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余談ですが、先日ウチの中学生の娘と近所の蔦屋書店に行ったときのこと、 ウチの娘は絵が好きで、画集がほしいといって画集のコーナーを色々と物色していました。 その中で1冊気に入ったものがあったようなのですが、価格が2,800円と中学生にとってはそこそこの金額で、欲しいけれどちょっと高い、 でもお年玉の残りを使えば買えないこともないと、かなり真剣に悩んでいました。 私に買うべきか諦めるべきかと相談してきたので、 私はその画集が2,800円以上の価値があるか、もしくはその画集を買うことで2,800円分以上嬉しいかどうかを考えて、 それを買ったことで2,800円ぶん以上幸せになれるなら買いなさいとアドバイスをしました。 すると娘は迷うことなく画集を買い、今は毎晩嬉しそうに見ていて、買ってよ良かったと言っています。 ものを買うっていうことは、基本的にそういうことだと思っています。 百均に行ってなんだかわからない民芸品が100円で売っていたとしても、それを買ったところで100円ぶん幸せになれなければ、それは自分にとって100円でも買うべきではないことですし、 そのクルマが600万円だったとしても、そのクルマを買うことで自分や家族が600万円以上の幸せを得ることができるのであれば、それは買う価値があります。 最近は、新型コロナウィルス感染拡大もあり、キャンピングカーに注目が集まっていると聞きました。 キャンピングカーって、安くてもある程度のものを買えば500万とか1,000万とか結構な費用がかかりますが、 キャンピングカーを買うことで今はなかなか行きづらい旅行にも行くことができ、家族みんなが幸せになれるとか、 テレワークになって家の中で仕事をしていて家族に迷惑をかけてしまうような環境でも、キャンピングカーをうまく使うことでそちらで仕事ができるなど、 多少高くてもそれ以上幸せになれるのであれば、十分にお金を遣う価値があるというものです。 私は最近何かを買うときに、そんな感じで幸せを基準にしています。 今は、モノを買おうと思えばいくらでも買える時代ですし、むしろムダなものを買わないようにするというのが昨今の基本ですが、 何も買わないのではなく、むしろ積極的に幸せになれるものを探して買うというのは、これからの生き方のスタンダードになるのではないかと思っています。 靴の話は、またあとの方で出てくる予定ですが、安くてもそれだけの価値がないものではなく、そこそこの値段でそれ以上の価値があるもの、もしくは高くてもそれ以上の価値があるものを選ぶことで幸せになれるのだと思います。 さて、前置きが長くなりました。 先日、NHKで森七菜さんがナビゲーターとして出演していた「2030未来への分岐点」という番組を観ました。 3回のうちの私が観たのは第2回で、テーマが「飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」ということでした。 この番組が訴えるのはこの食料の問題と、第1回で放送された地球温暖化の問題、そして今後放送予定のプラスチック汚染の問題です。 正直なところ、こういう書き方が正しいのかどうかわかりませんし、もし私が間違っているのならしっかりと考えを改めるつもりでいますが、 私達が目にする環境に対する働きかけは、本当に地球環境に対して効果的なのかわからない部分がたくさんあります。 EVが脱炭素社会に向けて有効だと言われるけれど、リチウムイオンバッテリーを製造するためのレアメタル採掘の環境と将来的にそれらを処分することまでを天秤にかけて、本当に環境に良いのか、 エコバッグを持ちましょうといってみんながエコバッグを買い求めて使うようになったけれど、エコバッグは本当にエコなのか、確かに海洋生物たちがレジ袋を飲み込まなくなるのは歓迎するべきことですが、すべての環境を見たときにどうなのか、 そんなことが以前から気になっていました。 ある一部分だけを切り取って、 「ほら、こんなに環境に優しいよ。」 みたいなことを言っても、そこに至るまでに、もしくはその後において本当に良いのかということがちゃんと伝わって来ないのです。 ソーラーパネルだって、太陽光でエネルギーを得ることができればとっても素晴らしいけれど、耐用年数が20年とも25年とも言われ、それらを作るときと廃棄するときのエネルギー、そして場合によっては台風で飛ばされてしまう場合も考えて、トータルで本当にプラスなのかという疑問もあります。 リサイクルの紙やプラスチックも然り。 原材料を節約することができても、その分洗浄や収集に特別な過程が必要になると、それってどうなんだろうって思ってしまいます。 素人なので素人なりにできることをしたいと思っているのですが、わからないことばかりです。 ただ、今回観た(まだ途中までしか観ていませんが)番組での飽食の問題は、比較的わかりやすいと思いました。 私達がお店に行けばいつでも肉や魚や野菜を買うことができるように、常に実際に必要とされる以上の食料が売られていて、 結果的に大量の食物が廃棄されているのだそうです。 表面的に見れば、食べられるのにもったいないということですが、その深層には廃棄されることを前提とした価格設定がなされていることを知っておくべきだと思います。 たとえば、10個仕入れて6個売れて、4個廃棄となるのなら、 売れた6個で仕入れた10個分の利益を確保できる価格設定ということです。 つまり、消費者である私達は、破棄されるぶんまで負担しているわけですから、廃棄されるものがないのが当然なら、その商品はもう少し安く販売できるということになります。 じつは、この売り残さないというのは、皆さんも御存知のファッションセンターしまむらのやり方です。 