以前にラジオ番組の中で渡辺祐さんが、
「自動巻きの腕時計は、どうにかこうにかでも修理して直すことができるげれど、クォーツの腕時計は壊れたパーツによっては修理をする事ができない。」
というようなことを言っていたのを覚えています。
昔の機械はまさにアナログでメカニカルなものだったので、何とか修理をすることができたわけですよね。
考えてみれば、最近のデバイス満載の機械よりもスタンダードな昔の機械の方が作りが単純なぶん、壊れたとしても致命的なことにはならないのでしょう。
こちらは、昨年の末に調子が悪くなってしまい、修理をしていただいて復活した私のお気に入りのレンズです。
ペンタックスの”SMCペンタックス28mmF3.5”という、もう今から50年近く前に発売したレンズです。
販売された期間はさほど長くないそうなので、少なくとも45年は経っているはず。
見た目が好きか嫌いかということは個人の好みに関わることなので何とも言えませんが、私はとっても好きなデザインであり、このカメラとの相性もなかなか良いと思っています。
このレンズは、古いレンズなので最近のレンズのように電子制御ができるわけでもなく、写りだってだいぶ穏やかですが、今のこんな忙しい世の中に生きているからこそそういったものがよく見えたりすることもあるのだと思います。
このレンズを購入したのはだいたい1年くらい前で、中古でしたがなかなか程度がよく、それでいて良心的な価格だったので、1番のお気に入りレンズになりました。
元ペンタックスの技術者という方にしっかりと修理をしていただき、非常に良い状態になって、レンズもカメラも私もとっても喜んでいます。
このレンズがいわゆるアナログの古いレンズだったから、こうして修理をして良い状態に戻ってまた使えるようになったわけですが、最近のものは昔ほど修理をしてでも永く使うことを考えて作られていないような気がしています。
素材が金属から樹脂になっていたり、構造的にも修理をする前提で作られていなかったり、中にはもう明らかに安い価格で販売されていて、使い捨てを前提にしているようなものすらあります。
もうちょっとコストをかけて価格が上がったとしても、マウント部分を樹脂ではなく金属にしていたらもっと永く使えるはずなのにと思ってしまうこともあります。
まぁ、永く使うことだけが良いわけではありませんし、もしかしたら時代の変化についてこれないような商品は使い捨てにされてしまうのかもしれませんが、ちょっと残念だと思うことがたくさんあります。
ではカメラではなく、靴屋の立場から靴に関して言えば、
アッパーに革を使っている靴が5,000円とか7,000円などで売られていることがありますが、あれって確かにアッパーは革なのでそれなりに耐久性があり、見栄えも良いかもしれませんが、
内側のライニングが合皮だったりすると、もうその時点で永く履くことができませんし、
ソールやヒールがウレタンだったりすると、修理をして永く履くことが難しいこともあります。
さらに、見えない部分ではありますが、芯材がボール紙のようなものだったりすると、それは明らかに永く使うことは難しです。
せっかくアッパーに耐久性のある革を使っているのに、永く履けない靴ってどうなの?って思ってしまいます。
皆さんもご存知かもしれませんが、革は非常に高価で貴重な素材です。
もし革を使っているものを買うのであれば、革の特性を生かしているものを買っていただきたいと思います。
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