私たちシューリパブリックで製作している靴は、実のところ重さは結構重い部類に入ると思います。
とは言え、ワークブーツなどに比べれば全然軽いわけですが、標準的な革靴よりは多少重いような気がします。
そんなわけで、ちょっと計測してみたところ、
この工房にあるグリーンのギリーシューズで、
だいたい690グラムほどでした。
確かに平均的な革靴に比べるとちょっと重いかもしれません。
トリッカーズのカントリーブーツと同じくらいと言えば想像がつくかもしれませんね。
私たちシューリパブリックの靴が重い理由は、ソールではないかと言われることもありますが、
こんな感じでダイナイトを計測してみたところ、
130グラムほど(はかりに対して軽いものを計測しているので誤差があるかもしれません)でした。
ダイナイトソールは、縫い付けてからトリミングをするのでこれよりも若干軽くなる一方、カカトのトップピースが計算に入っていないので、ソールとトップピースでだいたいトータルで200グラム弱だと思います(トップピースを計測してくるのをすっかり忘れました)。
そうなると、靴の約30%をソール関係で占めているということになりますが、もしこれがビブラムであったり他の合成ゴムのソールであったとしても、重さはそれほど大きく変わらないのではないかと思っています。
では、残りの約70%は何なのかということですが、実際に重量に影響を及ぼしているのはインソールと補強のパーツ類です。
インソールは、グッドイヤーウェルテッドの3ミリ厚の革に比べて倍以上の厚さの革を使っていることや、靴の剛性を高めるために入れている補強材がそこそこ多くて、これらが靴の重量を重くしていることはほぼ間違いありません。
というよりも、靴の剛性を高めるという目的と、カカト側に重心を近づけるという目的で、結果的に重くなっているというのが正しいかもしれません。
これまでお客様から靴のご注文をいただいて、完成した靴を持っていただくと重いと言われながら、実際に履いていただくと重さは感じられないというご感想をいただいていたので、この重さ自体はさほどマイナス要因にはなっていないはずで、むしろ補強が十分に入っていたり重量配分が良かったりしたことで歩きやすいというご意見をいただくことがほとんどでした。
これはこれで良いのですが、それでは対応できないケースもあります。
じつは、あるお客様から新たな靴のご注文をいただきまして、その方は訳あってどうしても軽い靴じゃないといけないという状況なのです。
これまで靴のことで苦労されていて、他の靴屋さんで対応していただけなかった、もしくは納得のいくものができなかったということで私たちのところにお声がけいただいたのですが、今回のこのお客様の靴製作に関してはこれまでのシューリパブリックの商品コンセプトを大きく変えて作らないといけないのです。
プライドとか実績とか、そういうものは私はどうでも良くて、今回はこのお客様が希望される靴をしっかりと作るつもりでいるのですが、剛性が十分にあって安定していてしっかりと補強も入っていて、そのうえで軽くて重い靴。
この軽くて重いというもが難しいところなんですよね。
軽く感じるのではなく、実際に軽くて、でもって安定するほどの重さが必要なんです。
ウレタンやEVAのソールだと滑りやすいことが多いので、やっぱるソールは合成ゴムが良いだろうなぁ。
耐摩耗もほしい。
妥協しないで、私もお客様も納得できる靴が作れるように、しっかりと考えてみます。
新たな挑戦の第一歩といったところでしょうか。
ちなみに、今回のこのご注文は裏メニューです。
いわゆるハンドソーンウェルテッドのメリットを生かした靴ではなく、主に既製品では形が合わないという問題をクリアすることを主な目的とした靴で、靴で困っているお客様のためにこんな靴を並行してもっと作っていきたいと思っています。
★★★お知らせ★★★
★ご注文を受けつけておりました今期の旅チャッカは、完売となりました。ありがとうございました。
★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。
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ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
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