大切なものを永く愛用したいと思うのは、きっと誰もが同じだと思いますが、
どうしても永く使っているとだんだんくたびれてきてしまうものがあります。
と言うよりも、もっと厳密にいうのであれば、くたびれてきてしまうものと結構永く使っているのにさほどくたびれていないものの、両方があります。
革靴でも、1年もたたないうちにくたびれてしまうものと、もう何年も履いているのにまだそんなにくたびれていないものがあるのですが、
その違いは一体何なのだろうと思っている方も多いのではないでしょうか。
それは、使っている素材であり、見えない部分の補強であり、全体的な作りであるわけです。
編み上げのブーツが格好良いと思って、何となくネットで探してその値段に惹かれて適当に安いモノを買ってみたものの、
たいして履かないうちに靴自体がクタクタになってきて、なんとなくみすぼらしくなってしまった・・・
という経験はありませんか?
靴の場合は、アッパーとライニングの革、見えないところに使っている芯の素材や強度、インソールの材質と厚さ、強度、ソールの素材、そしてつくりと製法でほぼ価格が決まります。
それらが良くないものであったなら、どんなにキレイに仕上がっていたとしても、比較的早いタイミングで靴がクタクタになってしまいます。
どんなに丁寧に履いて大切にしたとしても、永く愛用できないモノがあるのです。
せっかく履きやすくなってきたのに、ボロボロになってしまって修理すら難しいというケースもあります。
私の個人的な考えでは、どうせ使うなら丈夫で永く使えるものが良いと思っています。
腕時計のベルトは、基本的にはステンレスが好きです。
部屋のインテリアに使うのなら、木や紙よりも、ステンレスやジュラルミンの方が好きです。
とにかく耐久性が優先で、気を遣って取り扱わなくてはいけないとか、朽ちていくということなんて到底考えられません。
そんな考えが根底にあって靴を作っていますので、モノ作りにおいては丈夫さがとっても大切です。
その丈夫さを靴に落とし込む場合、ただ単に厚くて穴の開かないような革を使うだけではダメで、むしろ適度な厚さので生地がしっかりしている方が表面に亀裂が入りにくいなどの理由で永く使えますし、
上で書いたような見えないところの素材をはじめ、良い素材を使ってしっかりと正しく作らなくてはいけないのです。
写真左のモンキーブーツは、定かではありませんがもう8年以上経っているはずです。
でも、くたびれるどころか、今でも良い雰囲気を出しています。
ちゃんとした素材を使って丁寧に作った革靴は、ある程度永く履いていてもくたびれてくるようなことはありませんし、むしろ革の素材としての良さがにじみ出てきて格好良くなってきます。
私たちの仕事は、普通の靴つくりとはだいぶ異なっていて、
せっかくお客様が一般的な靴より大きな出費を決意して私たちの靴をご注文してくださるので、
私たちはその気持ちにしっかりとお応えできるよう、永く愛用していただける靴を作ります。
途中で修理やメンテナンスは必要ですが、10年くらいは普通に履いていただけるようにと考えています。
人の人生で10年と言えば、長いようで短いようで、微妙な長さです。
クルマを10年乗るとすると、過去を振り返ってみたときにその頃の自分の相棒が思い出されるように、
靴も10年履くのなら、振り返った時にその頃の人生の相棒を思い出せるはずです。
靴は、そんな付き合い方をしていただくものだと思っています。
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