カメラのハナシ

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かつて私はカメラと言えばキャノン派で、他のメーカーのカメラを使うなんてあり得ないくらいに思っていました。

ところが、何かのきっかけでペンタックスのカメラで撮った写真を見て、その写真はキャノンのものと比べてグリーンがはっきりしていて、すべての色がこってりしていて、主張が強く、それでいて懐かしいような要素もあって大変すばらしく、それでもうすっかり考え方が変わり、というよりこれが自分が求めていた写真だと気づき、すべて機材を買いなおしたことがありました。

本当に一目惚れでした。

2011年ころのことで、その当時はペンタックスのカメラだとK-5というモデルが最新でしたので、たまたまそのスペシャルバージョン的なものが発売されたばかりでそれを買ってずっと使っていました。

その後、何年か経って新しいK-3というモデルが発売し、ただどうにも値段が高くて買えなかったのですが、少しずつこなれてきたタイミングで頑張って買いまして、その後はしばらくこのK-3をメインに使っていました。

ただ、ペンタックスのカメラを使っている方はご存知だと思いますが、ペンタックスは発色が素晴らしいことと引き換えに動いているものにピントを合わせるのが苦手とか、ホワイトバランスが暴れやすいとか、さらにはツルンとしている(例えば革など)にピントが合いにくいという欠点があり、それでもペンタックスの画が大変好みだった私は、さらに数年後に新しいKPというモデルを購入し、この辺りに来てかなり不満が少なく撮れるようになりました。

実際、このKPというモデルは今でも活躍してくれていて、もう今からすれば6年も前のモデルですがその古さをあまり感じません。

カメラって、いやカメラに限らず機械などはすべてそうなのかもしれませんが、新しいものはそれなりに優れているところがあって、ペンタックスのカメラの場合は少しずつピントが合うまでの時間が早くなったり、変な迷いが無くなったりしていて、確かに進化を感じることができますが、実際に出てくる画はどれもペンタックスのこってりとした画に変わりなく、良くも悪くもペンタックスだと感じられるものばかりなんですよね。

そして、数年前にK-1 markⅡというフルサイズのモデルと、K-3 markⅢという最新のモデルが発売され、今ではこの2機種がペンタックスのフラッグシップモデルとして頂点にあります。

じつは私はこれらが発売した頃からとっても欲しかったのですが、欲しいのと裏腹にどうしても買えない、それは金銭的なことではなく恐れ多いというか自分なんかにというか、それらは私なんかが触ってはいけないものと感じていたのです。

いやいや、単なるカメラですし、メーカーにすれば1台でも多く買って欲しいはずですし、普通に考えれば買えるのなら買っても全然悪いことではないとなるはずなのですが、しばらくの間私は恐れ多いという気持ちでそれらのフラッグシップを買うことができなかったのです。

そんなこんなで時間が過ぎまして、今年が私たちシューリパブリックの創業20周年なのですが、もうこれはこのタイミングで買うしかないと思い、20周年ということを理由にやっと買いました。

念願のK-1 markⅡです。

他にも理由をくっつけて、5年後を考えた時これまでメインにしていたKPを10年以上も使い続けられないのではないかと思えたことや、今ここでK-1 markⅡを買わなかったら数年後になくなってしまうか、もしくはモデルチェンジして買えないほどの価格になってしまうだろうということで、意を決したのです。

結果、K-1 markⅡは思っていたほど遠いものではなかった。

ギリーシューズ

上の写真は、そのあたらしいK-1 markⅡで撮ったものですが、私が思っていた以上にわからない部分の進化がすごいというのが実感です。

陰になって真っ黒になってしまいそうなところも、ギリギリがんばってくれたり、シャキッと表現してくれたり、細かいことを言えばキリがありませんが。

そう言えば、以前にあるお客様が言っていた名言があります。

「技術がないのなら、機械や道具に頼る。」

確かにと思いました。

そしてもうひとつ、実際に買って使ってみて、思っていたほど高いハードルではなかったと感じました。

使いこなせているかと言われれば、そりゃ全然まだまだですが、オートモードでも何でもよいからどんどん使っていくと、このカメラのことがわかってくるのだろうなぁって思っています。

欲しいものがあるのなら、元気なうちに買って使っておこう。

食べたいものがあるのなら、元気なうちに食べておこう。

会いたい人がいるのなら、元気なうちに会っておこう。

行きたいところがあるのなら、元気なうちに行っておこう。

歳を重ねても、学ぶことは多いです。

お知らせ

★7月26日(水)から8月4日(金)まで私たちシューリパブリックは夏季休暇となります。

★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。

★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。

★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。

★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。

★また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。

★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。