ウェブサイトにも書いてありますが、私たちシューリパブリックの靴は85%のクオリティという、一見変なコンセプトで製作しています。
ウェブサイトを読んでいただければすぐにお分かりになることなのですが、85%を超えて95%とか、実際にはほぼ不可能であろう100%を目指すとなると、
それなりに手間も時間も、そして結果として莫大なコストもかかってしまいます。
40%の出来のモノを50%に上げるのとは、まったく次元が異なります。
それを敢えて普通に丁寧な作業でできる範囲の85%ほどを目指すことで、工業製品のように効率よく、
価格とクオリティのバランスの取れた製品が出来上がります。
これが、スタートしたころに考えたことです。
そして、しばらく同じようなものを作り続けていると、だんだん見えてくることがありまして、
それは、靴は主に革を使って製作しているものなので、たとえどんなに頑張って100%のフィッティングを実現しようとしても、
履きこんでいくうちに革が伸びたりインソールが沈んだり、ソールが柔らかくなったり、その他さまざまな変化が起こるわけで、
履き初めで100%は不可能だと実感したのです。
なので、私は履きこんである程度馴染んできたところで85%以上の履き心地(感覚を数値で表現するのは難しいですが)を実現することを目指しました。
つまり、履き初めの数か月は、フィッティングは正直なところ不足すると思います。
お客様の中には、最初からとっても満足してくださる方もいらっしゃるのですが、
そのようなお客様は、しっかりと靴の変化を理解されている方であったり、もしくはそれまで全然足に合っていない靴を履いていらっしゃった方で、
初めてシューリパブリックの靴を履いてくださる方は、
「思ったほどではない・・・。」
と感じる方もいらっしゃるかと思います。
それが、正しい履き方を守って履いていただき、半年くらい経つと急にピタリと足にフィットするときがやってきます。
その時点で85%くらいになっていることを逆算してフィッティングを決めています。
ここで85%というのは、人は日々足の状態が異なるのが普通で、100%と言い切るのが難しいのです。
この、半年くらい正しい履き方を守って履いていただくというのが非常に重要なポイントで、
シューリパブリックの靴はカカトの食いつきが良いと言われているものの、お客様の足の形状にもよりますが、靴のカカトの芯がある程度馴染むまで食いつきにくいこともあります。
いや、じつは正しくはカカトはあまり食いつかせないようなフィッティングにしていまして、
ソールが馴染んで柔らかくなることと、カカトの芯が足の形に変化してイイ感じにホールドするようになって、カカトがしっかりとフィットしていると感じられるようになります。
そこまで、かなり時間がかかります。
私がこんなふうに断言していても、心配される方がいらっしゃって、そんなお客様には実際にフィッティングのことやセッティングのことを細かくご説明して、みなさん納得してくださっています。
そうは言っても、そんな半年も待っていられないという方は、裏技ですがこんな方法があります。
カカトを写真のようにギューッと絞り、さらに屈曲点のあたりを、履いて折れ曲がる状態と同じように折り曲げて屈曲のクセをつけてあげるのです。
これで、数週間分の靴の変化を進めることができます。
革は馴染んでいく間に少しずつ変化をします。
その変化は、私たちユーザーが良いと感じるほうへ向かっていきます。
当たるところは逃げてくれますし、緩いところは作り方次第でフィットするようになることもあります。
作り手にとってはある意味ありがたいことで、変化する量の計算を間違いなければ、履きこんでいくうちに理想的なフィッティングに近づくのです。
★★★お知らせ★★★
【 お知らせ 1 】
7月19日(金)と20日(土)に、長野市のIVY PRODUCTSさんにて恒例のイベント開催です。
その中で、19日(金)の夕方からゆるーい感じで軽く催しをやろうかということになりました。
主な内容はトークイベントが中心となる予定です。
お越しいただける方は、できましたら事前にIVY PRODUCTSさんのほうにご予約をお願いいたします。
【 お知らせ 2 】
シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。
イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。
私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。