先日、あるお客様から興味深いお問い合わせがありましたので、これはぜひ皆さんにもお伝えしておきたいと思いました。
それは、靴のつま先の形とラストのつま先の形の関係です。
ちょっとこちらをご覧ください。
左の黒い靴は、右にあるラストを使って作ったものです。
もちろん、ラストは左右同じ形のものを使っています。
ここで見ていただきたいのが、ラストはそれほどつま先が丸くないのに、どちらかといえばやや細いという印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、そのラストを使って作った靴はつま先が結構丸くなっています。
これって不思議じゃないですか?
靴を作る際に、つま先にはライニング、トーパフ(つま先の芯)、そしてアッパーの革が乗るわけで、厚さにしてそのままだと約5㎜強、ラスティングの際に叩いて締めるのでそれでも4㎜以上になります。
それがラストの周りにくっつくと、ラストは結構シャープな形だったとしても出来上がる靴は、ラストに比べるとそこそこポッテリとした形になるのです。
違う角度から見たところです。
この角度から見ると、ラストは結構薄く見えますが、靴はなかなか厚みがあるように見えます。
これも、靴はインソールの厚みが加わるため、ラストだけの見え方よりもかなり厚くなるのです。
ということは、シューツリーを選ぶときには思っているよりもずっと薄いものである必要があり、ラストから靴のつま先の形をイメージする場合は、思っているよりもポッテリとすることを知っておくとよいと思います。
私たち作り手は、普段からラストを見慣れているので、このラストからこんな靴が出来上がるというのはわかりますが、ご存じない方だと思っていたのと違うということになりかねないので、知っていることはとっても大切です。
★★★お知らせ★★★
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