ハンドソーンウェルテッドの靴では、ウェルトをぐるりと一周縫うやり方(ダブル)と、カカトの周りだけはウェルトをつけないでヒールを小さくするやり方(シングル)という、2つの方法があります。 こちらの靴がシングル仕様のものです(製作途中ですみません)。 こんな感じで、ウェルトが途中で終わっていて、ヒールは小さめなものがついています。 繰り返しになりますが、この靴はまだ製作途中のものなので、仕上げもしてなければコバのポリッシュもしていません。 フォーマルなイギリス靴と言えば、有名なブランドものだとむしろこのシングル仕様モノの方が多いのではないかと思うほどです。 ぐるりとウェルトを一周縫うダブル仕様は、つま先だろうがカカトだろうがリブにウェルトを縫い付けているので構造的なことはなんとなくイメージができると思いますが、このシングル仕様はというと、じつはいくつかの手法があります。 そのなかで、私たちシューリパブリックの靴は、基本的なグッドイヤーウェルテッドの靴と同じクギ+接着で留める方法です。 クギの頭が10個見えるのは、内側からヒールを留めているものなのでそれではなく、その周りにクギの先のようなものがちょっとだけ見えているのが分かりますでしょうか? これは、ラストの底面に鉄板がついていて、外側(ソール側)からクギを打つと先が鉄板に当たって曲がって抜けなくなるということを利用してヒールシートを留めているわけです。 ちなみに、この靴にはクギの頭が見えている10本のクギを除いて、ヒールシート側から片足につき27本のクギを打っています。 カカトのラスティングで9本、ヒールシートの固定のために9本、そしてこの仕様はカカト周りにだし縫いがかからないのでソールを留めるために9本、さらにこの頭が見えている10本のクギもインソールとカカトの積み上げをしっかりと留めているので、結果的にヒールシートをサンドウィッチにして固定していることになります。 クギ使い過ぎです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読む野菜の王様は大根。 アイスクリームの王様はバニラ。 電車の王様は新幹線。 お刺身の王様はマグロの赤身。 私は往々にしてそんな感じで何かの王様を無意識に選んでいます。 おにぎりの王様は梅干しで、サンドウィッチの王様はハムチーズサンド。 高速道路の王様は東名高速で、ジャムの王様はイチゴジャム。 なんとなくわかっていただけるのではないかと思います。 そんな中で、靴の王様は間違いなくギブソンシューズです。 靴のデザインは、ギブソンとオックスフォードが双璧をなしているのですが、やや線の細いオックスフォードに対してやはり王様はギブソンと私は勝手に思っています。 昔、私が靴の勉強の為にイギリスのノーサンプトンにある靴の学校に入って初めのころの授業で、靴のビッグ2がギブソンとオックスフォードという話を聞いた記憶があります。 正確に言えば、クラシックシューズのデザインはギブソンとオックスフォードに分かれるということだったと思うのですが、言わんとしていることは同じです。 ギブソンとオックスフォードは、生い立ちなどを調べてみるといろいろと出てくるようですが、今ではちゃんとギブソンもオックスフォードもそれぞれのカテゴリーを形成していて、ビッグ2にふさわしい立ち位置にあると言えます。 そのうえでこのギブソンシューズはお仕事で使うこともできますし、少々カジュアルな服に合わせることもできるなど守備範囲が思いのほか広く、その辺りも王様と思わせるゆえんではないかと思っています。 ちなみに、ギブソンシューズとオックスフォードは全く履き心地が異なるということをご存じでしょうか? オックスフォードの場合、ハネの前端は縫ってあるためにV字に開くのに対して、ギブソンシューズの場合はハネが比較的自由に開くことができるという構造上の違いがある為、 オーダーメイドで足に合っているという前提で考えると、オックスフォードは固定された革で足を押さえるのに対してギブソンシューズはヒモで押さえるという理屈になります。 靴の中で足がズレにくいのはオックスフォードですが、体調の変化で足の形が変わりやすい方はギブソンシューズの方が調整範囲が広いというメリットがあり、お好みも含めて一長一短と言えます。 既製品だと、そもそもが足に合っているという前提ではないので、調整範囲が広いギブソンシューズの方が合わせやすい印象があるかもしれませんが、その辺りは既製品とオーダーメイドの違いと言えます。 