ハンドソーンウェルテッドの靴では、ウェルトをぐるりと一周縫うやり方(ダブル)と、カカトの周りだけはウェルトをつけないでヒールを小さくするやり方(シングル)という、2つの方法があります。
こちらの靴がシングル仕様のものです(製作途中ですみません)。
こんな感じで、ウェルトが途中で終わっていて、ヒールは小さめなものがついています。
繰り返しになりますが、この靴はまだ製作途中のものなので、仕上げもしてなければコバのポリッシュもしていません。
フォーマルなイギリス靴と言えば、有名なブランドものだとむしろこのシングル仕様モノの方が多いのではないかと思うほどです。
ぐるりとウェルトを一周縫うダブル仕様は、つま先だろうがカカトだろうがリブにウェルトを縫い付けているので構造的なことはなんとなくイメージができると思いますが、このシングル仕様はというと、じつはいくつかの手法があります。
そのなかで、私たちシューリパブリックの靴は、基本的なグッドイヤーウェルテッドの靴と同じクギ+接着で留める方法です。
クギの頭が10個見えるのは、内側からヒールを留めているものなのでそれではなく、その周りにクギの先のようなものがちょっとだけ見えているのが分かりますでしょうか?
これは、ラストの底面に鉄板がついていて、外側(ソール側)からクギを打つと先が鉄板に当たって曲がって抜けなくなるということを利用してヒールシートを留めているわけです。
ちなみに、この靴にはクギの頭が見えている10本のクギを除いて、ヒールシート側から片足につき27本のクギを打っています。
カカトのラスティングで9本、ヒールシートの固定のために9本、そしてこの仕様はカカト周りにだし縫いがかからないのでソールを留めるために9本、さらにこの頭が見えている10本のクギもインソールとカカトの積み上げをしっかりと留めているので、結果的にヒールシートをサンドウィッチにして固定していることになります。
クギ使い過ぎです。
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