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ミシン針

一般的に靴のアッパーを縫うミシンには、進行方向と同じ方向にメスを入れる針を使いますが、私はLRというちょっと違う針を使っています。 こちらが私が使っているSchmetzのLRという針です。 この針はなにかと言いますと、メスが斜めに入るというものなのです。 ミシンは普通に使われているPFAFFのポストです。 LRの針のメスの入り方は、右奥から左手前に斜めにメスが入ります。 ということは、ステッチの目がまっすぐではなく斜めになるのですが、これがまた味があってとっても格好良いのです。 おそらくポストミシンだとこの斜めのステッチの目が出やすいはずです。 縫いあがったものは、よくよく見てみると針目が斜めなのが分かります。 この雰囲気が、ちょっとクラシカルでいい味が出ていて、ホント自己満足なのかもしれませんがイイなぁって思っています。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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クリッカーのオイル交換

ここ最近、クリッカーの油圧が上がらないような感じがしていて、よくよく考えてみたら前回のオイルの交換が10年前でした。 通常であれば、長くても5年くらいで交換するのが好ましいそうなので、10年はちょっと放置しすぎですよね。 そんなわけで、先日からちょっとずつ準備をしてきまして、必要なモノがそろったので今日オイル交換をすることにしました。 ちなみに、クリッカーというのはこのような機械です。 念のため、事前に製造元のニッピ機械さんにオイルの硬さと必要な量を訊いておきました。 ニッピ機械さんと言えば、今では漉き機で有名ですが、昔はこういうものも扱っていたのですね。 このモデルは、聞くところによると生産終了から30年くらい経っているのだとか。 教えてくださった方も、古い資料を確認してくださったようです。 ありがとうございました。 さて、まずは古いオイルを抜くのですが、抜いたオイルをどうしたら良いのか考えた結果、大きなバケツだと邪魔になるので、7~8リットルごとに小さなビニール袋にいてれしまえばよいということになりました。 今回使用するのは、モノタロウで購入した作動油(ハイドロリックオイル)で、粘度が32のものです。 タービン油でも良いのだそうですが、今回は作動油にしてみました。 使用する量が30リットルとのことで、ペール缶が2つになりました。 クリッカーの前面のふたを開けるとこんな感じになっていまして、下の方にオイルが溜まっているのですが、思ったほどオイルは汚くなかったです。 でも、オイルって古くなるとオイルの役を果たさなくなるって聞いた事があるので、定期的に交換しないといけないですね。 オイルは、ペコペコで地道に抜きます。 あらかじめバケツにビニール袋を二重にしてかぶせておけば、バケツを汚すことなく作業を進められます。 オイルがだいぶ減ってきたら、フィルターが見えました。 10年前にもオイルの交換をしているのですが、その時の記憶が全くなくて、フィルターどこだったかなぁと探してしまいました。 フィルターは、結構径が大きなナットで止まっていたので、こいつの出番です。 と思ったら、それほど固く締まっていなくて、手で回りました。 今回は、服が汚れないようにちゃんと準備をしています。 専用のカバーもありますが、30リットルのビニール袋の一部に穴を開けて手を通し、輪ゴムをかければ即席のカバーの出来上がり。 外したフィルターは、十分にオイルを抜いた後、 パーツクリーナーをかけてオイルを吐き出させました。 パーツクリーナーって、トルエンだかアルコールだかわかりませんが揮発性の高い薬品が入っていて、もしかしたらフィルターの内部の素材に良くないのかもと心配しながら吹き付けたのですが、結果的に大丈夫だったようです。 フィルターは、しばらく乾燥させます。 クリッカーの内部には、ゴミがたくさんたまっていて(これを悪露というそうです)、そいつらをキレイに取り除く必要があるので、結構手間がかかりました。 クリッカーの内部がキレイになったら、先ほどのフィルターを取り付けて、新しいオイルを入れます。 また地道にペコペコで入れました。 ゲージがあるのでちゃんと指示に従いながらMAXのあたりまで入れまして、ふたをしてとりあえず作業は終了です。 ただ、油圧の機械はエアが入ってしまうとちゃんと動くまでに時間がかかるようで、このままスイッチを入れたらOKという訳にはいきません。 フィルターの内側にもオイルが染み込んでいくくらいの時間が経った頃にスイッチを入れてみて、まだはじめは弱々しい感じなのですが、調子を確認しながら4時間くらいかかってやっと普通に動くようになりました。 いや、まだ普通ではないのかもしれませんが、特に変な音がすることもなく、ちゃんと動いてくれます。 ただ、以前に比べるとなんとなく動きがゆっくりに感じられて、これってオイルが新しいからしっかりと本来の動きをしていると解釈するべきなのかまだよくわかりませんが、明日また確認してみて問題が無いようならOKとしたいと思います。 今回、必要なオイルの量が30リットルなのに対し、ペール缶が2個で40リットル購入し、10リットルの行き先がまだ決まりません。 作動油って他に何に使えるのでしょうか? ミシンオイルの代わりになるのでしょうか? なにに使えるのか調べてみます。 10リットルも捨ててしまうのはもったいないですからね。 今日の夕方に、工房の屋上から見えた夕焼け。 今日は満月でしたが、大きな体育館があって工房からは見えませんでした。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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加須

