Archives

ギブソンブーツ

私が以前からずっと興味があって、大変気になっているものがあります。 それは、クルマのパーツでMCB(モーションコントロールビーム)というもの。 これはアイシン精機から発売されているもので、対抗馬としてヤマハから発売されているボディダンパーというものもあります。 どんなものかと言いますと、ひとことで言ってしまえばクルマのボディをしなやかにカッチリさせるものといったところでしょうか。 ボディをしっかりさせるというと、タワーバーやドアスタビライザーなどがありますが、それらはクルマのボディを硬くさせるのに対し、MCBはしっかりとさせているものの逃げ道も同時に作るというパーツ(と私は認識していますが・・・)。 クルマはボディやプラットフォームがフニャフニャだと、走っている時に撚れてしまって安定しなかったり乗り心地が悪かったりサスペンションが計算通りに動かなかったり、さらには運転している人が疲れてしまうなどのデメリットがあります。 それを改善するために新しいクルマはボディ剛性とかねじれ剛性などという、いわゆるクルマそのもののしっかり度合いを改善しています。 ただ、どうしても薄い金属の集合体であるクルマは、それでも凸凹を乗り越えた時やカーブを曲がるときにはボディがわずかながら撚れてしまい、その結果としてサスペンションが動き始めるタイミングが遅れてしまったり、乗り心地が悪くなってしまっているようです。 その時の撚れて変形する数値は、このMCBを紹介しているサイトによるとおよそ4μm(=0.004mm)程度とのことですが、そんなにわずかな変化でも人間の身体はその不具合を感じており、改めて人間の身体の精密さを実感します。 クルマのボディが撚れないようにするために、昔はタワーバーなどを取り付けてボディそのものを硬くカッチリとさせる補正をしていましたが、硬くカッチリとさせることはハンドリングがダイレクトになるなどのメリットがるように感じるものの、実際には振動の問題や片側からの衝撃を反対側に伝えてしまうなどのデメリットもありました。 そこで登場したのが、このMCBでありボディダンパーです。 両者は目的が似ているものの、構造的にも目指している方向性も異なるところがあり、似て非なるものと言えるのかもしれません。 ともあれ、そんなMCBはタワーバーとは異なり、目には見えないボディの撚れ(MCBのストロークはわずか4μm(=0.004mm)程度)を上手にいなしてくれつつ、ボディをしっかりと締めあげてくれるそうで、このパーツを装着することで乗り心地の改善や安定性の向上、異音の低減、さらには運転者の疲れの低減などの効果が感じられるとのこと。 理屈を聞いてもたしかに衝撃を反対側に伝えずにいなしてくれる構造なら、ボディがしっかりしてサスペンションの動きもより正確になり、大きなメリットが見込まれるのだろうと思います。 ただ、デメリットもいくつかあるそうで、まず価格が10万円超えであることや、他人によっては改善があまり感じられないこともあったりするとのこと。 さらには、クルマの設計段階からではなく後付けのパーツなので、取り付ける部分が必ずしもベストと言えるとは限らないことや、MCBなしで設計されたクルマに対してこのパーツをつけることでサスペンションやタイヤへの過剰な負担が考えられます。 クルマの設計って、私たちが想像するよりもはるかに高いレベルでなされているそうで、下手にいじるとバランスが崩れてしまうのだとか。 ただ、やはりちょっと気になるなぁというのが正直なところです。 じつは、靴も人間を乗せて移動するという点ではクルマと同じで、ねじれ剛性はある程度高い方が良いですし、外からの衝撃は上手に逃がしてあげる必要があります。 そういう点では、ハンドソーンウェルテッドの靴は剛性を上げるために補強を十分に入れることができますし、人間の体重に合わせた衝撃吸収の素材も入れることができます。 さらに、これは接着の靴と縫っている靴の最大の違いともいえることですが、目で見たところではまずわからないほどの、まさにMCBがストロークするかの如く、靴とウェルト、そしてウェルトとソールを縫っている糸が衝撃をいなしてくれるのです。 ハンドソーンウェルテッドの靴を見て触ったところで、靴とウェルト、もしくはウェルトとソールが衝撃をいなしてくれるなんて全くわかりませんが、それが縫ってある靴の特徴なのです。 接着の靴だと、なぜか地面に近いように感じるものの、ソールの厚さがほとんど変わらないのにハンドソーンウェルテッドの靴だと地面からの距離が遠く感じるのは、そんなところに理由があるのかもしれません。 人間の身体は、私たちが思っているよりもはるかに正確で敏感なのだと思います。 ★★★お知らせ★★★ ★「最高の靴を作るプラン」受付中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。 ★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。 ★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

… 続きを読む

   |  

↑トップへ