少し前に購入した私の通勤用の自転車が、ちょっとずつパーツを変えてだいぶ馴染んできました。
自転車に限らず、大方のモノは使い手に合わせてちょっとでも調整してあげることで、とても使いやすくなります。
言い方を変えれば、買う時点で完璧ではなくても、気に入らないところが変えられる部分であれば、あとから自分ごのみにカスタムしてあげることで解決します。
まず、私が交換したのが、ハンドルのグリップ。
オリジナルのものは、もっと大きくて大福を押しつぶしたようなモノが付いていましたが、私はシンプルで細いもののほうが好みです。
その他、ブレーキのキャリパーが貧弱だったので、ブレーキシュー諸共交換しました。
さらに、ペダルやサドルなどはちょっと物足りないパーツがついていたので、家にあったものを付けてみました。
もともと、この自転車はスピードを出すつもりはありませんでしたし、移動距離は比較的短いものの、それでも安全で快適に走りたいので、
自転車のバランスを崩さないようにして、身体に触れる部分を中心にカスタムしました。
結果、なかなか乗りやすくなったように感じます。
さて、靴を作る上でもバランスはとっても大切です。
重量のバランスは、比較的パッと見てわかりやすい部分ですが、フィッティングのバランスにおいてはなかなか奥が深くて一筋縄ではいかないことだってあります。
確かに、カカトのホールドは靴のフィッティングの要のひとつではありますが、カカトばかりに頼ってはいけません。
たとえば、カカトを小さくしすぎて全方向からピタリと貼り付いてしまうようなフィッティングでは、靴の中で足が不快に感じてしまいます。
また、靴全体を考えて、ソールの屈曲が硬いようでは、甲やカカトに負担がかかりすぎてしまいます。
カカトのホールドは、スティフナー(カカトの芯)がしっかりしていることが大前提で、このスティフナーとカカトの形状と甲の押さえと、適度に屈曲するソールのバランスが重要で、これらのバランスが取れてこそ、しっかりと足をホールドする靴になるのです。
ちなみに、私たちシューリパブリックで使っているスティフナーは、革製で厚さは4ミリ強です。
もちろん端は薄く漉いていますが、それでもかなりしっかりしたものになります。
目的に対してこだわることは大切ですが、とことんが過ぎてしまうとバランスが崩れてしまいます。
スティフナーは硬いほうが良いけれど、硬すぎるのは良くないですし、カカトのホールドは良いほうが安定しますが、タイトすぎるとこれも良くないのです。
「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉がちょうど当てはまり、靴のフィッティングはちょっと足りないくらいのほうがリラックスして履けるという考え方もあります。
次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。
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