今日は水曜日なので、私たちシューリパブリックの工房はお休みです。 午前中に買い物に行ってしまい、午後からはのんびりしていました。 ところで、関東の住みたい田舎ランキングで私が住む加須市がランクインしているのを目にすることがあります。 みなさん、どういう理由で加須に住みたいと思ってくださるのでしょうか? たしかに、都内に出たいと思えば電車で1時間ちょっとくらいで、どこに出かけたいと思えば東北道の加須インターがすぐそこにあり、加須市内ではありませんが加須市からほんの少し出た(ほぼ加須と言ってよいくらい)ところになかなか大きなショッピングモールが2つもあり、 市内にはもうすぐ総合病院が開業する予定ですし、物価は安いし子育ての環境は良いし、実際に住んでみてなかなか快適だと感じています。 ですが、良いところもあれば良くないところもあって、とにかく田舎です。 市内でもどこかから引っ越してきた方が多く住む地域なら面倒なことも比較的少ないと思いますが、古い地域に行ってしまうと昔からのしきたりだとか習わしだとか、面倒な付き合いもついてくるということもあります。 これは加須に限ったことではありませんが、田舎って放っておいてほしい人にはなかなか難しいところもあるような気がします。 それはそれとして、今日はお天気が良かったので歩いて散歩に行ってみました。 加須市内でも、少し離れるとこんな景色が広がっています。 真ん中に見えるのは筑波山です。 そして、今日の散歩のお供はこのチャッカブーツ。 革靴で散歩するのって・・・ と思うかもしれませんが、走るなどのスポーツをするのでなければ革靴が非常に快適です。 革靴は、スニーカーに比べてソールが硬いですし、インソールも硬めです。 ねじれ剛性も高く作られています。 それって何かに似ていませんか? そう、スポーツカーです。 スポーツカーとまではいかなくても、シャーシ剛性がしっかりしていて、サスペンションが硬めのクルマは、長距離を走っても変な揺れが少なく、実際には疲れにくいのです。 逆に、ふわふわした乗り心地のクルマは、一見疲れにくそうに感じるかもしれませんが運転していると思ったとおりの動きをしないことがあって、心身ともに結構疲れてしまいます。 それに似ているところが革靴にもあるように思います。 ソールが硬いという件に関しては、足がまだ十分に鍛えられていないうちは疲れやすくなってしまうかもしれませんが、ある程度鍛えられてくると本当に疲れにくく感じます。 これは、実際に試していただきたいと思っています。 さて、私の散歩は続きます。 言ってしまえば農村なので、こんな水路がそこらじゅうにあります。 まだこの辺りは家が見えますが、もう少し田舎の方に行くと辺り一面が田んぼで地平線が見えるのではないかというところがあります。 ここは、「浮野(うきや)の里」と言いまして、詳しい説明は下の写真をご覧ください。 まだちょっと季節が早いので、緑もありませんし人もいませんでしたが、もうあと数か月もするとこの辺りは一面緑のとってもキレイな景色になります。 ちなみに、今日の写真はペンタックスのオールドレンズで撮ってみたのですが、いかがでしょうか? 色ののりがややあっさりな感じですね。 慣れて来て使いこなせるようになると、とっても楽しそうなレンズです。 こんなカメラとレンズをもって、どこかに旅行に行ってみたいものです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。  

