これはあくまでも私の好みなのですが、私は丈夫で壊れないものが好きです。
腕時計のベルトは、革よりもステンレス派。
繊細で美しいものよりも、丈夫で武骨なほうが好きです。
なので、余計な装備がついているモノよりも、シンプルで壊れるところが少ない方が好きです。
決して完璧を求めるわけではないのですが、何となく何かが壊れているとか完全じゃない状態って、ちょっと煩わしいと感じてしまいます。
あくまでもモノに対する場合です。
絵画は、印象派よりもリキテンスタインやキースへリングが好きです。
そんな考えがベースにあって靴づくりをしています。
なので、靴も壊れにくいモノ、丈夫なモノ、煩わしさがないものというところを目指してしまいます。
ちょっと写真が見にくいですが、私が普段履いているモンキーブーツのソールです。
このソールはリッヂウェイですがダイナイトにおいても同様で、もし仮にレザーソールにおいてもやはりだし縫いは機械縫いが良いと思います。
その理由は、丈夫だから。
ウェルティングにおいては、どうしても機械で縫ったものが手作業で縫ったものに及ばないので、こちらは圧倒的に手縫いの勝ちですし私もハンドソーンウェルテッドの靴はとっても良くできていて素晴らしいと思っていますが、
だし縫いはピッチの正確さやテンションの正確さ、そしてその構造において圧倒的に機械縫いの勝ちだと思っています。
なぜかと言いますと、だし縫いにおいて手縫いの場合は2本針と言って仮に針にAとBという名前を付けたとすると、
針Aと針Bはソール側とウェルト革を行ったり来たりして交代で縫われるのに対し、
機械縫いは家庭用のミシンと同じようにロックステッチという縫い方になり、上糸と下糸とが完全に分かれます。
その糸がまぁそこそこ太い糸を使うので、ロックの部分に結構大きな玉ができます。
そして、だし縫いの機械はその玉が比較的ソールに近い位置にできるように調整されています。
そんな前提で考えたときに、だし縫いは靴を履いていると底側の糸が少しずつ擦り切れていってそのうち切れてしまいます。
するとどうなるかというと、3針くらい擦り切れてしまった場合には、構造的に手縫いの縫い方の場合はぱっかりと剥がれてしまうのに対し、
機械縫いの場合にはロックステッチのロックの玉が引っ掛かりになってそう簡単にはソールが剥がれません。
つまり、機械縫いの方が同じ条件で縫ってあるとするなら丈夫だということになります。
多くの手縫いの場合は、レザーソールにヒドゥンチャンネルといって革にメスを入れて表面を薄くめくったところを縫う手法を取り入れていて、
簡単にはだし糸が切れないようになっていますが、
無駄なく効率的に機械縫いで手縫い以上のことができるわけなので、私はだし縫いは機械が良いと思っています。
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