ★★★ ①シューリパブリック15周年記念モデルのオーダー受付中です。詳しくはこちらをご参照ください。       ②6月3日(日)に長野市のIVY PRODUCTSさんにお邪魔する予定です。今回も足の計測をさせていただきます。シューリパブリックのハンドソーンウェルテッドの靴のご注文も承ります。注文するしないにかかわらず、お気軽に遊びにいらしてください。クルマでお越しの場合は、近くに12時間まで700円という駐車場もたくさんございますので、ぜひ観光も兼ねてお越しください。お待ちしております。     シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。 スケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。  

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