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モンキーブーツ

今日のお客様は、東京都にお住いのHIさんです。 ご注文いただいていた靴が完成いたしましたので、納品&フィッティング確認のためにお越しいただきました。 早速履いていただきました。 今回完成したのは、黒い革を使って製作したモンキーブーツです。 HIさんは、これまでどちらかというとカチッとしたフォーマルな雰囲気の靴が多かったのですが、今回初めてカジュアルテイストが強いモンキーブーツをご注文いただきました。 HIさんのフィッティングのお好みはとってもきつめで、私からすればそれはちょっときつすぎるんじゃない?と言ったところなのですが、 それはお好みなのでご希望をうかがってちょうどよいところに落ち着くようなセッティングで製作させていただいています。 モンキーブーツって、ひもを締めれば締めただけきつくなるので、どこまで締めたらよいのか悩むところですよね。 HIさんのお好みでヒモを締めて、しばらくフィッティングを確認していただきました。 まだ履き始めなので、革がちょっと硬いです。 ところで、HIさんは以前はブーツなんて全く興味がなくて、シューズばかりご注文いただいていましたが、ある時ブーツをご注文いただいたところ、それがとっても気に入っていただきまして、それからはブーツの割合が激増しました。 「やっぱり脱ぎ履きを考えると、チャッカブーツが最高ですよね。初めて注文される方は、チャッカブーツがおすすめなんじゃないですか?でも、私は、このカチッとしたギブソンブーツも好きなんです・・・。」 って、ブーツ前提の選択になっています。 「やっぱりリパブリックさんだったら、ブーツですよ。」 とのことでした。 そんなに気に入っていただけて、私もとてもうれしいです。 「このモンキーブーツは、汚く履いたらただの作業靴みたいになっちゃいそうなので、きれいにはかないといけないですね。」 とおっしゃっていました。 HIさんの雰囲気なら、キレイに履いていただいた方がよく似合うと思います。 今回の靴も気に入っていただけて、ホントに良かったです。 次の靴もお楽しみのお待ちください。 今回も、ありがとうございました。 靴の仕様 デザイン: モンキーブーツ レザー: キップ ソール: ダイナイトソール ラスト: マイサイズラスト(SRC+お客様の足に合わせた調整) 製法: ハンドソーンウェルテッド 今回使用した革の在庫の有無: 完売 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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サイドゴアブーツ

ここ最近の新型コロナウィルスの影響で、靴が完成していてもなかなか工房にお越しいただけないというお客様がいらっしゃいます。 その理由は様々で、感染しないようになるべく外室を控えていらっしゃる方や、とってもお忙しい方、そのほかにもいろいろな方がいらっしゃいます。 なので、最近は納品待ちの靴がちょっと多くなっています。 今日ご紹介するIさんのサイドゴアブーツもそんな靴たちの中の1足です。 こちらはサイドゴアブーツ×フルブローグという仕様で、これまでには製作したことがない大変ユニークな仕様です。 ちなみに今回使用した革は、Tempesti社のELBAMATTという革で、このELBAMATTでも違う色の革はたくさん製作していますが、この色のものはまだ製作足数が少ないですね。 サイドゴアブーツは、決して珍しいデザインではありませんが、このエラスティック(ゴム)の形で靴の雰囲気が大きく変わってきます。 履き口からまっすぐストンと下に向かうようなものもあれば、今回製作したもののように少し前に膨らんでいるものもあります。 私たちシューリパブリックでは、フィッティングを追求しているため、履いた時にしっかりと足をホールドするようなセッティングにしています。 さらに、横から見るとわかるのですが足首の部分を結構絞っています。 そうなると、脱ぎ履きがちょっと大変になってくるので、少しでも履き口が開くようにこのようなエラスティックのデザインにしました。 また、パターンはオックスフォードをベースにしているので、なかなかシュッとしていてかっこう良いのではないかと思います。 Iさんは、このようなやや派手目の雰囲気がお好きなので、このブーツも格好良く履きこなしていただけると思います。 履いていただくのを楽しみにお待ちしています。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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ライニング革