このギブソンシューズは懐の深い印象があり、やはり靴の王様と言って差し支えないと思います。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読むタイトルそのままなのですが、オーダーメイドの靴を作る際に革選びは非常に大切です。 もちろん見た目や雰囲気の好みもあるでしょうし、フォーマルな雰囲気に仕上げたいのならスムースのツヤがある革などというように、方向性によっては革が決まってしまいますが、 たとえばフォーマルでは履かないとか、お仕事でもスーツは着ない、もしくはスーツでも職場がそれほど堅苦しい雰囲気ではないという場合に、履き心地の良さを求めるのであればこの革をお勧めします。 それは・・・、 シュリンクの革です。 特にこの革のような少々オイルを含んでいるシュリンクの革は、革そのものがしっかりとしているのにしなやか、つまりしっかりと足をホールドしてくれて安心感があるのに優しい履き心地になるという、2つの相反する条件をクリアするようなものなのです。 適度に柔らかいという革は、たとえばフルブローグなどのパーツがたくさん重なるようなデザインでも優しい履き心地になるます。 シュリンクが嫌いでなければこれは是非試していただきたい革です。 そして、そんなシュリンクの革を使って作るおすすめのデザインのひとつが、このチャッカブーツです。 ブーツは、足首までホールドしてくれて、歩いていてまず安心感が違います。 それに、ちょっとだけ特別感があって、履いていて楽しいですよね。 チャッカブーツのほかにも、ギブソンブーツなどもありますので、デザインはお好みでお選びください。 ギブソンブーツの派生モデルとして、フルブローグやセミブローグもあります。 それらもまた独特な雰囲気があって、とっても格好良いです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読む今製作中の靴たちです。 ウェルトが終わり、ソールを貼ってだし縫いの前のところまで来ています。 ところで、シューリパブリックでオーダーしてくださるお客様は、私たちの靴に何を求めているのだろうと考えた時、ほとんどのお客様はフィッティングと歩きやすさを求めてきてくださっています。 オーダーメイドでは、極端なことを言ってしまえばデザインはなんでもいけるわけですし、何か凄い奇抜な色に仕上げることもできます。 更には、世界に1足しかないようなクレイジーパターンで作ることもできるのですが、そういうものを求めていらっしゃるお客様はほとんどいません。 既製品の靴では足が痛くなってしまって、靴選びで困っているというお客様や、立ち仕事なのでどうしても疲れにくい靴が必要だという方が非常に多く、ぱっと見は普通の靴というご注文が非常に多いです。 中には、かつての東日本大震災の時に長い距離を歩いて帰ったという経験から、いつどんな時でも安心して歩ける靴を履いていたいという方もいらっしゃいます。 最近では、スーツのパターンオーダーがだいぶ手が届きやすくなってきていて、価格は吊るしのものとさほど変わらないので試しに買ってみたところ、身体に合っている服の動きやすさに驚いた方も多いと思いますが、 靴も同様で、足に合った靴は非常に歩きやすいし、長時間履いていても疲れにくいし、基本的に快適なのです。 世の中は昔に比べると文化的に成長していて、自分はこんなすごいんだぞと何かでわざわざ表現することに何のメリットもなくなってきているようで、だからこそ他人のためのモノ選びではなく自分の為のモノ選びが当たり前になっています。 なので、靴にしても服にしても時計にしても財布やカバンにしても、自分が好きなものや自分が使いやすいものを使うのが自然であり、そんな理由でそれぞれ個々に合ったオーダーメイドが必要とされているのだと思っています。 そういえば、昔は見栄を張って高級車を乗るのが格好良いみたいな時代もありましたが、最近はコンパクトカーで見た目は普通でも中身がギュッと詰まっているようなものが好まれますよね。 時代は見た目よりも実の部分を評価するようになったのでしょう。 喜ばしいことです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読むオーダーメイド靴の仕様を決める時に、デザインと革は非常に大きな要素になります。 