と言っても、比較をするわけではありません。
先日、長野へ出張に行ったときのことですが、予想通り早く着いてしまって観光の時間(単に時間をつぶすだけのことですが)が長かったため、背負っていたリュックの重さでどっと疲れてしまいました。
そもそもが私の荷物が多すぎるだけの話なのですけど。
その日はクルマで行ったので大きな荷物はクルマの中に残し、最低限必要なものだけをもって散策していました。
最低限必要なものとは、お財布、小銭入れ、スマホ、携帯電話、手帳、カメラ(ミラーレスの小型のヤツ)、スペアバッテリー、免許証が入ったパスケース、ハンドタオル、ウェットティッシュ、モバイルバッテリー、ペットボトルのお茶・・・。
あと、懐中電灯も常時携帯しています。
そうなると、やはり荷物が重くなり歩くのが辛くなります。
これを何とかしたいと思いまして、リュックではなく大きめのショルダーバッグにしてみたらどうかと考えてみまして、空き時間にリサーチしてみました。
が、なかなかこれというモノがなくていまだに決まりません。
電車で行く出張の時には、さらにこのほかにパソコンが加わるため、重さ対策は何とかしないといけないと常に思っていました。
そんなわけで、今の私のアテンションはカバンに向いています。
カバンは、靴のようにサイズがないため、気に入ったら買えばよいのですが、実際はそう簡単なものではなく、微妙な大きさの違いや素材、作りなど、要素がたくさんあってなかなか決まりません。
使う目的は出張の時にたくさん荷物を入れて快適に移動できることですが、キャリーバッグなどは除外して自分で持つか背負うか何かそんな感じのモノというのが条件になります。
途中、カメラバッグを見てみたり、ツールバッグを見てみたりしましたが、やはり思ったようなものはありません。
それに、値段がピンキリで、これまでの経験から安いバッグは素材が良くなかったりつくりが良くなかったりして、ほぼ目的を果たすことができないと思って良いはずです。
だからと言って高ければよいわけではなく、
例えば私が普段使っている2つのリュックを比べたときに、
TIMBUK2のリュックはちょっと価格が安かったり、もしくはAmazonで安く販売されていたりする時もあるのですが、内側のつくりが雑で頻繁に裁断面の糸がほつれていきます。
対してパタゴニアのリュックはTIMBUK2よりもちょっと高く内側のつくりがまぁ丁寧で、ほつれていくようなことはありません。
一方、私が持っているkeltyのバッグは値段の割に非常にしっかりと作られていますし細かい部分の作りもしっかりしていますが、そのしっかりが仇になってかなり重いのです。
何となく同じようなラインナップを持っているメーカー同士でも、そのコンセプトによってつくりが良かったり悪かったり、素材が良かったり悪かったりするので、
そのメーカーの考え方や作りのレベルとしっかりと理解しておくべきだと思います。
もし私がカバンに詳しかったら、パッと見ただけで良いとか悪いとか言えるのでしょうけれど、残念ながら私にはそういうことはできませんので、
実際に実物を見て、場合によっては使ってみてから判断することになるのでしょう。
カバンはTIMBUK2のショウダウンというモデルを大変気に入っていて、もうずっとこれを使い続けると思っていましたが、
それでは入りきらないこともあるので、やっぱりカバンはいくつか必要です。
さて、クツですが、
よくお客様から・・・、
「靴を作っているので、靴は買わないでしょう。」
と言われますが、いえいえそんなことはありません。
先日もこのブログで書きましたがウィンターブーツを買いましたし、作業の時用にスニーカーは定期的に買っています。
長靴など作れないものは買っています。
私は靴のマニアではありませんが、こういう仕事をするくらいですから靴は嫌いではありません。
先ほども書きました通り、ここ最近はカバンのことをリサーチしていまして、わからないこともありつつ結構似ている部分もあるなぁって思いました。
カバンもクツも、安いモノに良いモノはありません。
特に靴は、スニーカーなどナイロンや合皮を使ったものならアウトレットなどで安く販売されることもありますが、
