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革靴のメンテナンス

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話


先日、神戸のSUNにお邪魔した時に、お客様からメンテナンスについて教えて欲しいというご要望がありまして、

このメンテナンスに関してはまぁ言ってみれば革靴の敷居を高くしてしまっている要因のひとつでもありますから、

良い機会ですので、そんなに面倒なことじゃないということを知っていただけるよう、どんなことをしたら良いのかを理論的にお伝えしたいと思います。

 

まず、革にとって天敵となるのが乾燥とクリームの塗り過ぎです。

この両極端のことがどうしていけないのかと言いますと、

革は人間の皮膚も然りで、乾燥してしまうとひび割れしやすくなってしまいます。

なので、乾燥させるのはひび割れの原因になってしまうからNGです。

対して、クリームの塗り過ぎはなぜいけないのかと言いますと、

一般的な靴クリームにはロウの成分が入っていまして、このロウの成分が古くなると硬くなってしまいます。

クリームをたくさん塗るということは、どんどん革の中にクリームを染み込ませてしまうことになり、そのクリームが古くなって硬くなって革の表面も一緒にひび割れてしまうことがあります。

そんな理由から、クリームの塗り過ぎもNGとされています。

 

では、どんなメンテナンスをしたらよいのかと言いますと、

靴を履いた日には、帰宅したら必ずブラッシングをして靴に付いたホコリを落としてください。

その時のブラシは、少し大きめの馬の毛のブラシがお勧めです。

ブラシ

写真の右側のようなものです。

一般的に靴のブラシには豚毛のものと馬毛のものがありまして、厳密に言えば毛の硬さで分けるのが良いらしいのですが、

なかなかそこまでマニアックな話について行くのも大変ですので、初歩的なところでは馬か豚かということで分けてしまって良いと思います。

なので、今回はホコリ落としのブラシは大きめの馬毛のものをお勧めします。

ブラシ

こちらです。

これで、メンテナンスの50%くらいができたことになります。

 

あとは、ときどき(季節によりますが通常は月に1度くらい、乾燥しやすい季節には月に2度くらいの頻度)でやっていただきたいメンテナンスです。

月に1度くらいの割合で、ホコリを落とした後に靴クリームを塗ってください。

靴クリームには、缶に入っている油性のものと、瓶に入っている乳化性のものがあります。

靴クリーム

左が油性で、ワックスのようなもの、

そして右側が乳化性で、といりあえずは栄養補給と補色を兼ねたものというイメージで良いでしょう。

普段は、乳化性のものを使ってください。

乳化性クリーム

出来るだけ革の色に近いもの(もしくは革よりもちょっと明るい色のもの)をお勧めします。

黒の革には黒のクリーム、茶色の革には茶色のクリームです。

無色のクリームは、じつは無色ではなく白っぽいクリームですので、黒い革に使うと毛穴に白っぽく残ってしまうため、キレイに見えません。

クリームは、片足につきコーヒー豆一粒くらい、それをこんな竹の柄のブラシ(古い歯ブラシでもOK)などで全体にざっとつけて、

ブラシ

さらに豚毛のブラシで全体にのばすようにして、

豚毛のブラシ

シャカシャカブラッシングすることでツヤを出します。

ブラッシング

ここで注意事項があります。

豚毛のブラシは、少なくとも黒用、茶色用、明るい色用など、色に合わせた数を用意しましょう。

ブラシを介してクリームの色がうつってしまいます。

また、ブラッシングは結構しっかりとやってください。

靴クリームがブラシの摩擦熱で溶かされて均一になってきれいになるというメカニズムのようなので、

そこそこしっかりとやってあげる必要があります。

ちょっと戻りますが、クリームを塗るのに竹の柄のブラシを使うのは、無駄なくクリームを塗るためです。

布などでも構いませんが、布を使うと布にばかりクリームが浸みこんでしまて、ちょっと無駄になってしまう感じです。

と言いつつ、私は台所スポンジを小さく切って使うこともあります。

メンテナンス

その場合、スポンジは使い捨てになってしまいます。

 

さらに、栄養補給を目的としたクリームがありまして、デリケートクリームというのですが、

乳化性のクリームの作業の1回を、このデリケートクリームに替えていただくこともOKです。

デリケートクリーム

ただ、このデリケートクリームは水分が主要成分らしいので、

あまり塗り過ぎると革がクタクタになってしまうらしいので、頻度は月に1度程度で十分でしょう。

デリケートクリームは、靴以外の革製品にも使えます。

注意事項を確認して、上手にお使いください。

デリケートクリームは、布で塗るのが良いようです。

 

ざっとこんな感じですが、だいたいイメージはつかめましたでしょうか?

人によって言うことが若干異なるかもしれませんが、

基本は乾燥NG塗り過ぎNGということです。

上手にメンテナンスをして、革製品を大切にお使いください。

 

お知らせ

15周年企画ギブソンブーツ

【 お知らせ1 】

シューリパブリック15周年記念モデル第1弾及び第2弾ともに引き続きオーダー受付中です。詳しくはこちらをご参照ください。

 

 

 

【 お知らせ2 】

12月15日(土)16日(日)に長野市のIVY PRODUCTSさんで恒例のイベントを開催いたします。
詳細が決まり次第、また改めてご案内させていただきます。

 

【 お知らせ3 】

2019年1月のご注文分より、靴の価格を改定させていただきます。

【 お知らせ4 】

イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。

 

 

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