
今日は水曜日で、私たちシューリパブリックの工房はお休みでした。 朝、TOKYO MX TV を観ていたら、「義足の図書館」に関する話を伝えていました。 じつは、私は少しの間ですが義肢関係の仕事をしていたことがありまして、その時の私の主な仕事は片麻痺の方が格好良く履ける靴の開発と試作でしたが、 義肢関係の商社だったこともあり、周りには義肢装具士の方もいたりして、いろいろと教えていただきながら仕事をしていました。 そんな経験もあって、この「義足の図書館」というテーマはちょっと気になりました。 サイトがありますので、興味を持った方はちょっと覗いてみてください。 この義足の図書館は、クラウドファンディングによって立ち上げたそうで、何十万円もする競技用の義足を1回500円で試すことができるのだそうです。 義足を必要とする方は、片足、もしくは両足を何かの理由で失ってしまった方で、普段使っている義足でもちょっとくらいなら走ることができるかもしれませんが、 スポーツとして身体を動かすにはやはり競技用の義足が必要だと言っていました。 ちょっと脱線しちゃいますが、私はテレビというとどうしても斜に構えて観てしまうクセがあって、ムリに感動を誘うような構成であったり、ちょっとの話をすごく膨らませていたり、 皆さんご存知だと思いますが視聴率を稼いでスポンサーさんからたくさんお金を出してもらう構図が見え隠れしてしまうため、話半分と思っています。 ただ、今回の義足の図書館は、確かにそういうものがあっても悪くないという内容でした。 特に、本当に必要とされている部分に国からの補助がないということを伝えていて、 これまで全く知られていなかったことが、少しでも知られることで、良い方向に動いていくきっかけになったらよいと思います。 さらに、今後の課題として言っていたのは、 今このような施設が東京にしかないため、競技用の義足を試すためには遠方に住んでいる方はわざわざ交通費と時間をかけてここまで来て試さなくてはいけないということ。 確かに、地方に住む方々にすれば、非現実的な話になってしまう可能性だってあります。 何とか良い方向に進むことを願っています。 じつは、靴に関してもまだまだ知られていないことがたくさんあって、生死にかかわるというほどではないにしても、私たち靴屋から見ると改善すべきことがたくさんあります。 まず、もっとも何とかしなくてはいけないと思っていることが、正しいサイズの靴を履いている方がとても少ないということ、もしくは正しいサイズに関してご存じないということ。 次に、靴のつくりに関して関心を持っていただけてないこと。 靴の良し悪しを判断する基準というと、 そのメーカーやブランドであったり、作っている国であったり、使っている素材であったり、いわゆるそんなスペック的な部分ばかりで、本当の良し悪しとはちょっと離れてしまっている部分です。 そうではなく、靴の良し悪しは次の2つです。 1、ちゃんと足に合っているか 2、ちゃんと作られているか この度合いをかけ算して出た結果のようなものです。 裸足で歩いた時よりも快適で安全で疲れにくい状態にするのが靴の役割です。 足に合っていなければ、歩いていて靴擦れができたりどこかが痛くなってしまいますし、 ちゃんと作られていなければ、長時間履いていると疲れたり蒸れてしまったり履いていて不快になってしまったりします。 でも、そんな靴を全員が履かなくてはいけないというわけではなく、履くか履かないかはその方個人が判断するわけで、選択肢としてそのようなものがあることをまず知っていただきたいのです。 「自分の足は、既製品の靴からするとこんなふうに合っていないのか。」とか、 「これくらいのことなら既製品でも我慢できる。」とか、 「自分はまず一度足に合った靴を履いてから判断しよう。」 という選択肢があるのです。 そんな情報は、なかなか入手することが難しいので、私たちはイベントを開催してお客様とお会いして、お客様の足に関して靴屋目線でお伝えしようというのが私たちが開催するイベントです。 オーダーしたいという方がいらっしゃれば、それはそれで嬉しいことですが、 それは一番の目的ではなく、まずは靴や足に関して知っていただくことがこのイベントの目的です。 前置きが長くなりました。 今週末に開催するIVY PRODUCTSさんでのイベントのために、靴のアッパーを作りました。 アッパーというのは、靴の上側の革の部分のことです。 世の中には革じゃないものもありますが、私たちの靴は革を使って製作します。 革を裁断して、重なる部分や折り込みの部分を薄く漉いて、 そしてミシンをかけて、 こんなふうに出来上がります。 写真で見ると簡単そうですが、このひとつひとつの工程にも隠れた技術があります。 また、インソールはこんなふうに加工してあります。 普段は端の部分もL字型に溝を彫るのですが、今回は通称Lストームというウェルトを縫い付けるような構造にしましたので、 ちょっと違うリブになっています。 まぁ、ラスティングの時にはあまり関係ないので気にしなくても良いかもしれません。 今回は、私は2日間ともラスティングを担当しますので、ぜひ楽しみにご覧になってください。 パフォーマンスの時間は、IVY PRODUCTSさんのページで発表になっていたようです。 私の方は、ほぼ準備は完了しています。 あとは、忘れ物をしないようにしっかりと確認をします。 そうそう、長野県内や近隣の地域からこのイベントに来てくださる方、もしクルマでお越しの場合は近くのコインパーキングをご利用ください。 近くにたくさんありますが、この地域ですと12時間で最高700円などと、天井が決まっているところもあれば、 そういう設定のないところもあります。 限度がないと、もしついでに観光をしていこうという場合に大変な金額になってしまう可能性もありますので、 ぜひ限度額が決まっているコインパーキングをご利用ください。 私が歩いて見てきたところ、12時間で700円というところが妥当かなと思いました。 それより安ければ良し、800円なら近ければ良し。 それを超えるとちょっと高いかなぁっていう感じです。 お時間のある方は、事前に調べてみてください。 そして、今日革の仕入れに行ってきまして、予定通りに行けば金曜日に革が到着しますので、 IVY PRODUCTSさんでのイベントが新しい革のお披露目になるかもしれません。 楽しみですね。 ★★★お知らせ★★★ ①3月3日(土)と4日(日)には、長野市のIVY PRODUCTSさんにてイベントを開催いたします。IVY PRODUCTSにて開催するイベントは、今回が初めてとなります。足の計測、オーダーメイド靴のご注文をお受けするほかに、実際に靴を製作するパフォーマンスなども行う予定です。長野初のイベントですので、長野の皆様に仲良くしていただけるよう楽しいイベントにしたいと考えています。ぜひお越しください。 ②3月18日(日)には、自由が丘のRifare自由が丘店さんにて、恒例の「足の計測会&靴のオーダー会」のイベントを開催します。都内や神奈川県にお住いの方、ぜひいらしてください。 ③4月21日(土)には、大阪北堀江のRifare大阪店さんにて、恒例の「足の計測会&靴のオーダー会」のイベントを開催します。大阪近郊にお住いの方、ぜひいらしてください。 ④4月22日(日)には、神戸三宮のSUNさんにて、シューリパブリックのハンドソーンウェルテッドの靴のオーダー会を開催いたします。神戸近郊の皆様、ぜひお越しください。 どのイベントも、オーダーするしないにかかわらず、靴に興味があるとか、靴のフィッティングに問題を抱えているとか、とにかく作り手である私たちに質問を投げかけたり、相談したりということも大歓迎です。 もしかしたら一緒に問題を解決ということになるかもしれませんが、何かしらお役に立てるのではないかと思います。 おばあちゃんが、ご近所のおうちの縁側にお茶を飲みに行くような感覚で、ぜひお気軽にお越しください。 シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。 スケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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