私が靴づくりを学んだイギリスでは、良いモノを買って永く使うという文化が定着しています。
そのために、靴ひとつとってみても非常にしっかりとした壊れにくい作りになっています。
昨日に引き続き、工房にあるサンプルのギブソンシューズです。
このギブソンシューズは、イギリスで歴史的に淘汰されたパターンで作られていて、ちょっとやそっとじゃ壊れないようにしっかりと作られています。
このステッチは、単にダブルステッチにして強度を出しているのではなく、このラインも重要になります。
ラストを考えた時に、このラインは凸凹の凹の部分になっていて、それはつまり足が当たりにくい部分ですから、足が当たって糸が切れたりするような心配はありません。
そのほかにもこのラインは靴が形を保つために、凹になっている弱い部分に剥ぎを作り、そこにステッチをかけて柱の役を果たさせているわけです。
カカトの後ろのドッグテイルも、パッカリと裂けないようにするための補強です。
これだけ大きな補強であれば、そう簡単に裂けたりしません。
ハネの付け根の補強をタブと言いますが、そのタブもただステッチを入れるだけではなく、革をあえて何枚も重ねたところにステッチが来るようなパターンにしており、ハネの表革、ハネのライニング、ヴァンプの表革、ヴァンプのライニング、そしてベロの一部もあえてステッチがかかるようにしてあって、合計5枚の革を縫い合わせて強度を出しています。
パターンはこんな形です。
このベロの付け根部分がちょっと延びていて、
それがタブのところにかかるようになっています。
そもそも、革は丈夫であることが特徴のひとつなので、その革を使って作る靴は丈夫であって当たり前であり、イギリス靴はその当たり前のことを当たり前に実現しているのです。
丈夫な作りで、永く使えること。
安心して使うために、とっても大切なことだと思います。
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