今日、3月完成予定の靴たちが完成しました。 ラックには10足乗っていますが、最下段の2足は2月完成予定の靴たちの一部で、まだ納品できていないものたちです。 こうして見てみると、毎度のことながらデザインもバラバラ、サイズもバラバラでお客様お一人お一人に作っているという実感があります。 だし縫いから戻り、その先の工程であるヒールの取り付けや削り、コバインク塗り、インソックの作成、そしてアッパーの仕上げなどは、靴の表情を大きく変えてしまう工程なので、丁寧におこなうように心がげけています。 ただ、アッパーの仕上げに関してはあくまでもお化粧のようなものだと思っていますので、基本は最低限ということです。 やりすぎない程度に仕上げをし、もっとやりたいという方に於かれましては、その先をお客様にお任せしています。 靴の製作は、どの工程も気が抜けないので、ここまでくればホッとひと安心です。 先ほどお客様にご完成のご連絡をさせていただきましたので、あとはお返事をお待ちして、お越しいただいた時に靴をお渡しすることになります。 ただ、昨今の新型コロナウィルスのこともあって、なかなかお越しいただくタイミングが難しい方もいらっしゃるかと思いますので、慌てず焦らず、リピーターのお客様は発送でもよいかなって思っています。 ともあれ、靴が完成して早くお客様に履いていただくのを楽しみに待っています。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読むだし縫いとは、グッドイヤーウェルテッドやハンドソーンウェルテッドの靴で、ウェルトとソールを縫っているステッチのこと。 これです。 私たちシューリパブリックのだし縫いは、機械縫いなのでいわゆるロックステッチ(普通のミシンと同じような糸の運びです、ロックミシンとは異なります)で縫われていまして、上糸と下糸が別の糸になります。 これに対して、手縫いの場合は2本針と言って2本の針が互い違いに上に行ったりしたに行ったりしながら縫っていきます。 そもそも、私たちが使うような合成ゴムのソールの場合、手縫いで縫うのは非常に困難なので合成ゴムのソールのを使う仕様の時は機械縫いが一般的になります。 なので、この写真で見えている糸は1枚目の写真で見えている上糸と別の糸になります。 昔、だし縫いの職人さんから教えてもらった話によると、機械縫いのだし縫いはちょっとくらい糸がすり減って切れてしまっても簡単にソールがパッカリと開かないのだそうです。 こんな状態になってもソールがパッカリと開かないのは、ロックステッチで縫っていることに起因しているとのこと。 ロックステッチとは、単に上糸と下糸がロック(引っかかっている)しているだけではなく、その引っかかっている部分に小さな玉ができていて、それがストッパーの役を果たしていてソールが開かないのだそうです。 言葉で説明するのがちょと難しいのですが、縫っている部分の断面を見た時に、上糸と下糸のロックの位置が比較的ソールの接地面に近いところに来るように設定しておくことで、ソールの接地面の糸が切れたとしてもソールが外れないのだそうです。 逆に、ロックの玉がウェルトに近いところに来ていたとしたら、接地面の糸がすり切れた時にソールがパッカリと開いてしまうかもしれませんが、プロの職人さんたちはしっかりと調整して縫っているので安心してください。 そんなわけで、だし縫いの糸が多少すり切れたとしても、慌てる必要はないという話でした。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読む私は靴の勉強をする前には、自動車関係の仕事をしていまして、どちらかというと金属に囲まれた環境にいました。 そんなかんじで硬い素材が基本だったので、靴つくりを学ぶ時にはいろいろと慣れないことがたくさんありました。 靴のパターンを作るときに、立体であるラストの形を取り出すのですが、 こんな感じにテープを巻いてセンターを決め、 カカト側もセンターを決め、 底面の要らない部分を切り取り、 センターで割った外側と内側のテープのそれぞれをはがし、 これを紙に貼って2次元にするという、かなり大雑把なやり方でやるのだと教わりました。 そもそも素材=金属というくらいの頭だった私には、この微妙な歪みが納得いかず、先生にこれはどうするのかと訊こうと思っていたら、 こんな感じに切り込みを入れ、 平らにしてOKとのこと。 さらに、甲の部分にも大量の歪みが残るのですが、 これも上手に潰してOKとのことでした。 これは本当に衝撃だったのを覚えています。 なにしろこんな適当なやり方では、絶対に正確にできるわけがありませんから(と思っていました)。 こんなに元の形と違っているし、シワの入れ方だって切り込みの入れ方だってなんかテキトーな感じがしますし。 でも、実際に靴を作ってみるとこれで全く問題なく、むしろこれがベストなやり方なのではないかと思わされるくらいにキチンと靴が出来上がったのです。 これは、素材が革だからこそできる手法なんですよね。 革の素材の特徴ってご存じですか? 革は引っ張ると適度に伸びて、引っ張ってラスティングをしているうちになんとなくつじつまが合っちゃうものなのです。 さらに、革の伸び方がなんとなくバイアスの布のようで、切り込みを入れたつま先やカカト周りは縦に引いてあげると切り込みで伸びた分がわずかですが縮むため、ギャザーを作りながらですがこれまたつじつまが合ってしまうのです。 金属の加工だと、1ミリの誤差というととっても大きなものですが、革なら1ミリくらいなら何とかなってしまうというおおらかなところも革の良いところです。 ともあれ、そんなこともありつつこんな感じで立体が平面になり、これをもとにパターンを作ることになります。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読む今日みかんを食べていたら、この白い部分がとっても多いヤツに当たり、いちいちとるのが面倒だと思っていたところ、こいつの名前を知らないことに気づきました。 調べてみたところ、「アルベド」というそうです。 知らなかった・・・。 そういえば、普通に見ているけど名前を知らないものって結構ありますよね。 今日は、靴のパーツでもしかしたら名前をご存じないかもしれないものをご紹介してみたいと思います。 まずはこれ。 この補強の役割を果たしているステッチですが、これは「タブ」と言います。 日本だと「かんぬき」という方もいます。 続いて、この部分。 靴ヒモの穴を含めたこのあたりの総称。 これは、「フェイシング」もしくは「ハネ」といいます。 次はこちら。 カカトの接地面のパーツ。 これは呼び方がいろいろありますが、イギリスのノーサンプトンではトップピースと呼んでいました。 それからこちら。 トップピースの上のヤツ。 これを木だと思っている方がいらっしゃいますが、あまり木を使うことがありません。 木だと割れやすいとのこと。 これは、積み上げと言います。 そして、こちら。 カカトの上の方の補強です。 これは、ドッグテイルと言います。 補強の形にはいろいろありまして、この形がドッグテイルと呼ばれています。 犬のしっぽみたいだから。 最後にこちら。 靴の内側にある、インソールの上に敷いてあるヤツ。 これは、インソックと言います。 インソールというと違うものをさすので、間違えないように気を付けてください。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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