私は子供の頃にずっとずっと欲しかったモノを買ってもらった時には、本当に幸せでした。
本当に欲しいものはいつになって飽きずに、いつまでも大切にしていて、いつまでも幸せでした。
多分それは子供の頃ならトミカだったりプラレールだったり、今からすればそう高価なものではなくてもとっても幸せで、ずっとそれで遊んでいた記憶があります。
少し大きくなって、とってもほしいものが自転車になり、小学5年で買ってもらった自転車は最高の宝物で、かなり永いこと大切に乗っていました。
クルマの免許を取って、夏休みに死にもの狂いでバイトしてためたお金で買った中古のクルマがこれまた最高の宝物で、納車の為の整備にかかる日々がとても長く感じて、でも手元に届いたらほとんど毎日走り回っていました。
子供の頃や若い頃は、とにかく欲しいものが手に入ってそれで楽しんでいたのがとっても幸せでしたが、だんだん大人になって歳を重ねていくと、確かに欲しいものが手に入ると幸せなのですが、あの頃のようなもう最高に幸せと思うほどではなく(時には確かに最高に幸せなこともありますが)、ちょっと頑張れば(よほど身分不相応なものを除き)欲しいものが簡単に手に入ってしまうので、トミカ1台であんなに幸せだと感じること自体が幸せだったんだと改めて思います。
大人になった私が得ることでで幸せだと感じるモノがあるとすれば、それは何だろうと考えた時、その答えは見つかりません。
昨日ブログで書いたフルサイズのカメラを買った時にも、そのカメラを所有したこと自体が幸せだとは思いませんでしたが、そのカメラを使ってこんなことしようとかあんなところに出かけようと思いを馳せたのはちょっと幸せだったと思います。
大きなクーラーボックスを買ってそれ自体が幸せだと思いませんが、そのクーラーボックスを持って家族と一緒に旅行に行って楽しみたいと考えるのは、私にはとっても幸せなことです。
その昔、ホンダのステップワゴンのCMで「こどもといっしょにどこいこう」というのがありましたが、まさに大人になるとモノよりも何かをすることの方が幸せで、でもそんな何かをするというのは単に何かを買うとか入手するよりももうワンステップ必要で、なかなか大変な事なのです。
そう考えると、何かを買うことで幸せになれるのは、ある意味とっても幸せなことなのだと思います。
昔、ウチで靴の勉強をしていた元スタッフのOと先日電話で話した時に、彼女は・・・、
「ついつい服をたくさん買っちゃうんですよね。」
と言っていたのですが、日々忙しいながらにそうやって服を買って楽しめているのなら、それはとても幸せなことなので、買えるであれば気にしないで買ってしまいなさいとアドバイスしました。
私たちシューリパブリックの靴は、作り手の私が考えるところでは所有して幸せになるというよりは、履いて一日を過ごして、もしくはどこかに出かけてたくさん歩いて幸せになる靴であり、使って初めてその効果が感じられる靴です。
なので、見た目が好きとか嫌いとか、使っている革が有名とか無名とかいうことではなく、道具として使い倒していただき、そこから幸せになれるモノだと思っています。
私だったら、大人にならないと理解できないモノのようです。
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