クロージングとは、ミシンをかける作業のこと。
スカイヴィング(漉き)と合わせて、ご紹介したいと思います。
ギブソンの場合は、だいたい同じようなまとめ方をするのですが、オックスフォードの場合はパターンからして全く違う作り方をするので、
靴づくりに興味をお持ちの方、さらには靴つくりはわからないけれどシューリパブリックは何を目指しているのか興味を持ってくださっている方には、ぜひ見ていただきたいと思います。
まずは、クリッキングが終わったパーツたち。
それらを、必要に応じてスカイヴィング。
重なって縫われる時に、下側に来るパーツは端を漉いて段差が出ないようにしておく必要があります。
また、ビーディング(折り込み)をするには、適当な厚さにしておきます。
これは、重なるときに下側に来るパーツ。
アンダーレイといいます。
スカイヴィングが終わったら、スティッチマーク(当たり)をつけます。
ひとことで言えば、縫う目印です。
こんな感じ。
意外にも、殆どのパーツをスカイヴィングする必要あり。
靴になってしまうと見ることができませんが、結構このような地味な作業が多いです。
やっとミシンスタート。
これは、キャップを縫っているところです。
今のトゥキャップは、言ってみれば単なるデザインです。
そもそもは二重になっていて補強の意味を持っていたと思いますが、今では重なっているのは縫い代の部分のみで、まさにデザインにすぎません。
ハトメの横の部分によくステッチが入っていますが、これも今は単なるデザインです。
元々は、ハトメの補強を縫って固定していたそうです。
表の革とライニングを縫っているところ。
端ギリギリを縫いますが、それでもどれくらい端ギリギリなのかはセンスの問題。
ハトメまでついてクォーター(後ろ半分のパーツ)の完成。
このあたりから、何を目的としているのかによってミシンのかけ方が変わってきます。
私の場合は、完成したクォーターにヴァンプ(前側のパーツ)を貼り付けて・・・、
あまり見せることはありませんが、裏側はこんな感じ。
そして、ライニングをめくって表の革のみでまず1列縫います。
次に、ヴァンプライニングを貼って、ライニングだけで縫います。
そうしたら、表の2列目は表の革とライニングを一緒にぶつ縫いします。
ライニングは、こんな感じになっています。
おそらく、靴を作っている方にはこの作り方は何を目的としているのかお分かりになるかと思いますが、
これは強度を追求している作りです。
表の革とライニングをぶつ縫いすることで、いわゆる建物の梁が強くなるようなイメージです。
強度が出て足をしっかりとホールドすることができれば、履き心地が良くなり、快適に歩くことができます。
人によっては、とにかくキレイにまとめたいという方もいて、そういう方はライニング側にあまりステッチが出ないようなパターンになっています。
そのほか、コストを追求してヴァンプライニング(つま先の側のライニング)を安い素材で済ませたいという方は、前半分後ろ半分をスパン!と切るようなパターンにしていることが多いようです。
何が良くて何が悪いということではなく、ちゃんと作られたモノにはちゃんと意味や目的があって、そのようなことを理解したうえで上手に使うのが良いと思います。
ミシンはこれで完成。
あとは、シャコどめを手縫いでおこないます。
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