ラスティングの手順

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今日は、午前中は台風10号の影響ではっきりしないお天気でしたが、夕方になってとってもキレイな夕焼けを見ることができました。

夕焼け

工房の屋上から見えた夕焼けです。

先日の夕焼けとはまた違って、遮るものが全く無い鋭い陽射しの夕焼けでした。

 

さて、今日は通常のオーダーの靴とは別に、1足だけのグループの靴のラスティングをしました。

ラスティングって、作り手によってまとめていく順番が全く違い、それぞれに理屈があって、見ているととっても面白いです。

私がやっているのは、イギリスの古い資料に則った方法で、もしかしたら日本でも同じようなやり方をする方がいらっしゃるかもしれませんね。

こんな風にまとめます。

ラスティング

昨日書いたトーパフとスティフナーがセット出来たら、つま先からラスティングを始めます。

この時に、どれくらいの力で引くのかが非常に大切なポイントになります。

引き過ぎると革が裂けてしまったり素っ気ない履き心地になってしまいますし、逆に引きが甘いと型崩れしてしまう靴になったり、ラスティングアローアンス(つりしろ)が足りなくなってしまいます。

パターンも自分で作っていれば、これくらい引くということが予めわかっているので、迷うことなく適正な引き具合でまとめることができます。

ちなみに、オリジナルのやり方ではつま先はクギ1本でしたが、どうにも心もとなくクギが負けてしまうことも多いので、私はつま先は2本打っています。

ラスティング

次に、カカトの位置を決めます。

つま先をまとめるときには、カカトは少し浮かせておいて、カカトを決めるときにラストを叩いて落としてアッパーの革を張り気味にして位置を決めます。

このあとは、どういう順番でクギを売っていくかという話です。

ラスティング

まず、つま先の内側。

ラスティング

次に、つま先の外側。

ラスティング

そして、ジョイントのやや後ろの内側。

ラスティング

さらに、ジョイントのやや後ろの外側。

ラスティング

ここで、これまで内→外という順番で来た法則性が変わり、カカトの外側→カカトの内側という順番になります。

これで7箇所とカカトの位置決めのクギを打ちましたが、すでにアッパーにはシワもなくほぼ靴の形にキレイにラスティングの基礎が出来上がっています。

ラスティング

そして、この後につま先から細かくクギを打つという流れになります。

この時に、どれくらいの力で革を引いているのかという質問を時々受けることがありまして、言葉で説明するのは非常に難しいのですが、私の力でほぼMAXに近いくらいとお答えしています。

今使っているピンサーに変えて、だいぶ楽になりました。

この作業を女性の方がやるとなると、続けて2足とか3足というのはかなり難しいのではないかと思うくらいの力です(もちろん個人差がありますので、あくまでも例えです)。

私もまとめてラスティングという日は、休みながらじゃないと結構厳しいです。

それくらい大変な作業なのです。

 

10月までのイベント情報:

9月4日(日) Rifare自由が丘店さんにて、恒例の計測&オーダー会開催 (無理言ってスケジュールを変えていただきました。すみません)

一部のお客様から、ビジネスモデル用のラスト#SRFのご注文の再開のご希望をいただきましたので、9月4日(日)のRifare自由が丘店さんのイベントの1日だけラスト#SRFのオーダーを再開いたします。

ご注文を逃してしまったというお客様、ぜひこの機会にご注文ください。

デザインは、オックスフォード以外でもOKです。

9月9日(金)~11日(日) コージ製靴新潟工場さんの、ファミリーセールに出品します。

久しぶりのコージ製靴さんですが、今回はグッドイヤーウェルテッドのチャッカブーツ(黒)を出品する予定です。隠し球もあります。「ブログ観たよ」とお申し出ください。

10月1日(土)~2日(日) 神戸三宮 SUNさんにて、恒例の計測&オーダー会開催。今回は、SUN特別仕様のこだわりいっぱいのチャッカブーツ(ダークグリーン)を用意していきます。こちらは数に限りがありますので、お早めにお越しください。13時オープンです。

 

シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。

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