革靴はきっと皆さんが考えていらっしゃるよりもずっと原価が高いので安くなりません。
安くなるのは、もうサイズがほとんどなくなってしまって販売力が低下していたり、もしくは何年も残ってしまっているような場合だと思います。
なので、ちょうどそのようなものがほしかったというのであればラッキーということになりますが、
そうではないのに安くなっているというケースは要注意です。
カバンもスニーカーも縫製工場で大量生産をして、スニーカーの場合はそのあとにソールを付ける工程はあるものの、原材料費も作業工賃もさほど高くないのに対し、
革靴は材料費が高く、製作の段階では天然素材を相手にするので機械で簡単にたくさん作ることが難しいのです。
あまりご存じないかもしれませんが、靴の工場の機械は工具が自動で動いている程度のものばかりで、スニーカーの工場の機械とはかなり異なります。
言い換えると、他人の力や技術を多用して生産しているわけです。
改めて考えると、私の場合はカバンを選ぶときにはデザインとか色や素材とか、まぁある程度個性が出るものを選びたいと思っていまして、
あまり地味なものだったり落ち着いたものを選ぶことは多くありません。
仕事柄スーツを着るわけではないということもあるかもしれませんが、やっぱりちょっとおもしろいものを選びたいと思っています。
それに対して靴の場合は(たぶん私以外にも同じような方がたくさんいらっしゃると思います)、どちらかと言えばベーシックで落ち着いた色のモノを選ぶことが多いです。
なぜだろうと考えたときに、そのあたりにカバンとクツの違いがあるのではないかと思いました。
男性の場合、腕時計、ネクタイ、カバン、そしてクツがその人の人となりを現すと言われていますが、
上に書いた順番で見た目(デザイン性)優先の序列ができているように思います。
カバンはデザイン性と機能性が半々くらい、
靴はデザイン性よりもちゃんと履けているかという機能性に重きを置かれていて、でも機能性からくる道具としての雰囲気はそれ自体が美しく見えるのかもしれません。
ということは、つまり足に合っている靴が良いということなのでしょうか。
仮定が多いですが、オーダーメイドの靴を作ってお客様に履いていただいていると、確かに足に合った靴をきちんと履いている方はちゃんとしているように見えます。
黒い靴をビシッと履くのも、とってもステキです。
★★★お知らせ★★★
①3月3日(土)と4日(日)には、長野市のIVY PRODUCTSさんにてイベントを開催いたします。IVY PRODUCTSにて開催するイベントは、今回が初めてとなります。足の計測、オーダーメイド靴のご注文をお受けするほかに、実際に靴を製作するパフォーマンスなども行う予定です。長野初のイベントですので、長野の皆様に仲良くしていただけるよう楽しいイベントにしたいと考えています。ぜひお越しください。
②3月18日(日)には、自由が丘のRifare自由が丘店さんにて、恒例の「足の計測会&靴のオーダー会」のイベントを開催します。都内や神奈川県にお住いの方、ぜひいらしてください。
③4月21日(土)には、大阪北堀江のRifare大阪店さんにて、恒例の「足の計測会&靴のオーダー会」のイベントを開催します。大阪近郊にお住いの方、ぜひいらしてください。
④4月22日(日)には、神戸三宮のSUNさんにて、シューリパブリックのハンドソーンウェルテッドの靴のオーダー会を開催いたします。神戸近郊の皆様、ぜひお越しください。
⑤出張用の靴のご注文を受け付けております。受付期間は、2月末日までです。詳細は、こちらを参照ください。
どのイベントも、オーダーするしないにかかわらず、靴に興味があるとか、靴のフィッティングに問題を抱えているとか、とにかく作り手である私たちに質問を投げかけたり、相談したりということも大歓迎です。
もしかしたら一緒に問題を解決ということになるかもしれませんが、何かしらお役に立てるのではないかと思います。
おばあちゃんが、ご近所のおうちの縁側にお茶を飲みに行くような感覚で、ぜひお気軽にお越しください。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。