靴のクギ穴の話と言えば、よく聞くのがカカトの履き口近くにあるアレですよね。
この靴では、ドッグテイルのすぐ下のところに空いています。
作る側もなるべく目立たないようにという気持ちでやっていますが、デザインによってはどうしても目立ってしまうこともあります。
この穴は、決してプライスタグのヒモを通すための穴ではありません。
ラスティングの際にこうしてカカトが落ちてこないように仮留めをするためのクギの穴です。
キレイなアッパーに穴を開けてしまうというのはやっぱり心苦しいですよ。
でも、それよりもしっかりと靴を作ることの方が大切なので、結局はこのようにカカトの所にくぎを打ってアッパーを仮留めしています。
じつは、靴にはそのほかにもクギを打って穴を開けていることろがたくさんあります。
例えばここ。
インソールを仮留めする時に、片足につき3~4本のクギでインソールを仮留めしています。
私の場合は、片足につき4本のクギで留めています。
また、もうすでに写真に見えていますが、手作業でラスティングをする際にはアッパーをクギで仮留めする必要がありまして、
こんな感じで端をグルリと一周クギを打っています。
これに関しては、機械でラスティングをした靴はクギではなく接着されているケースが多いのでこのラスティングのクギの穴はありません。
ただ、似たような穴が空く作業がありまして、ラスティングよりもずっと前で、加工前のインソールを濡らしてラストに打ち付けてラストの反りに合わせる時にクギを打って仮留めします。
クギを打つ位置も、ラスティングの時と大体同じような位置になりますが、その穴がラスティングの際のモノか、もしくはインソールのクセ付けの時のモノかを見分ける方法があります。
それは、ラストのクセ付けの時のクギは、濡れているインソールに打つので黒っぽい錆のような跡が見られます。
つまり、穴が黒っぽくなっていればインソールの癖付けの穴で、キレイなままであればラスティングの時の穴ということになります。
ちなみに、私ちゃちシューリパブリックの靴の場合は、インソールの癖付けの時もラスティングの時にもクギを打っているので、黒い錆の穴とキレイな穴が混在しています。
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