以前に、ハンドソーンウェルテッドの靴においてインソールはとっても大切ということをお伝えしました。
インソールが厚くてしっかりしているものであれば、靴自体の剛性を保つことができ、外からの衝撃も緩和することができ、さらにしっかりと足をホールドすることにも貢献します。
ただ、インソールがただ硬ければよいとか、ただ厚ければよいという訳ではありません。
私たちシューリパブリックでは、お客様の体格や足の力に合わせてインソールを選ぶことも必要だと考えます。
特にシューズにおいては、ブーツに比べて足をホールドする面で気が小さくなるので、あまりにも硬すぎるインソールでは靴が屈曲しにくくなり、その分足の甲やカカト、さらには靴ヒモに負担がかかってしまいます。
そうならないために、製作の時点でインソールを裁断する時の部位選びは思いのほか大切な作業になります。
そうなんです、私たちの場合、インソール用に牛の革の半裁(牛の身体を背筋で裁断して右半分と左半分に分けたもの)になっているものを買ってくるのですが、その中でも厚くて目が詰まっている部分、薄いけれど目が詰まっている部分、厚くてやや目が粗い部分、そして使えない部分に分け、お客様に合った部分をインソール用に裁断して使います。
お客様の中には、靴を履き始めてしばらく経つのに靴が硬いということがあるのですが、じつはそれはそのお客様に合わせた長期的な革選びが関係していて、そりゃ柔らかい部位を使っておけば初めから柔らかいのですが、それだとのちのち合成不足になってしまう恐れもあるので、お客様に対して必要な硬さよりちょっと硬めの靴になっています。
そして、もししばらく履いても全然硬いという場合は、靴を暖房などでやんわりと温めながら屈曲する部分を強制的に曲げてあげるととても履きやすくなります。
靴を履いて強制的に曲げてあげるという方法でもOKです。
そして、やってほしくないこととしては、薬品などを使って強制的にインソールを柔らかくしてしまうこと。
これは、必要以上にインソールが柔らかくなってしまうこともあるので、お勧めできません。
基本的には、ハンドソーンウェルテッドの靴はインソールが馴染むのに半年くらいかかるものなので、じっくりのんびり馴染ませてあげると良いでしょう。
とにかく、インソールは良い状態を保てるようにしましょう。
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