良い革は?と訊かれて、ズバッとひとことで答えるのはとても難しいことです。
そもそも、革にはいろいろな特徴があって、
キメが細かい革や、耐久性のある革、雰囲気のある仕上げの革、靴にして履いた時に優しい履き心地の革、ツヤが出る革など、方向性はさまざまです。
これらの方向性の全てを高いレベルで満たしているものは、おそらく存在しないでしょう。
革は、たとえばカーフなどのようにキレイで繊細であるならば丈夫さの点で劣るなど、一長一短という性格を持っています。
つまり、良い革というのは、その目的に対してという前提が不可欠になります。
私たちシューリパブリックでは、日常に履いていただくための快適な靴を製作していますので、良い革といえばこの目的に適した範囲ということが大きな前提になります。
その上で、以前に扱っていたWindsorのような革は、耐久性に優れていて革のキメも細かいため、ビジネスに使うには非常に良い革であると言えます。
それに対し、ELBAMATTやVACCHETTAのような革は、オイルを含んでいて独特の雰囲気を持っていますので、ビジネス用ではなくカジュアルな雰囲気の靴には非常に良い革です。
そのような名の通った革は、比較的実績もあるので、良い革だと判断するのも難しくないと思います。
ですが、世の中には名の通っていない良い革がたくさんありまして、かつて私たちシューリパブリックがスタートした頃にはBugattiだってその頃は殆ど知られていませんでしたが、10年以上経って実績ができて良い革だと認めらられるようになりました。
また、とても強い個性をもって登場した革でも、実績を認められる前になくなってしまう革だってあります。
世の中の時代背景の影響で、素上げの革が良い革だったり、しっかりと仕上げがなされた革が良い革だったりすることもありますから、これも一概に決めつけることはできません。
まれに、少しでも良い革を使って・・・とおっしゃる方がいらっしゃいますが、実は良い革という基準はあってないようなものなのです。
10年荒っぽく履いても表面が割れてこない革が良いのであれば、安全靴に使うような厚いステアが良いですし、
簡単にキレイになる革が良ければ、表面の仕上げがしっかりとされているものが良いでしょう。
つまり、良いかわというのはあなたにとって良い革であり、あなたの目的にとって良い革であれば良いのです。
世の中のブランド志向や、どこかで聞いてきた情報には振り回される必要はなく、直感で良いと思ったものを選んでいただければOKです。
その時に、間違った選択をされないように、私たちのような専門家がいるわけです。
お客様のご希望をうかがって、それならこの中で選んでくださいという具合に、革の範囲を限定します。
カーフが良くてステアがダメということはなく、高い革が良くて安い革がダメということもありません。
せっかくのオーダーメイドですから、あなたの個性で目的に合った素材をお選びいただき、あなたらしい靴の仕様を決めてください。
次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。
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