極力値下げすることもなく、売れ残りそうな商品を売れそうな店舗に早めに送って売り切ってしまうのだそうです。 それは良いとして、売れ残ることが当たり前、もっと言えばいつ行っても欲しい物がお店にあるということは、消費者にとって嬉しいようで実際にはあまり嬉しいことではない面もあるのです。 それにしても、私達が住む日本はとにかく廃棄する食料がとてつもなく多い反面、世界には満足に食事を摂ることができない子どもたちがたくさんいるそうです。 今の状況を改善する必要があるのは明白で、更には今の日本はのほほんとしていられるけれど、世界のどこかで起きている食糧難が明日の我が身となるという可能性だって十分に考えられることを知っておくべきだと思います。 食料だけではなく、服や靴もしかり。 大量に作って売れ残った商品は大量に廃棄されるというのが当たり前の業界でした。 今は、売れ残った商品のタグを外して、そういうものばかりを安く販売するショップも出てきていますが、 それだってまだ始まったばかりです。 それに対して、私達のような受注生産のオーダーメイドは、売れ残るということがほぼないので、製品の大量廃棄ということはありません。 もちろん受注生産にもデメリットがありますが、製品を廃棄するような環境問題に関しては、非常にやさしい生産手段と言って良いと思います。 だからといって靴はすべてオーダーメイドにということは現実的に難しいかもしれませんが、靴に関してぜひ知っておいていただきたいことがあります。 それは、オーダーメイドの靴でも量販店の低価格の革靴でも、アッパーに使っている革の量は殆ど変わらないということです。 1足あたり、男性モノの靴でだいたい30デシ〜35デシ程度の革を使用します。 それだけの牛の革を使っているわけですが、低価格の靴は数ヶ月、もしくは半年、長くても1年位で履けなくなって廃棄してしまうことが多いと聞いています。 一方、しっかりと作られたグッドイヤーウェルテッドやハンドソーンウェルテッドの靴は、修理をして10年以上履くことができるため、消費する革の量が少なくなり、 靴を履きつぶす人と修理をして履く人とを比較をすると、10年間に消費する革の量は大きく異なるのです。 環境のために、環境が一番の理由で靴を選んでほしいとは思いませんが、靴を選ぶときには環境という要素もぜひ考えていただきたいと思います。 ★★★お知らせ★★★ 【お知らせ 1 】 企画商品の「旅チャッカ」の受付が始まりました。 ※写真はあくまでもイメージです。 この企画は、出張や旅行などで出かけられる際に、通常でしたらスペアの靴を持って行かなくてはいけないところを、インソールを交換することでこの1足で乗り切れるという仕様の靴です。 出張や旅行など、泊りでお出かけの多い方にお勧めの靴です。 製法は、ブラックラピド製法にて製作いたします。 革は、こちらで指定した黒の革のみです。 価格は、ラストは別で 81,400円(本体価格74,000円+税)です。 より道具のように履いていただける靴です。 ぜひ、ご検討ください。 ご注文期間及び数量限定です。 期間は2月末日まで、受注予定数は2月12日現在であと3足です。 詳細は、12月17日のブログをご参照ください。 また、YouTubeの紹介動画もご活用ください。 【お知らせ 2 】 2月から、お客様が履きこんで格好良く成長したシューリパブリックの靴をインスタにアップしていただけるようにハッシュタグを作ってみました。 履きこんだ靴を見てみたいというご要望が多く、ぜひシューリパブリックの靴・ブーツを履いていらっしゃるお客様にご協力をお願いいたします。 詳細は、2020年1月31日のブログをご覧ください。 インスタをやっていないというお客様におかれましては、私たちシューリパブリックへメールに添付して写真をお送りいただければ、私が代わりにアップさせていただきます。 ハッシュタグは #shoerepublicjpn です。 ぜひ皆さまの元に嫁いだシューリパブリックを見せてください。 【お知らせ 3 】 新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、工房にいらっしゃるのが難しいけれど靴のオーダーをご希望されるお客様へお知らせです。 ここ数年の間にご注文いただいた方、もしくは前回のご注文がそれ以前の方でも何足かご注文いただいているお客様は、 前回のデータを確認して問題なさそうであれば、そのままそのデータを元にオーダーをお受けすることが可能です。 靴の仕様に関しては、メールなどで打ち合わせをし、革に関してはご希望をうかがったうえでこちらからサンプルをお送りしてお選びいただく予定です。 こんな時だからこそ、足に合った快適な靴を履いて毎日を大切に過ごしたいという皆さま、ぜひご検討ください。 詳細は、4月18日のお知らせをご覧ください。ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。 オーダーではなく、ちょっと話を聞いてみたいとかちょっと相談してみたいという場合には、リモート見学という方法もございます。 まずはメールやお電話でお問い合わせください。 【お知らせ 4 】 シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。 イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。 私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。  

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