先日、私達のYouTubeチャンネルのアフレコをやっていまして、その動画のテーマがクリッキング(革の裁断)だったのですが、
もう少し革に関してお伝えしたいと思いまして、今日は革の部位によるクオリティの違いに関してお伝えいたします。
これは、半裁のキップの革です。
奥のほうが首で手前がお尻、そして向かって右がお腹で左が背中という位置関係になります。
そして、部位のランク分けとして下から行きますと、
もっともクオリティが良くないとされるのが、足の近くの「脇の下に相当する部分」
ついで「腹回り」、次に「首周り」、その次が「それ以外の首に違い部分」
そして、最も良いとされるのが「お尻と背中のお尻に近い部分」という順番になります。
脇の下に相当する部分がどうして良くないのかといいますと、牛が生活する中で伸びたり縮んだりしていて、革が薄く柔らかくなってしまっているため、
靴を作るためのパリッとしたクオリティが得られないからです。
このあたりなのですが、引っ張ってみると簡単に伸びてしまい、
革の裏側を見ても、こんな感じでボソボソして毛羽立ってしまっています。
これは、革自体が薄いために均一の厚さにスライスした際に、繊維が粗い深層部にまで達していることを意味しています。
では、反対に背中に近い部分の裏側を見てみると、
こんな感じで、毛足が短く揃っていて、キレイな状態になっています。
このように、一枚の革でも部位によってクオリティの違いがあって、この部分は靴を作る際に使えるとか、
もしくは、この部分はちょっと使えないという部位に分かれます。
また、パーツによってこのパーツならこの部位でも使えるというのがありまして、
具体的にいうと、ベロなら腹回りでも使えます。
その理由は、ベロはそもそもの存在理由が、靴ヒモを締めたときに甲が痛くならないためのもので、柔らかいとか繊維が揃っていなくても全く問題なく、
むしろ少しくらい柔らかいほうが都合が良いとも言えます。
その他のパーツは、脇の下、腹回り、首周りを覗いた部位で裁断します。
ということは、一枚の革でも靴に使える部分は思いの外少なく、またパーツとパーツの間の部分もどうしてもゴミになってしまうので、
実際に一枚の革のうち靴に使う部分というのは、私が使っているキップでは3分の2、もしくは5分の3程度で、カーフになるともっと少なくなることもあります。
もったいないです。
そんな事情があるということも、ぜひ皆さんに知っておいていただきたいです。
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