これまでにアッパー用(靴の表側)の牛革は部位によってクオリティが全く異なり、お尻や背中の当たりは比較的クオリティが高いけれど、腹の周りや脇の下、さらには首の周辺はあまり良くないということをお伝えしてきました。 その理由は、まず腹回りはそもそも革の厚さが薄く、また脇の下は伸びたり縮んだりする部分であるためにこれまた革の厚さが薄いので、十分な厚みと強度が出ないということでクオリティが高くありません。 首回りに関しては、こちらは牛が下を向いてご飯を食べ前を向いて生活するために、どうしても首の後ろに深いシワ(growth markと言います)ができてしまうことで、あまりキレイではないのです。 これは同じ牛革のライニング(靴の内側の革)にも言えることで、ライニングの革は一見部位によってあまり差がなさそうに見えますが、実際には結構違うのです。 こちらが私たちシューリパブリックで使っているライニング用の牛革です。 この革は牛の体の右半分で、奥の方が首で手前がお尻になります。 ここは革の右の手前の部分に写っているで、右の後ろ脚の部分です。 こちらは左の手前に写っている部分で、背中のお尻に近い部分です。 そしてこちらはお尻の部分。 ざっと比べてみると表側はあまり差がないように見えますが、 後ろ足の部分に対して、 こちらがお尻の部分です。 裏側を見てみると、元々の革の厚さが違い革のクオリティも異なるのがわかります。 さらにこちらは首回りなのですが、そんなに悪くないように見えて、 実際には脇の下よりはまだよいですが、ちょっとボソボソしています。 アッパーの革の場合、クオリティの違いはパッと見た時の見え方をはじめ、革のシワの入り方の違いや耐久性の違い、もしくは磨いた時の光り方の違いにつながるのに対し、 ライニングのクオリティの違いは、耐摩耗性や履き心地の違いにつながります。 以前にもお伝えしたことがありますが、ライニングは適している部分というのがありまして、お尻や背中の比較的繊維がしっかりしていて厚みがあって丈夫な部分はクォーターライニング(カカト周りのライニング)などに適しているのに対し、 脇の下などのあまりしっかりしていない部分は、当たりが柔らかいことや耐摩耗には直接大きな影響がないなどの理由でベロのライニングに適しています。 やっぱり作り手としましては、お客様に気兼ねなく靴を履いていただけるというのが非常にうれしいことなので、丈夫で履きやすくて使い勝手の良い靴をお作りしたいのです。 実際には見えない部分であり、それをちゃんとやっていなかったとしてもおそらく5年くらいは誰も気づかないかもしれませんが、5年くらい履き込んだ時に、あの靴屋はしっかりと良い仕事をしていたと言っていただけるのが、作り手の誇りなのです。 だから、見えるところよりも見えないところについついこだわってしまうわけです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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ペンタックス

