日本では、クラシックというと「古典的」とか単に「古い」と訳してしまいがちですが、クラシックの本来の意味はそのほかにも「一流の」とか「最高の」という意味もあります。
私がイギリスの靴の学校で教わったclassicの意味は、「典型的なもの」とか「基本的なもの」、もしくは「スタンダードなもの」など、私たちがイメージするクラシックとはちょっと違います。
さて、今日は新たな靴のご注文で栃木県にお住いのKさんがお越しくださいました。
Kさんは、これまでにもすでに何足もの靴をご注文してくださっている永いお付き合いのお客様です。
そんなKさんは、モノの本質を見ていらっしゃる、とっても興味深いお客様です。
何年か前におっしゃっていたことがちょっと心に残っていまして、
「Kさん、何年か前に『最近はちょっと太めのデニムを履いている』っておっしゃっていましたけど、その頃はみんなまだ細いパンツが主流だったのに、最近になって男性もだいぶ太いのを履くようになってきましたよね。先見の目ががありますね。」
とお伝えしたところ、
「ああ、そうでしたね。でも、今はそういう流行とかよりも、こんな白いシャツみたいなスタンダードな服やパンツを選ぶようにしているんです。」
とのこと。
「昔、何かで北野武さんとウルフルズのトータス松本さんの対談を観たことがありまして、その時にたけしさんがトータスさんに『スタンダードなもので勝負しなさい。スタンダードなものは、モノの本質が最も問われるから、そういうもので勝負できるようになりなさい。』って言っていたのを思い出して、十何年経って最近はスタンダードな服を好むようになりました。」
とおっしゃっていました。
確かに、例えば真っ白なシャツは、その白いシャツのつくりの良さ、素材の良さが露骨に出てしまいます。
色でごまかしたり、形でごまかしたり、はたまたとっぴな飾りでごまかしたりすることができません。
トータスさんが本業としている歌の世界だって、何かとっぴで目新しい色物で勝負したところで、そこに本質が伴っていなければ人気は長く続きません。
Kさんは、
「大人になったのかなぁ・・・。」
なんておっしゃっていましたが、それが全ての基本であるべきなのは、誰にとっても変わらないことだと思います。
そして、ことのついでに私たちシューリパブリックの靴のことをうかがってみたところ、
「十分にスタンダードですよ。それに、基本的なことは昔から変わらないですし。でも、つくりや履き心地は毎年少しずつ改良されていて、そういうのが良いんじゃないですか。」
とのことでした。
私たちシューリパブリックの靴のコンセプトは、日常仕様のオーダーメイドであり、作る靴はブリティッシュクラシックです。
このクラシックは、決して古いという意味ではなく、歴史を超えたスタンダードなものということを意味しています。
イギリスの歴史ある文化から生まれた良い靴を、日本の皆さんにも履いていただきたい、それも普段に履いていただきたいということでこのコンセプトにしています。
日本はイギリスではありませんが、イギリスを見習うべきところはたくさんあります。
むしろ、歴史的なイギリスの文化は、モノを大切にするという昔の日本の文化に通じるところもあります。
そんな本質を気に入ってくださって、Kさんは私たちを選んでくださいました。
こちらは、今日Kさんが履いていらっしゃったギブソンシューズです。
以前にラスト#MRTを使って作ったものです。
アイレットの数はあえて4つにしてスタンダードで良い雰囲気を出しています。
次は、これもスタンダードなギブソンブーツですね。
しっかりと作らせていただきます。
完成を楽しみにしていてください。
ありがとうございました。
★★★お知らせ★★★
【 お知らせ 1 】
11月に愛知県一宮市にてイベントを開催します。
日頃から自らの手で作り出している実践的なクリエーターが集結して、パフォーマンスや商品の販売をします。
詳細はコチラをご覧ください。
【 お知らせ 2 】
9月3日(日)に、自由が丘のRifare自由が丘店さんにおいて、恒例の足の計測会&靴のオーダー会のイベントを開催します。
【 お知らせ 3 】
9月30日(土)と10月1日(日)に、神戸三宮のSUNさんにて、靴のオーダー会のイベントを開催いたします。
なかなか埼玉のシューリパブリックの工房までお越しいただくのが難しい方、オーダーのチャンスです。
どんな靴を作っているのか、見にいらしていただくのも大歓迎です。
【 お知らせ 4 】
雨の日&出張用の靴は、只今ご注文を承っています。
今年は茶系のギブソンシューズです。
受け付けは9月18日(祝)までの予定ですが、革がなくなり次第終了となります。
ご希望の方は、お早めにご連絡ください。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。