作り手によってやり方はいろいろあるかと思いますが、ヒールを取り付けたら靴の内側からクギで補強します。
その時に、私はこのようなクギを使います。
これはマシンネイルと呼ばれるもので、長さは23㎜のものです。
いろいろあるクギの中で、マシンネイルが最も強度が出そうなので、これを使っています。
ですが、その分修理などで抜くときはとっても大変です。
今日の作業では、完成間近のサイドゴアブーツにこのクギを打ちました。
このクギを打つ際に、最も簡単なのがシューズで、次はギブソンブーツなどの比較的長めのブーツが来て、その次はチャッカブーツで、このサイドゴアブーツは非常に打ちにくい部類になります。
なぜかというと、クギを打つハンマーの先が届かないからです。
このような細身の専用のハンマーがありまして、通常であればこれで打ちます。
ギブソンブーツだったら、タンをちょっと折り曲げて前側からアプローチして打てば問題ありません。
でも、サイドゴアブーツはそれができないのです。
なので、このような磁石がついた専用の打ち具を使います。
この打ち具が素直にまっすぐに進んでくれれば問題ありませんが、まれにまっすぐに力がかからないと、クギが靴の中で曲がってしまいます。
そうなったらもうだめなので、抜いて打ち直しです。
そうやって、なかなか面倒な作業ではありますがこのようにクギを片足につき10本打っています。
ちなみに、この靴はブラックラピド製法で作っているので、インソールにマッケイを縫った形跡が見えます。
このサイドゴアのシリーズをご注文いただいたお客様、もうすぐ完成いたしますので少々お待ちください。
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