ウチの娘がこの春から高校生になりまして、学校に履いて行く靴は何にしようかということで、ひとつはスニーカー、ひとつはドクターマーチン風のブーツ、そしてもうひとつはハルタのローファーにしました。
学校に履いて行く靴が1足だけだと、きっとあっという間にボロボロになって履けなくなってしまうので、多少の好き嫌いで履く頻度の差が出るのは仕方ないとして、まずは3足体制でいきます。
スニーカーは、2か月くらい前に娘と一緒に買い物に行った時に、高校生になったら履くためのものとして良さそうなものを購入して、少しずつ慣らしてきました。
ドクターマーチン風のブーツは、数年前に購入したもので、結構イイ感じに味が出ています。
そして、今回新たに購入したのがハルタのローファーです。
ちょっと余談になりますが、私たちシューリパブリックではいくつかの理由があってローファーは作っていません。
それは、ローファーのようなスリッポンの靴のラストは、レースアップの靴のラストと根本的に異なることや、履き込んでいってインソールが沈んでくるハンドソーンウェルテッドのような製法の靴には明らかに緩くなるのがわかっているので、調整が効かないローファーは相性が良くないことなど、言ってしまえば作ったところで誰も幸せにならないのが見えているので、初めから作らないことにしていました。
さらに、私の足が細くて薄いため、これまでの人生で1度だけローファーを買ったことがあるのですが散々だった思い出しかないので、自分では作りたくないという思いもあります。
ただ、あくまでもこれは業務上の問題と私の個人的な好みの問題であって、ローファーがダメとか履きにくいということではなく、世の中には足に合うから履きやすいという人もいますし、脱ぎ履きしやすいので都合が良いという方もいますから、ローファーに関してはそれはそれで良いと思っています。
今回、ウチの娘の靴に関しても、履いてみようと提案したのは私の方で、高校生の全く手入れをしていない色が剥げたローファーだって、あとから思い出せばよい思い出になるんじゃないかという考えがあってのことです。
ともあれ、靴屋さんに行っていくつかのモデルを履き比べて、幅が非常に細いウチの娘の足にはハルタが比較的合っていたということで、ハルタのローファーを買ってきました。
でも、やっぱり何度か履いていれば緩くなるのは目に見えていて、おそらくこのブログをご覧になっている方の中でも、もしくはご家族やお知り合いの方で同じような問題を抱えている方がいらっしゃるのではないかと思います。
もしかしたら多少なりとも役に立つかもしれないという思いで、比較的簡単な調整方法をお伝えします。
方法はいくつかあるのですが、ひとつ目の方法としてこんな手段があります。
今回、ウチの娘が買ったハルタのローファーは、中敷きは全敷きというタイプで、前の方まで1枚の革(に見える合皮)が敷いてあります。
この中敷きの半分から前の方だけ一度上手に剝がして、中敷きの下に薄いスポンジや、もしくは薄い革を敷いてあげます。
薄いスポンジ、もしくは薄い革は、中敷きとだいたい同じ形、もしくは端が2ミリくらい小さい形にして、ちょっと強力な両面テープで中底に貼り付け(幅15㎜の両面テープを適当に2本くらい貼っておけばOK)、さらにそのスポンジor革に中敷きをまた更に両面テープで貼ってあげれば完成です。
理屈としては、前の方が少し上げ底になることで容積が小さくなって足が前に行きにくくなり、カカトが引っ掛かりやすくなるという理屈です。
二つ目の方法は、一度この全敷きを全部剥がして(スポンジを壊さないように丁寧に)、全敷きを半敷きの形に切り直して、前側には滑りやすい全敷きの合皮の代わりにクラフト屋さんに行って買って来た薄いヌメ革を敷き、半敷きがヌメ革との境目部分で15ミリくらい重なるようにして両面テープで留めます。
そうなんです、このローファーは中敷きが合皮で滑りやすいんじゃないかってちょっと気になっていました。
なので、前側だけでもちょっと厚めのヌメ革で中敷きを作ってあげて、滑りにくくしてあげれば多少改善するのではないかって思います。
その他、これはどの靴にも言えることですが、屈曲が硬いとどうしてもカカトが浮きやすくなりますので、靴を十分にならして曲がりやすくしておくのも有効です。
ともあれ、一度時間を作ってカスタムする様子をアップしますので、それをご覧いただいて良さそうだったら実行してみてください。
ちなみに、今回娘に購入したハルタのローファーは合皮のものです。
合皮を選んだ理由は、雨に強いこと。
娘の性格からすれば、合皮の方が合っていそうです。
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