靴に興味を持っている方は、きっと革とかソールなど、比較的目につくものに関心をお持ちだと思います。
なので、今日はそこをあえて普段見てもスルーしてしまいそうな糸の話です。
靴のアッパーを縫う時に使っているのが、こんな感じの糸です。
こちらの糸はキングというブランドのモノで、素材はポリエステルです。
綿じゃないの?と思うかもしれませんが、ポリエステルの糸はとっても丈夫で使い勝手も素晴らしいのです。
たとえば、靴の履き口の糸がちょっと擦り切れてしまった場合、放っておくと少しずつほつれたところが広がって行ってしまうので、軽くライターであぶってあげると適度に熱で溶けてそれ以上ほつれなくなります。
ちなみに、これは上糸と言って革の表側に来る部分に使う糸で、下糸というライニング側に使う糸もポリプロピレンなどの化学繊維だったはずです(確認したところ、ビニロン100%でした)。
このキングのほかにもいくつかのブランドが存在していて、多少の甲乙はあるかもしれませんが、みんな非常にクオリティの高いモノです。
この糸は20番という太さで、番手の数字が大きくなるほど糸が細くなります。
男性用の靴の場合、私が知っている範囲では日本では20番とか30番あたりが多く、それよりも太い8番とか5番、0番、そして00番というものは、飾りの部分に使うことが多いように感じます。
あまり糸の太さが太いと、ミシンで縫った時にしっかりと締まらないため、このような使い分けになっています。
見た目に関しては、この20番糸よりも30番糸の方が繊細な感じだったり、もしくはドレッシーな感じに見えます。
というのも、糸が細くなるとそれに従ってミシンの針も細くなり、針のピッチも細かくできるので、繊細に見えるという理屈です。
ということは、繊細さよりも丈夫さを追求している私たちシューリパブリックは、やはり20番の糸が適しているということになりますね。
このギブソンブーツも、
このオックスフォードも、20番の糸を使っています。
ですが、ただ20番の糸を使うだけでは面白くないので、ミシンのハリは斜針と言ってメスが斜めに入るタイプのモノを使っていまして、そのせいでステッチが昔のミシンのようにちょっと雰囲気のある仕上がりになっています(と思っています)。
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打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
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