今日は、仕事が終わってからちょっとだけ抜き型を使ってブックカバーを作りました。
これに関しては、いろいろと説明しなくてはいけません。
まず、抜き型とは何かといいますと、例えばクッキーを焼くときに型で抜いて作るのと同じ要領で、革を裁断するための型です。
それが、上の写真の抜き型です。
これでどうやって革を裁断するのかと言いますと、
専用の機械があります。
クリッカーという機会で、このテーブルの上に革と抜き型を置いて、この機械で「バン!」と抜いてしまうわけです。
当たり前ですが、革が裁断できるくらいの力なので、もし間違って指でも置こうものなら、一瞬にして指がなくなってしまいます。
それくらい危険な機械なので、安全装置はあるものの、気を引き締めて取り扱わなくてはいけません。
こんな感じに抜き型を置いて・・・、
作業は両手を使うので写真を撮ることができません(セルフタイマーを忘れていました)。
裁断が終わるとこんな感じです。
抜き型の通りに一瞬で裁断してくれるので、とっても便利です。
これらがブックカバーを作るのに必要なパーツです。
一番上の四角は、ブックカバーが箱に入ってしまった後にどんな革で作ったのか見ていただくための革サンプルです。
そもそも、なぜ今ブックカバーを作り出したのかと言いますと、
先日もお伝えしました通り11月に愛知県の一宮市でイベントがありまして、その際に販売するためです。
いやいや、ブックカバーで儲けようということではなく、日頃靴を作っていると中途半端に残ってしまう革が結構ありまして、
靴1足分には足りないけれど、ちょっとしたモノなら作れるくらいの革で、
それこそ結構良い革もたくさんありまして、捨ててしまうのはもったいないので、
少しでも何かに使えればという理由でブックカバーを作ることにしたのです。
こういうものは、なるべく手間をかけずにつくりたいので、抜き型を作りました。
それなら、普段の靴づくりの仕事もどんどん抜き型を作ったほうが手間がかからないと思いきや、
まずオーダーメイドで靴を作るときには、同じ形のモノを裁断することが意外と少なく、それらはすでに抜き型を作ってありまして、カカトの積み上げとかインソールの粗断ち用とかつま先やカカトの芯など、本当に限定されますし、
この抜き型が思いのほか高いので、今回のブックカバーにおいては損益分岐点を考えてしまうと、何十個ということになってしまいます(なので考えないことにします)。
ちなみに、この革はインカスのNortonという革で、とっても人気の革でしたが残っているのはこれだけですから、靴を作ることはできません。
インカスの革はほかにもあるので、それらでいくつか作るつもりですし、Russoの革も、Tempestiの革も、
こんな時が来るだろうと思いまして、良さそうな革はちゃんと保管しておいてたくさんありますから、いろいろな革で作れそうです。
こちらは、Juteというイタリアの革で、縦横の模様が特徴の革です。
ヌメ革の風合いがとってもステキで、実物を一度ご覧になっていただきたいと思っております。
中には、以前にこの革で靴を作ったというお客様もいらっしゃることでしょう。
そんな方は、靴とブックカバーとおそろいの革というのも素敵だと思います。
そうそう、来週の週末には神戸のSUNさんにお邪魔する予定なのですが、もしその時に指定の革でブックカバーを作ってきてほしいという方、いらっしゃいましたらメールでご連絡ください。
全ての革があるわけではありませんが、あるものであれば作ってお持ちいたします。
ブックカバーですので、あまり厚い革では使いにくくなってしまいますから、薄い革をお勧めします。
ちなみに、このブックカバーは文庫本サイズで、価格は4,000円(税別)の予定です。
シューリパブリックの工房においては、いくつか作って用意しておきます。
ご興味のある方、ぜひご覧ください。
★★★お知らせ★★★
【 お知らせ 1 】
11月に愛知県一宮市にてイベントを開催します。
日頃から自らの手で作り出している実践的なクリエーターが集結して、パフォーマンスや商品の販売をします。
詳細はコチラをご覧ください。
【 お知らせ 2 】
9月30日(土)と10月1日(日)に、神戸三宮のSUNさんにて、靴のオーダー会のイベントを開催いたします。
なかなか埼玉のシューリパブリックの工房までお越しいただくのが難しい方、オーダーのチャンスです。
どんな靴を作っているのか、見にいらしていただくのも大歓迎です。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。