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ウェルティング

今日からウェルティングの作業を進めています。 今月は、出張がちょっと多いので、作業はなるべく前倒しにするように心がけています。 こちらは、つま先のウェルティングの作業をしているところです。 ウェルティングの中でも、つま先の部分に関しては比較的多く疑問を持たれる部分のようです。 具体的には、つま先の部分に糸を絡ませているけれど、これはどうやっているのかということと、 つま先のウェルティングは内側のピッチが細かくなるけれどどれくらいにしたらよいのかといことが多いようです。 現に、私自身も靴作りを始めたころに何の資料もなかったときは、どのようにしてやたら良いのかが全く分かりませんでした。 つま先は、ウェルティングのピッチが細かくなるので、リブの強度を保つために糸を絡めるということ自体、先輩から教えていただいたのです。 細かいことを言うと、つま先はピッチの乱れの心配もありますし、ラインが乱れてウェルトが外の方にかかったり内側にかかったりする心配もあります。 そういう可能性があるということを先に知っておいて、そうならないように作業をすることが大切だと思います。 ピッチに関しては、つま先だけカーブを切っていくと多少の無理がかかるので、若干手前からピッチを調整してあげることも必要なのですが、あまり前の方からピッチを調整すると違う意味で強度的な問題も出てくる可能性があるので、そのあたりのバランスが大切です。 ともあれ、私はこんな感じでやっています。 ピッチを揃えることは、靴自体の強度にもかかわってくるので、作業は丁寧におこなうことが大切です。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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チャッカブーツ

今日のお二人目の納品のお客様は、東京都にお住いのYFさんです。 YFさんとはもうかなり永いお付き合いになり、いつもたくさんの情報を教えていただいて、大変お世話になっております。   今回完成したのは、ネイビーのチャッカブーツです。 早速履いていただきました。   YFさんは以前から、 「みんなもっと靴には関心を持って、もう少し足に合っている靴を履いた方が良いと思いますよ。」 とおっしゃています。 YFさんご自身は、普段履く靴の大切さをとても理解されていらっしゃって、必要に応じて靴をご注文いただき、奥様の靴もたくさんご注文いただいております。 私も、靴にかかわる仕事をしている者として、本当にみなさんに足に合った靴を選んでいただきたいと思います。 足に合わない靴を履いていると、足に負担がかかるばかりでなく、歩き方が変なふうになってしまったり、余計なストレスがかかったりすることもあります。 全員がオーダーメイドということではなく、靴選びの際には専門家の方に相談してもう少し足に合うものを選んでほしいと思います。   話がそれましたが、YFさんの今回のチャッカブーツは、なかなか深い色のネイビーです。 ネイビーの靴は、黒ほど重くないのでカジュアル的な使い方もできますし、もちろんお仕事で履いていただくこともOKで、とっても使い勝手が良いと思います。 これは私の勝手なイメージなのですが、チャッカブーツって大人のカジュアルという感じがします。 アメリカンなワークブーツとはまた違った、正統派のオフィスで履けるカジュアルなのかもしれません。 格好良いです。 私も今年はややチャッカブーツ熱に感染しているので、ちょっと目が行ってしまいますが、それを差し引いてもチャッカブーツは使い勝手が良くて格好良いと思います。 YFさん、ありがとうございました。   靴のスペック デザイン: チャッカブーツ レザー: キップ ソール: ダイナイトソール ラスト: マイサイズラスト(SRC+サイズ調整) 製法: ハンドソーンウェルテッド   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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ギリーシューズ

今日は、2件の納品がありました。 午前中にお越しいただいたのは、埼玉県の住まいのHFさんです。 今回の靴が、5足目のシューリパブリックになります。 早速履いていただきました。   今回完成したのは、黒のギリーシューズです。 ここ最近は、男女問わずギリーシューズが人気となっています。 HFさんにとっても初めてのギリーシューズですが、履いていただいたご感想はというと・・・、 「ハネの形が独特ですが、甲がしっかりと締まる感じですね。」 とのこと。 しばらくそのまま履いていただいてフィッティングを確認しましたが、なかなか調子が良さそうです。 ギリーシューズは、ちょっと個性的なデザインということで、最初はやや抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、今回のHFさんの靴のように履いてしまえば全く普通の靴で、お仕事にもお休みの時にも履いていただけます。 加えて、このハネの形状の効果でフィッティングはとても素晴らしいのです。 私個人的にもとってもお勧めですので、皆様にぜひ一度履いていただきたいと思います。 HFさん、今日はありがとうございました。   靴のスペック デザイン: ギリーシューズ レザー: キップ ソール: ダイナイトウェイソール ラスト: マイサイズラスト(SRD+サイズ調整) 製法: ハンドソーンウェルテッド   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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チャン

今日は、もうすぐ始めるウェルティングの準備で、ウェルティングに使う糸を作りました。 「作りました」というと、ちょっと正しくないかもしれないので、「加工しました」ということにしましょう。 そもそもウェルティングとは、ハンドソーンウェルテッド(という製法)の靴を作るときに、最も注目するべき工程のひとつで、技術も経験も必要な作業になります。 そのウェルティングでは、つり込みが終わったアッパーに、ウェルトという細くて平たい革を縫い付ける作業です。 そんなもの機械で縫ってしまえばよいじゃない!という方には、グッドイヤーウェルテッドという機械で縫う製法がありますが、ハンドソーンウェルテッドは手作業ならではの特別な履き心地が得られるスペシャルな製法です。 そのウェルティングで使う糸は、9本撚りの麻糸です。 細い麻糸を9本で撚っているものです。 この糸を加工します。 この糸に、チャンと呼ばれる松脂ブレンドのワックスを塗ったところに、 糸をすごいスピードで布でしごいてちゃんを溶かして糸の内部に染み込ませ、 ビーズワックスで糸の表面にコートをします。 そうして出来上がったのが、こちらの糸です。 加工された糸は、パリッとしていてかなり硬くなっています。 長期にわたって靴を履いていただく際に、チャンが剥がれて糸が劣化することの無いよう、この糸作りは非常に丁寧に行う必要のある作業です。 加工する前の糸と、加工した糸を比べると、 こんな違いがあります。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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