群馬県の草津温泉に行くと、「湯もみ」というのがあるのをご存知ですか?
湯もみとは、湧き出る温度が高い温泉のお湯を水でぬるくすることなく、板を使って湯をもみ、入浴できるくらいの温度まで下げることだそうで、
「草津よいとこ一度はおいで~」
という歌とともに湯もみをやっているのを見たことがあります。
その湯もみと直接的な関係は全くありませんが、革ももむことで質感を変わるということを以前に革屋さんに聞いたことがあります。
やり方は様々で機械を使って、やる方法もあればイメージする通りの手作業でやる方法もあります。
今回、私はちょっと試しに手作業でやってみました。
こちらの革は、元々の厚さが2.2㎜ほどありましたが、型押し加工をしたことでこの状態で2㎜ほどになっています。
結構硬くてこの状態のまま靴を作るのはかなり大変そうですし、こんな硬い革だと履く方も大変そうです。
こうして見てみても、もうゴワゴワです。
それを、
こんな風にもんでほぐしてみると、だいぶ革の質感が変わり、最初の状態からするととってもしなやかになりました。
革そのものがかなりの厚みがあるのでしなやかになったからと言って頼りないなんてことはありません。
イイ感じにしなやかになって、履く前から少し履き込んだような感じになっています。
それに、色味もとっても鮮やかになってキレイです。
これくらいの硬さなら、ラスティングに支障がありませんし、きっと靴になった時にイイ感じに包まれ感を感じることができそうです。
この革もみ加工ですが、どんな革でもできるもののやったところでメリットのない革もあります。
今回の革は、元々の硬さがあって厚さもあって、それがイイ感じに変化してくれたのでこの加工の意味があるわけですが、普通のスムースの革などは表面が汚くなってしまうこともあります。
硬くても薄すぎる革だと、ちょっと頼りない感じになってしまうこともあります。
なので、今回試した革は革もみに非常に適した革だったのでした。
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