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ラストの調整ではここに気を遣っています

カテゴリー: Message:伝えたいこと


シューリパブリックは、日々を快適に過ごし、足元から健康になることを目的とした日常仕様のオーダーメイド靴を作っています。

しっかりとした作りを基本にしつつ、こだわり過ぎない85%のクオリティを目標とし、価格とクオリティのバランスを考えたモノづくりを進めていきます。

さて、こちらは私たちシューリパブリックで使っているラストのひとつ、型番は#SRCです。

ラスト

このラストのベースになったモデルで#MRTというのがありまして、それは昔のイギリスのビスポークラストをほぼそのままプラで作ったものになります。

そしてその#MRTのつま先の形状を少しだけ修正したものがこの#SRCなので、基本的な構造はこれもイギリスのラストと同じと言って良いでしょう。

そんなイギリスのラスト、もしくはイギリスの靴の特徴として、親指の付け根部分の厚さが思いのほか薄くて、小指側の厚さとほとんど変わらないということが挙げられます。

新しい靴を履いた時に、親指の付け根部分に折れジワが当たって靴擦れができてしまうあの部分です。

これは以前から何度か書いていることなので、もうすでにご存じの方も多いかと思いますが、こうして実際の様子を見ていただくとわかりやすいかもしれません。

ラスト

ラストをつま先側から見たところです。

私が親指をラストの上において、ラストの厚さがわかるようにしているのですが、イメージ的には人間の足の指の厚さは小指よりも親指の方が厚いので、ラストも靴も親指側の方が厚くなって小指側の方が薄くなっていると思いますよね。

実際に、私が知っている限りの話ですが、多くの日本のラストは親指側の方が小指側よりも結構厚くなっているものが多いです。

では、イギリスの靴やラストはどうして親指側を思いのほか薄くしているのかというと、靴が屈曲したときに親指の上の部分に大きな隙間があると、大きな折れジワがザックリと遠くの方から刺さってきてしまうため、それを防ぐのがひとつの理由と、これは私の経験からの推測なのですが、この部分の少しだけ後ろ側をしっかりとホールドしたいので、形状的に破綻しないようにこの部分も薄くしているのではないかと思います。

いずれにしても、イギリス靴も私たちシューリパブリックの靴も親指の付け根のあたりは機能的なな理由で極力薄くなるように靴を作っています。

なのに、なのにですよ、市販のシューツリーはこの親指の付け根あたりの厚さが驚くほど厚く、そんなシューツリーを入れてしまうと、靴はもう間違いなく形が変わってしまい、せっかく機能的理由で薄くしている部分を押し広げてしまいます。

それが既製品の靴の場合だって、せっかく足に馴染んできているものを広げてしまう結果になります。

そんなわけで、市販のシューツリーを靴に入れる時は、とにかく薄く加工してからにすることをお勧めします。

実際にどれくらいの厚さなのかは、そのお客様の足によっても異なってくるわけですが、私が自分の靴用に削ったシューツリーは親指の付け根部分の厚さは32~33㎜程度でした。

厚さが2㎜変わると足囲はザックリの計算で6㎜以上変わります。

参考までに、2Eの靴と3Eの靴の足囲の差が6㎜なので、靴の数ミリはかなり大きいということを知っておいていただけると良いと思います。

大切な靴を、いつまでも良い状態で履いていただくために、日頃からちょっとだけ気を付けていただけると嬉しいです。


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