終日前がら「出張&雨の日用」の靴のためし履きをしています。 実際に商品化するにあたって、とことん詰めて改良するべきところは改良しておきたいと考えています。 数日間履いてみて、いくつか細かい部分ですが改良するべきところが見えてきました。 まず、今回の靴の製法がハンドソーンウェルテッドやグッドイヤーウェルテッドではなく、ブラックラピドという製法であるために、わずかながら硬さを感じます。 硬いというのがとても説明しにくい状態で、クルマでいえばサスペンションの動きが渋いというイメージです。 ただ柔らかくすればよいというわけではないのですが、しっかりと衝撃を吸収してくれる部分を持たせる必要があると感じました。 それからもうひとつ、これはアッパーの革がやや柔らかめのシュリンクだったということも大きな理由のようなのですが、アッパーとソールのバランスがイマイチ良くなくて、靴下に硬いソールをつけたような感じになってしまっています。 これも、上で書いた硬さと関連する部分ですので、全体的なバランスを見直して、商品化するときにはアッパーの革もパッケージとして設定しておく必要がありそうです。 ハンドソーンウェルテッドでは、比較的柔らかい革を使ってもこのような印象はなかっただけに、ブラックラピドの硬さを改めて思い知らされたという結果です。 対策に関しては、すでに詳細に関して考えてあるので、もう少しこの靴を履いてみてまた何か問題があったら対策をとって行こうと思います。 ちなみに、今回テストしている靴はバージョン3ですが、これでもバージョン1に比べるとだいぶ改善しています。 こちらがステッチダウン製法で作ったバージョン1です。 右足と左足でバージョンの違う靴を履いて歩いてみると、接地の音が全く違っていて、バージョン1は「カツン」という硬い音なのに対してバージョン3は「コツン」というややハンドソーンウェルテッドの靴に近い音でした。 バージョン1で長時間履いていてちょっと疲れたのが、バージョン3ではだいぶ解決しているのは、多少なりとも進化していると言ってよいでしょう。 ただ、いくら履き心地を改善しても、トータル的な快適さはハンドソーンウェルテッドには敵わないのは間違いなさそうです。 ハンドソーンウェルテッドはそれだけ手間をかけて技術を費やして作っているので仕方ないことであり、ある意味で改めてハンドソーンウェルテッドの素晴らしさを実感する結果になるのだろうと思います。 ハンドソーンウェルテッドの靴は、永い歴史の中で淘汰されて築き上げられたものであり、そのバランスが素晴らしいことにおいては疑う余地もありません。 シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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■ 高山純一 ■ Shoe Republic の代表及びクリエーターとして靴の製作を担当しています。 |
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