靴は、永く履いていただけるようにあちらこちらに補強が入っています。
とくにイギリス靴においては、これでもかと言わんばかりに徹底的に補強を入れています。
例えばギブソンシューズ(外羽の靴)の場合、負担のかかるハネの付け根のタブの部分は、革が5枚重ねで縫ってあります。
単に糸が切れたなら縫い直せばよいのですが、受け側の革が切れてしまうようなことになると修理が大変なので、
受け側の補強という意味も込めて、革が裂けないようにしてあります。
そのほか、補強と言って最も目につくのがこのドッグテイルでしょう。
シューズでもブーツでも、履き口の部分には脱ぎ履きの際に負担がかかるため、縫っている糸が裂けないようにこのような補強が入っています。
ドッグテイルという名称もかわいいですよね。
ところで、靴の後ろの縫い割りの両脇にステッチが入っているのをご存知でしたか?
拡大してみると、
こんな感じでステッチが入っています。
じつはこれも補強のひとつで、どのような仕組みになっているのかと言いますと、裏側を見れば一目瞭然です。
縫い割りのところにナイロンのテープを貼り、その両端にステッチをかけることで、推割が裂けるのをテープが補強している形になります。
この縫い方を「シルクシーム」と言います。
この場合、両端のステッチが非常に重要な役割を果たしていまして、ステッチがあるからこそ縫い割りがカッチリとテープで食い止められている状態になっているのです。
似たようなもので、両端のステッチが入っていない縫い方があります。
「ブルックリンシーム」と呼ばれるものですが、カカトのライニングの縫い割りなどでその縫い方を用いています。
どうしてステッチの入ったシルクシームではなく、ステッチのないブルックリンシームなのかと言いますと、
カカトのライニングは脱ぎ履きの際に表面が擦れるわけで、擦れるところにステッチがあるのは糸が切れる可能性があって好ましくないですから、
硬いスティフナーの内側ですし、引っ張られて避ける可能性も低いため、ライニングのほうはステッチなしになっていると聞いた記憶があります。
イギリス靴は、長期にわたって淘汰された結果ですので、ひとつひとつがちゃんと考えられており、非常に合理的な作りになっています。
★★★お知らせ★★★
【 お知らせ 1 】
10月26日(土)と27日(日)に、神戸三宮のSUNさんにお伺いする予定です。
お客様の足を計測させていただき、足の特徴や適した靴のサイズをお伝えしたり、
どうして既製品が合わないのかということについてその原因を究明し、対策を一緒に考えたいと思います。
また、私たちシューリパブリックのハンドソーンウェルテッドのビスポークシューズのご注文も承ります。
サンプルの靴やサンプルの革も持参いたします。
ぜひ、この機会にご覧ください。
靴に関するご質問もウェルカムです。
【 お知らせ 2 】
11月9日(土)と10日(日)に、Rifare大阪店さんにて恒例のイベントを開催いたします。
Rifare大阪店さんがグランフロントに移転して2回目のイベントとなります。
梅田の駅からすぐですので、ぜいお立ち寄りください。
詳細に関しましては、後日改めましてお知らせいたします。
【 お知らせ 3 】
11月17日(日)に、Rifare自由が丘店さんにて恒例のイベントを開催する予定です。
今回も、お客様の足の計測をさせていただき、靴選びのアドバイスをさせていただいたり、どうして靴が合わないのかを計測結果から究明いたします。
また、ご希望があればシューリパブリックのオーダーメイド靴のご注文も承ります。
詳細に関しましては、後日お知らせいたします。
【 お知らせ 4 】
12月6日(金)と7日(土)に長野市のIVY PRODUCTSさんでイベントを開催する予定です。
前回に引き続き、今回もちょっとしたミーティングができたらいいなぁって思いながら、計画を立てていただいています。
詳細が決まりましたら、また改めてお知らせいたします。
【 お知らせ 5 】
シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。
イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。
【 お知らせ 6 】
10月16日のブログでお伝えしましたクイックオーダー対応のアンケートは、只今製作中です。
完成しましたら、また改めてご案内させていただきます。
私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。