最近は、とにかくムダがないとか、効率が良いとか、理論的に突き詰めたもの作りがひとつの流れになっていて、
例えば自動車で言えばエンジンのダウンサイジングが最たる例です。
エンジンが小さくて軽くて、ターボチャージャーを上手に使っているので低回転から十分なトルクがあって、
そんなちっちゃなエンジンでちゃんと走るのかと思うけれど、といりあえず普通に使う分には特に不満もなく、
むしろ同じトルクを発生する自然吸気のエンジンよりも低い回転数で太いトルクを発生してくれるのであまり回転を上げる必要もなく、
ある意味夢のようなエンジンなのです。
反面、あまりにもキッチリとスキなく作ってあって、人間味がないというか、おもしろくないというか、こういうことが若者だけでなく世の中の人のクルマ離れを加速させるのだろうと感じることもあります。
すべてが完成の域の近くまで達していると、やっぱり面白くないです。
そういった点で言えば、昔のエンジンはアクセルを踏んでもすぐに反応しなくて、そのために運転する技術も必要でしたし、そんな技術が上達することが楽しかったような気がします。
物事においても、もの作りにおいても、ギュウギュウに詰め込まれていると面白味を感じることができなくて、息が詰まってしまいます。
きっとそれらは社会の環境のために必要なことですし、今後はもっと合理的に作られていても今よりももっと気持ち的な余裕を感じることができるようなもの作りも生まれてくるでしょうから、
そこに向かって変化する過渡期と考えて、ちょっとくらい我慢しなくてはいけないのでしょう。
私たちシューリパブリックは、どんなに作業効率を追求しても、モノの中にある「楽しさ」はなくさないようにしたいと思っています。
味気ないものではなく、履いて楽しいものであるように。
こちらは、ハンドソーンウェルテッドの製作における山場のひとつで、ウェルティングをしているところです。
工場制手工業の時代は、もしかしたらたくさんの職人さんたちが工場に集まってこのような作業をしていたのかもしれませんが、
ラスティングやウェルティングが機械化された靴では、履いた時の心に響くウキウキが多少なりとも薄れてしまっているような気もします。
人の手でひと針ずつ感覚を確かめながら、
「最高のモノを作るぞ!」
って作り上げるものは、履いた時におおらかさすら感じるはずです。
足って、思いのほか敏感ですから、すぐに違いがわかりますよ。
ちゃんと作られたハンドソーンウェルテッドの靴って、足にちゃんと合っている快適な靴って、いったいどんな履き心地なんだろう?
それをたくさんの方々に知っていただくことが、私たちシューリパブリックの目的のひとつです。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
最初からキチンと作り込まれていると、なんだか窮屈に感じる私です。良い意味で少しだけユルく作ってあるものと対話をしながら、そしてもちろん作り手とも対話しながら自分にフィットさせる。こうすることで本当にコンフォータブルなものになってくる気がしています。反対に自分に合わないものは、対話の過程で知らない間に離れて行きますよね。そうこうしているうちに、気がついたら「シックリくる」ものだけが周りに残ってくるのかもしれません。
Markさん、コメントありがとうございます。
フィッティングのお好みは、本当に皆さんそれぞれですから、作り手が考える「ちょうど良い」を押し付けすぎないことも大切だと思っております。
そういったことからも、作り手とお客様の対話って大切ですよね。
履いていただくのはお客様ですから、お客様に気に入っていただけるものを作りたいと思っております。