私たちシューリパブリックでは、お選びいただける革をいろいろと在庫していまして、まずパッと見ていただくためにサンプルとしてカットした革をこんな感じで用意しています。 ただ、お客様に革を選んでいただく際に、これを全てお渡ししても迷ってしまうので、通常は私がおおよそのご希望をうかがったうえで、いくつが該当しそうなものをお選びし、その中からお客様にお選びいただくようにしています。 たとえば、黒のスムースの革と言っても、 こんな感じでいくつもありますから、ツヤとか肌目などのご希望をうかがったり、もしくはそれぞれの特徴をお伝えしてご希望に合ったものをお選びいただいています。 やはり革選びで靴の雰囲気は結構変わってくるものですから、お客様のご希望に少しでも合うように靴を作り上げたいと思っています。 ちなみに、倉庫の中には・・・、 こんな感じで、先ほどご覧いただいた革と、そのほかにも私がすっかり忘れているような革、そしてさらには隠し玉などもいろいろと在庫しています。 なので、革選びの際にはこんな革ありませんか?と一声かけていただくのも良いかもしれませんね。 ご希望にピッタリの革がひょっこりと出てくるかもしれませんので。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読むご縁があってデュプイのシャトーブリアンという、すばらしすぎる革が入荷して、せっかくなので企画商品で使わせていただきました。 なんとなくわかっていましたが、たくさんの方にご興味をお持ちいただきまして、非常ににぎやかに企画の受け付けを終えることができました。 皆さま、ありがとうございました。 ただ、今回の企画ではいろいろと条件が厳しくてそれに合わないという方もいらっしゃって、そのような皆様には申し訳ないなぁってずっと思っておりました。 とりあえず企画商品の受け付けがひと段落(現時点で来店待ちとなっている方もいらっしゃいますが)しましたので、あとは企画商品ではなく普通のオプション革としてお好きなデザインでご注文をお受けしたいと思います。 まだそこそこたくさんのお取り置きのご希望をいただいておりますが、それらを差し引いて現時点での在庫は以下のようになっております。 黒は、もうすでに製作に入っているものもありまして、実際にラスティングをしてみて革の雰囲気もだいぶ良くわかってきました。 そもそもがこのシャトーブリアンという革はアニリンの仕上げのようで、透明感のあるツヤがあるのが特徴です。 この雰囲気は靴になっても健在で、とってもキレイなツヤのある靴に仕上がります。 参考までに、革の裏側はこんな感じ。 この革は芯通しがされていないので、昔の革のようなざっくりとした重みのある良い雰囲気が感じられます。 次にダークブラウン。 ダークブラウンの色見は写真だとちょっとお伝えするのが難しいのですが、まぁまぁ濃いこげ茶と思っていただければよいと思います。 これくらい濃いこげ茶だと、ビジネス用にお使いいただくのも良し、ちょっと上品なカジュアルな靴としてお使いいただくのも良し。 お勧めのひとつとして、パンチドキャップのオックスフォードや、ダブルモンクストラップシューズ、もしくは思いっきりフォーマルに仕上げたギリーシューズなども格好良さそうです。 そして最後はブラウンです。 このブラウンは、写真よりも実物の方が少し落ち着いた色で、写真は実物よりも少し明るく写っています。 実物をご覧になったお客様は、皆さん口をそろえて・・・、 「思っていたよりも落ち着いた色。」 とおっしゃっています。 このブラウンは、トリッカーズのカントリーの雰囲気を狙っても良いですし、もしくはキレイ目のカジュアルとしてチャッカブーツなどを作っても格好良いと思います。 思いのほか使い勝手が良さそうな色だと思います。 ともあれ、デュプイのシャトーブリアンの在庫はこれで終了となります。 この機会にちょっとイイ革で作っておきたいという方は、ぜひこの機会にご検討ください。 革のオプション費用は、4,400円となります。 お取り置きをご希望の方は、3か月までお取り置きをさせていただきます。 これらの革は完売いたしました。 ありがとうございました。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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