普段やっている作業は、基本的に同じことの繰り返しなので、作業のことに関して書くのであれば、まぁだいたい同じようなことが何度か出て来ます。
でも、伝えたい人に伝わっていないことがたくさんあるので、今日も以前と似たような内容になりますが書かせていただきます。
今日は、ラスティングの日。
ラスティングとは、つり込みの作業のこと。
ミシンが終わったアッパーを、ラストにのせて靴の形にする作業です。
ラスティングは、ただ革を引いてつり込めば良いというわけではありません。
大切なのは、革を引く力と方向、そして全体的なバランスです。
今日は特に間違って伝わりがちな土踏まず部分のラスティングに関して書いてみます。
土踏まず部分のみ、まだラスティングが済んでいない状態。
アッパーは、まだラストにピタリと密着していません。
私の親指あたりの、アッパーのへこみ方でお分かりになると思います。
土踏まず部分は、こちらの方向にかなりの力で引きます。
引いた時には、アッパーはラストに密着するくらいの力で引くことが必要。
さらに、隣にクギを打つためにもう一度引きます。
くりかえしになりますが、引く方向と力が重要です。
もう、この時点ではアッパーは完全にラストに密着しています。
クギが打ち終わりました。
アッパーがしっかりとラストに密着しているのが、私の親指のあたりを見ればお分かりになると思います。
ちなみに、このラスティングの時のクギを打ち込む角度も、どれくらい引くのかということに関係します。
というのも・・・、
このようにクギを内側に倒すのですが、
ラストの底面に対して垂直にクギを打てば倒す角度は90度ほどですのでさほど引かれませんが、
ラストの底面に対して外から60度くらいで打ち込めば、120度くらい倒すので90度の時と比べてクギを倒すときにアッパーをより多く引くことになります。
ほんの僅かなことと侮るなかれ、これが結構重要なことなのです。
ピンサーで引く力+クギを打ち込む角度の合計が、自分が狙っているアッパーの引き具合になるように計算して作業を行います。
靴作りは、理屈がいっぱいです。
次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。
さらに、翌週の12月11日(日)には、Rifare恵比寿店さんにてイベント開催の予定です。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。
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