少し前に、一眼レフカメラ用の古いレンズを買いました。 もちろん中古です。 40年くらい前のモノなので、今のレンズのようにオートフォーカスなんてありませんし、写りの精度だってだいぶ粗い感じです。 でも、なんとなく昔のカメラで撮ったような雰囲気のある写真を撮ることができて、味があるというか深みがあるというか、とっても人間味のある写真を撮ることができるのです。 私が買ったレンズは、特別人気があるわけでもなく、何か突出したポイントがあるわけでもないのですが、なんとなくいいなぁっと思いまして。 ホント、なんとなくです。 28mmのレンズなので、APS-Cのカメラで撮ると42mm相当になり、私にはなかなか使いやすい画角です。 聞くところによると、最近はオールドレンズが流行っているらしく、まさに私が買ったような古いレンズでレトロな雰囲気の写真を撮るということなのですが、何でもかんでもキチンキチンと整いすぎていて、息が詰まるような世の中になりつつある昨今では、こんな隙間だらけのオールドレンズで撮るような写真に魅力を感じるのかもしれません。 でも普通に考えて、カメラのレンズは絶対に精度が高いほうが良いに決まっているのに、なぜここ最近になってこんなオールドレンズが流行っているのでしょうか? もしかしたら、ドラえもんの話で出てきた「流行性ネコシャクシビールス」のようなものがこの世の中を飛び回っているのではないかと思いました。 「流行性ネコシャクシビールス」とは、ドラえもんの秘密の道具のひとつでこれによって流行を作り出すというものです。 これがどんな話なのか気になる方は、ちょっと調べてみてください。 そして靴に関しても、まれに不思議な流行が起きたりします。 私が知っている範囲では、超絶スクエアトウやロングノーズ、そして厚底など、流行と言えば流行りなのですが、流行は廃りますし、永く使うものにはあまり流行の要素を入れ過ぎないことが永く使う秘訣だと思っています。 私たちシューリパブリックの靴は、クラシックをうたっていてあまり流行りには振り回されないような仕様です。 基本的に靴はベーシックで、ひねりを入れるなら控えめで目立たないところがおすすめです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。  

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靴ヒモ

昨日、お客様のOさんより、 「おろしたての靴ヒモは、どうしてもほどけやすくなってしまうのですが、これは何か対策はありませんか?」 というお問い合わせをいただきました。 確かにそうですね。 私もうすうす思っていましたが、何とかしたいところですよね。 そんなわけで、今回はおろしたての靴ヒモのイライラを解消する方法を探ってみました。 まず、私たちシューリパブリックが使っている靴ヒモは「ロウ引き」と言いまして、保護のためだと思うのですがワックスでコートしてあります。 しばらく使っていればこのワックスが剥がれて使いやすくなるのですが、初めのうちはOさんがおっしゃるようにちょっと硬くてほどけやすいのです。 そこで私が考えた方法が、熱湯をかけたらワックスが剥がれるのではないかということ。 早速やってみました。 こちらが熱湯をたっぷりかけた靴ヒモ。 端から25センチくらいだけにかけました。 分からなくならないように紙でマークをして、しばらく乾燥させました。 乾燥ののち、もう一度検証です。 熱湯で濡らした部分はちょっと膨れていたので、軽くしごいておきました。 まず、ワックスがついている部分はループを作った時の状態(硬さを調べています)がこんな感じなのに対し、 熱湯をかけた部分はというと、 だいぶ硬さがとれてしんなりしていて、ループが小さくなっています。 実際に触った感じもかなりしんなりしていて、縛ってみた時にもだいぶ締めやすくなっています。 これは、いきなり成功です。 もっといろいろやろうと思っていたのに、いきなり一番簡単な方法で成功してしまいやや拍子抜けですが、熱湯をかけて乾かし、軽くしごいてあげることで新しい靴ヒモでも縛りやすくなるということでした。 Oさん、いかがでしょうか? もしよかったらやってみてください。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。    

