イギリス靴において、デザイン的に、もしくは構造的にビッグ2と言われるのがこのギブソンとオックスフォードです。 向かって右がギブソンシューズで、左がオックスフォードシューズです。 その違いはヒモが通っているハネと呼ばれる部分の構造。 ギブソンはヴァンプ(つま先側のパーツ)と(クォーターハネを含めたカカト側のパーツ)の縫い方がクォーターが上に来るように縫われていて、ハネを広げる時にはヒモを緩めればかなり大きく開くようになります。 これに対し、オックスフォードはヴァンプとクォーターとの縫い方が、ヴァンプが上側に来るように縫われていて、なおかつハネを広げる時にはV字に開くようになります。 これがギブソンとオックスフォードの主な違いです。 デザイン上や構造上の違いはそんな感じなのですが、靴はデザインの違いは履き心地の違いに大きく関係します。 たとえば、ギブソンの場合は足が前にズレないように押さえるのは靴ヒモの役割が大きいのに対し、オックスフォードの場合は靴の形が決まってしまっているので靴そのもので押さえるようになります。 ときどきギブソンの方が足に合いやすいとか履きやすいなどという意見を聞くことがあるかもしれませんが、これはあくまでも足に合わない靴を前提にした話になります。 構造的に調整範囲が大きいので、ギブソンの方が守備範囲が広くなるのです。 では、足に合ったオーダーメイドなどの靴の場合はどうなのかというと、これは好みにもよるのですが、私が聞く範囲ではオックスフォードの方がホールドが良くて履きやすいという意見が多いように感じます。 やはり靴の中で足が動かないことが履きやすさにつながることもあって、靴ヒモで押さえるよりも靴そのもので押さえた方がしっかりとホールドされるということなのだと思います。 だからと言ってオックスフォードの方が圧勝かというとそういうわけでもなく、ヒモをきつめに締めればギブソンだってしっかりとホールドしてくれますし、ヒモをきつく締めるのが好きな方にはどちらも同じような履き心地になるはずです。 ちなみに、靴のデザインとしての立ち位置は、オックスフォードの方がフォーマルとされていて、かしこまった席などではこちらの方が無難です。 私個人的には、どちらかというとギブソンの方が好きで、脱ぎ履きの際にはパッとハネが開くことや、カジュアルな服にも合わせやすいというメリットがあり、私の生活スタイルに合っていると思います。 いずれにしても、単なるデザインの違いではなく、構造的に違うことや立ち位置が違うことを理解していただいて、靴のデザイン選びの参考にしていただけると嬉しいです。 ★★★お知らせ★★★ ★次回の長野市のIVY PRODUCTSさんでのイベントは、4月13日(土)と14日(日)の予定です。 ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
… 続きを読むシューリパブリック マーキュリー3
プロフィール
■ 高山純一 ■ Shoe Republic の代表及びクリエーターとして靴の製作を担当しています。 |
Categories
- News:お知らせ (215)
- 幸運のラストワンプラン (35)
- Archive:保存版 (5)
- Message:伝えたいこと (710)
- Products:お客様&靴フォト (843)
- Review:お客様の声 (81)
- Leather:革入荷情報 (231)
- ★★★15周年記念★★★ (18)
- @ Work:アットワーク (418)
- Samples:サンプル靴製作 (12)
- Hidden Story:こぼれ話 (340)
- Break Time:ブレイクタイム (314)
- Schedule:今月の週末情報 (1)
YouTube
Recent Posts
Link
Archives
- April 2024 (28)
- March 2024 (31)
- February 2024 (29)
- January 2024 (31)
- December 2023 (30)
- November 2023 (32)
- October 2023 (31)
- September 2023 (29)
- August 2023 (31)
- July 2023 (30)
- June 2023 (30)
- May 2023 (31)
- April 2023 (30)
- March 2023 (31)
- February 2023 (28)
- January 2023 (31)
- December 2022 (31)
- November 2022 (30)
- October 2022 (31)
- September 2022 (30)
- August 2022 (30)
- July 2022 (32)
- June 2022 (30)
- May 2022 (31)
- April 2022 (30)
- March 2022 (31)
- February 2022 (28)
- January 2022 (31)
- December 2021 (32)
- November 2021 (30)
- October 2021 (31)
- September 2021 (30)
- August 2021 (31)
- July 2021 (31)
- June 2021 (30)
- May 2021 (31)
- April 2021 (30)
- March 2021 (31)
- February 2021 (28)
- January 2021 (31)
- December 2020 (31)
- November 2020 (30)
- October 2020 (32)
- September 2020 (30)
- August 2020 (31)
- July 2020 (32)
- June 2020 (30)
- May 2020 (31)
- April 2020 (31)
- March 2020 (31)
- February 2020 (30)
- January 2020 (31)
- December 2019 (31)
- November 2019 (30)
- October 2019 (31)
- September 2019 (30)
- August 2019 (31)
- July 2019 (31)
- June 2019 (29)
- May 2019 (31)
- April 2019 (30)
- March 2019 (31)
- February 2019 (28)
- January 2019 (31)
- December 2018 (30)
- November 2018 (30)
- October 2018 (31)
- September 2018 (30)
- August 2018 (28)
- July 2018 (31)
- June 2018 (30)
- May 2018 (31)
- April 2018 (30)
- March 2018 (31)
- February 2018 (28)
- January 2018 (31)
- December 2017 (31)
- November 2017 (30)
- October 2017 (31)
- September 2017 (30)
- August 2017 (27)
- July 2017 (31)
- June 2017 (31)
- May 2017 (31)
- April 2017 (30)
- March 2017 (32)
- February 2017 (28)
- January 2017 (31)
- December 2016 (33)
- November 2016 (32)
- October 2016 (33)
- September 2016 (33)
- August 2016 (28)
- July 2016 (34)
- June 2016 (32)
- May 2016 (35)
- April 2016 (33)
- March 2016 (65)
|
Recent Comments