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今日の作業はウェルティング

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話


2日前に、ハンドソーンウェルテッドの靴はこんなに履きやすいですという話を書きましたが、今日はハンドソーンウェルテッドの靴を作るのはこんなに大変ですという話を書きたいと思います。

ギブソンブーツ

先日アップした写真です。

この靴は、ウェルトがぐるりと一周しているタイプのもので、それを縫い付けるための糸が見えますが、この糸は手縫いで縫ったもので、つまりウェルトを手作業で縫うからハンドソーンウェルテッドです、ご存知の方もたくさんいらっしゃるかと思いますが。

ハンドソーンウェルテッド

このハンドソーンウェルテッドは、作り手によって多少やり方が異なりますが、私の場合はインソールを加工する際に予め下穴をあけないやり方で、下穴はウェルティングの時に開けます。

写真のような感じで、ウェルティングを進めながら、ひと針ずつ次の下穴をあけます。

このウェルティングは、見ていると結構簡単そうに見えるかもしれませんが、定規などは当然になく、オウルを挿して先がちゃんと正しいところに出てくるようにしなくてはならず、

更には穴のピッチや深さなども、機械でやったかの如く正確に作業をしなくてはなりません。

というのも、針のピッチや深さ、締めるテンションなどがバラバラになってしまうと、靴が完成した時に強度的に強いところと弱いところができてしまい、

何かの衝撃で弱い部分にぶつかった時に、靴が壊れてしまうことだってないとは言えませんから。

なので、基本的には同じピッチで同じテンションで同じ深さを保つようにして、どの部分も強度的に同じようにしておくことが必要だと思っています。

ハンドソーンウェルテッド

と言うものの、つま先やカカトの部分はこんなふうにカーブしていますので、内側と外側でピッチを同じにするわけにはいきません。

カーブに差し掛かる少し手前から、ピッチを少しずつ調整しておいて、カーブの部分だけで処理することなく、極端に内側のピッチが細かくなることを避けて針を挿します。

ハンドソーンウェルテッド

それでも、どうしても内側のほうがピッチが細かくなってしまうため、内側の方にはリブが裂けてしまうことを防ぐために糸を絡めて強度を確保しておきます。

このウェルティングに関しては、機械で縫ったほうが正確だったり手軽だったりと思うかもしれませんが、機械で縫う場合はこんなにリブの高さが低くてはダメで、いわゆるグッドイヤーウェルテッドのリブのように高さが6ミリほど必要になります。

そうなると、インソールに彫るだけでは難しく、リブを貼り付けることになり、それだと靴自体の屈曲に影響も出ますし、そもそもが全く違う靴になってしまいます。

結局、ハンドソーンウェルテッドの履き心地を求めるのなら、ハンドソーンウェルテッドでなくてはならず、手作業でウェルトを縫い付けなくてはならないということになります。

今でもこんなに古典的な製法で靴を作っているのは、機械が買えないからでも変な意地でもなく、この履き心地を追求した結果なのです。

ハンドソーンウェルテッドは手間がかかりますが、とっても履きやすくて歩きやすい靴を作ることができる製法です。


YouTubeで、いろいろとお役に立ちそうな情報をお伝えしています。

よろしければ、ご覧になってみてください。

お知らせ

【お知らせ 1 】

昨年2月から、お客様が履きこんで格好良く成長したシューリパブリックの靴をインスタにアップしていただけるようにハッシュタグを作ってみました。

履きこんだ靴を見てみたいというご要望が多く、ぜひシューリパブリックの靴・ブーツを履いていらっしゃるお客様にご協力をお願いいたします。

詳細は、2020年1月31日のブログをご覧ください。

インスタをやっていないというお客様におかれましては、私たちシューリパブリックへメールに添付して写真をお送りいただければ、私が代わりにアップさせていただきます。

ハッシュタグは #shoerepublicjpn です。

ぜひ皆さまの元に嫁いだシューリパブリックを見せてください。


【お知らせ 2 】

新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、工房にいらっしゃるのが難しいけれど靴のオーダーをご希望されるお客様へお知らせです。

ここ数年の間にご注文いただいた方、もしくは前回のご注文がそれ以前の方でも何足かご注文いただいているお客様は、

前回のデータを確認して問題なさそうであれば、そのままそのデータを元にオーダーをお受けすることが可能です。

靴の仕様に関しては、メールなどで打ち合わせをし、革に関してはご希望をうかがったうえでこちらからサンプルをお送りしてお選びいただく予定です。

こんな時だからこそ、足に合った快適な靴を履いて毎日を大切に過ごしたいという皆さま、ぜひご検討ください。

詳細は、4月18日のお知らせをご覧ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

オーダーではなく、ちょっと話を聞いてみたいとかちょっと相談してみたいという場合には、リモート見学という方法もございます。

まずはメールやお電話でお問い合わせください。


【お知らせ 3 】

オンラインによる打ち合わせにも対応させていただいております。

ZOOMやGoogle Meet などのビデオ通話を使用して打ち合わせをさせていただきます。

詳細は、こちらをご参照ください。


【お知らせ 4 】

シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。

イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。

私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。

旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら

メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

 









 

 




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