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チャッカブーツ

靴の雰囲気は、ちょっとした仕様で大きく変わるものです。 オックスフォードのような、基本的にフォーマルな時に履く靴でも、型押しの革を使って作ってみたり、Lストームウェルトの仕様にしてみたりすると、フォーマルとは一線を画すような雰囲気の靴になります。 また、チャッカブーツは比較的シンプルなデザインなため、カジュアルな靴と思われることもありますが、黒のスムースの革を使ってパリッと作り上げると、とってもフォーマルなビジネス仕様の靴になります。 ちょっと過去に製作したチャッカブーツを見てみましょう。 こちらは先日もご紹介しましたが、スウェードのチャッカブーツです。 こんな感じのチャッカブーツは、フォーマルではありませんが上品でキレイな雰囲気に仕上がっていると思います。 この辺りは、ちょっと個性が出ているチャッカブーツです。 平ウェルト仕様とLストーム仕様とでは結構雰囲気が異なりますが、どちらも気軽にちょいと履けそうですね。 こちらは黒のスムースのチャッカブーツです。 この仕様だと普通にお仕事に使ってもまったく問題なさそうです。 さらにフォーマルな雰囲気にするのであれば、カカトをシングルヒール仕様にするという手もあります。 デザインはどれもチャッカブーツですし、パターンも変わらないのに、靴の雰囲気はだいぶ違っていますね。 たとえば、チャッカブーツは好きなんだけど1足持っているし・・・という方には、こんな変化をつけて楽しんでいただくことをお勧めします。 今回ご紹介したのは、カジュアルかビジネスかという振れ幅の大きい仕様でしたが、ビジネス8割オフのに2割程度の雰囲気に仕上げることも使う革次第で可能です。 ある意味適応性のあるチャッカブーツは、もっといろいろな雰囲気に合わせてたくさん履いていただきたい靴です。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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靴ヒモは消耗品

カテゴリー: Message:伝えたいこと

靴ヒモ

余談ですが、先ほど昔の私たちシューリパブリックのブログを見ていました。 今のフォームになったのは2016年からですが、それ以前はJUGEMというフォームを使ってのブログで、それが2009年の夏ころから。 さらにそれ以前はYahooのフォームを使っていまして、それもそこそこ永く使っていたので、改めて振り返ると結構永いことブログを書いていることになります(yahooのフォームはすでに廃止になっています)。 当時の記事を改めて見てみると、書いている内容はたいして変わらないものの、写真の雰囲気は全然違っていることに気が付きます。 始めの頃は、キャノンのカメラを使っていまして、キャノンのカメラってどちらかというとあっさりな色合いなのですが、2012年くらいだったと思うのですがペンタックスのカメラに替えてから写真の雰囲気が大きく変わり・・・ と言いたいところですが、ペンタックスを使い始めたころは、まだまだ全然使いこなせていなくて、もうホワイトバランスがめちゃくちゃで結構ひどいものでした。 そういう今は使いこなせているかというと、これがまだまだなのですが、やっぱり使っているとカメラの特性もわかってきて、ちょっとずつ慣れてくるものです。 そのうちもう少し上手に使いこなせるときがくることを願って、カメラと付き合っています。 さて、今日は靴ヒモの話。 最近何度かお伝えしていますし、少し前には靴ヒモのお買い得企画もやっていました。 このモンキーブーツも10年以上履いていまして、おそらく靴ヒモは年に1度くらいのペースで交換しています。 そもそもがそれほど強くない靴ヒモを使っているので、使っているとこんな感じで少しずつ弱ってきます。 というのも、靴ヒモが強すぎるとアッパーの革にダメージを与えてしまうため、靴ヒモはそれほど強くないものを使っています。 それでも、ヒモが当たるところは革が擦れてしまうのですが、多少は仕方ないところです。 そんなわけで、靴ヒモはだいたい1年くらいをめどに交換することをお勧めいたします。 靴ヒモのおおよその長さは、 ・ギリーシューズ・チャッカブーツ・オックスフォードシューズ   →→→ 75cm ・ギブソンシューズ   →→→ 80cm ・ギブソンブーツ   →→→ 110cm ・モンキーブーツ   →→→ 130cm となっておりますが(最近の仕様)、靴のサイズによって多少異なる場合もございます。 市販でも入手できる長さもあるかと思いますが、入手が難しい場合は私たちも販売しておりますのでその旨お声がけください。 それから、明日は関東でも雪になるようなことを言っていましたが、もし革靴に防水スプレーなどを吹きかける時は、最低でも靴を履く1時間くらい前に吹きかけておきましょう。 あまり直前だと効果が出ないこともありますし、逆に何日も経過してしまうと効果が薄れてしまうようなので、防水スプレーは上手にお使いください。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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